次の日、私は早速マギウスの元へ向う。
最近はマギウス達とずっと一緒に居るような
そんな感覚さえ覚えるほどだな。
あまりいろは達とも一緒に居ない。
とは言え、今回は一緒に来て貰った。
今回の計画にはいろは達の協力が必須だ。
私達の目標をそろそろ共有しないとな。
私が魔力の限界突破が出来た事で
私達の目標も少しだけだが現実味が出て来た。
「おっと、今日はお姉さんとういまで来たんだ」
「うん、梨里奈さんに呼ばれて」
「確かにそろそろ駒を進めても良い頃だしね」
「まだ確定はしてないが、一歩は進めたからな」
早速、私は皆を席に着かせた。
「じゃあ、今回僕達が用意したウワサを話そう」
「ウワサ? また何か悪巧み?」
「悪巧みをわざわざ共有しないよ~
今回のウワサは梨里奈も了承済み。
むしろ梨里奈からの申し出でもあるからね」
「どう言う事? 梨里奈」
「今回のプロミストブラッドと
ネオマギウスの襲来で
被害を最小限に抑えるために
マギウスの3人に協力して貰ったんです。
この組織との戦いで被害が出てしまわない様に」
「確かにそうだね、特にプロミストブラッドは
魔法少女を躊躇いなく殺しそうだし」
明確な殺意を持って私達と敵対してたからな。
戦闘経験も豊富で相手を殺す事に躊躇いが無い。
恐らく、私達以外の魔法少女では殺される。
私達はマギウスと交戦してたこともあり
対魔法少女の経験が豊富だ。
だが、マギウスと戦ったことが無い
一般の魔法少女は対人経験が薄く
対人戦を良くこなしてるであろう
プロミストブラッドに殺されてしまうだろう。
「だから、魔法少女同士で殺し合いにならない様に
それを制御するウワサを用意したってワケ」
「でも、ウワサを作るのは負担が凄いって……」
「確かに僕の負担がいくらか掛るが
今回のウワサは梨里奈にも協力して貰うんだ。
誰かを中心に展開したウワサであれば
僕の負担はかなり軽減されるからね」
「あぁ、構わない。私が言い出したことだしな」
「……」
だが、この言葉でいろは達が暗い表情をした。
「どうしたんだ?」
「だって、それって結局梨里奈さんに負担を掛ける
それに、ねむちゃんにも負担を掛けて……」
「えぇ、私達が目標としてる魔法少女の解放。
一般の人達に迷惑を掛けずに魔法少女を救う。
そんな目標を掲げて、組織まで作ったけど
その計画を達成するために動いてるのは
梨里奈やマギウスであるあなた達だけ。
私達はあまり役に立ててない気がして」
実際、その為の計画は私達4人が中心だ。
他の魔法少女は殆ど関与してない。
だが、それも今日までだというのは明確だ。
「確かに計画を進めてるのは僕達だね。
僕達が計画を立案して梨里奈が纏めてる。
そして、僕達が計画に必要な物を用意して
それを活用するために梨里奈が行動してる」
「でも、それは当然ってワケ。
アリナ達にはその計画に必要な力が揃ってるしネ」
「でも、それも今回までだ。
今回からはユニオンにも全面協力して貰う」
「私達に出来る事があるんですか!?」
「あぁ、勿論だ」
今回から私達は本格的に活動を開始しよう。
計画をいろは達に伝えて
やちよさんを通してユニオン全体に伝えて貰う。
「でも、それを伝える前に僕らが用意したウワサだよ」
そう言って、ねむが資料を取り出した。
「今回用意したウワサは平和アナウンサーのウワサだ。
このウワサは神浜全域で
魔法少女の明確な殺意を感知した場合
テレパシーで魔法少女に殺意発生を伝えるウワサ。
このウワサは梨里奈に紐付かせ
最優先で殺意を梨里奈に伝えるようになってる。
要は、梨里奈に近いウワサと言えるかな」
「つまり、維持には私の魔力を利用するのか?」
「そう言う事だよ、梨里奈の魔力を利用して
神浜全域にまで効果範囲を広げると言う事だ」
「でも、それって梨里奈ちゃんの魔力消費が」
「大した消耗では無いよ。
一般の魔法少女でも1ヶ月は維持できる。
あくまでテレパシー程度の消耗だしね」
テレパシーは私の魔力を利用してと言う訳か。
「そして、周囲に魔法少女が居ない場合
平和アナウンサーの機能で
殺意を抱いた魔法少女を結界に隔離する。
魔法少女のソウルジェムを砕く直前でも
この機能が発動して強制的に隔離する。
この機能が発動した場合の消費は激しいが
梨里奈の魔力であれば大した事は無いよ」
この機能は恐らくアリナの魔法の応用だろう。
やはり結界を発生させるのは便利だな。
つまりこのウワサは私とアリナの魔力を
ある程度移植して発生させるウワサだろう。
「それに、私が集めてるエネルギーの一部だって
このウワサに混ぜてるからね~
効果範囲内なら確実に保護できるよ~」
「つまり、マギウスの3人と
梨里奈の能力を最大限活用したウワサなのね」
「そうだ、僕1人でもウワサを作る事は可能だけど
灯花、アリナ、梨里奈の協力を貰う事で
消耗をかなり抑えて発生させるウワサだよ。
更に効果もかなり上がってると言える」
ねむが生み出す噂は本当に色々と出来るな。
消耗が激しいから、1人では活用できないだろうが
エネルギーを溜め込み活用できる
灯花との相性が本当に凄いとも思える。
更にういの回収を上手く扱えば
魔力やそう言う部分を回収で集められる。
マギウスが完全に機能するには
やはり、ういが必要だったんだろう。
だから、マギウスの戦力は凄まじかったと言える。
もし、ういがイブになってない状態で
灯花、ねむと同じ思考だった場合
戦力はあの時よりも上だった可能性もあるな。
あくまで、ういの回収速度に
灯花の変換速度が追いついた場合だが
だが、今の状態なら十分可能かも知れないな。
「ウワサはこの形で用意してるから
僕の消耗はあまり無いんだ。
だから、あまり僕の事は気にしなくて良いよ。
何か気にいらない部分や改良して欲しい部分。
そう言うのがあれば、伝えて欲しいんだ」
「私は特に問題は無いと思う。
ソウルジェムが砕かれそうになった瞬間でも
効果が発動して隔離してくれるなら
かなり効果的なウワサになるだろうからな」
「梨里奈が構わないというなら、何も言わないわ」
「うん、私もかな」
「じゃあ、私から質問
隔離する時間はどれ位になるの?
後は隔離から解放された後に出てくる場所は?」
七美の疑問を聞いたねむが資料をめくる。
「隔離する時間は最大で8時間だ。
8時間経った場合、隔離された場所に出てくる。
8時間経過前に殺意を抱いて隔離された人物が
殺意を無くした場合は解放される。
出現場所は同じく隔離された場所だね」
「隔離された場所にトラックとか車とか
そう言う障害物が出来た場合は?」
「勿論、その障害物を避けた場所に出てくる。
あくまで隔離された結界から出されるだけだしね」
「じゃあ、その結界に隔離されてる場合に
魔法を使えたりは出来るのかな?
中には遠距離でも影響を与えるような
そんな魔法まであるわけだし」
確かにそう言う魔法はあるよな。
あまり考えては無かったが……
「なる程、確かにそう言うのもあるか。
魔法を行使出来ないように調整しよう」
「それともうひとつ、もし梨里奈ちゃんが
隔離された場合とかどうなるの?」
「私が?」
「うん、殺意ならあり得るかもって思ってさ。
明確に殺そうとしなくても殺意だけを抱く。
それは十分あり得る事だしね。
後もう一つは魔女と戦ってる場合だけど
これも、効果を及ぼしたりするのかな?
魔女に対しての殺意なら十分あり得るだろうし」
「梨里奈がって言うのは想定してないよ。
でも、平和アナウンサーの基本効果は
周囲に殺意を伝えることだからね。
よっぽど限定されてないと影響はないよ。
魔女と戦闘してる場合については
殺意を向けてる相手が魔女である場合
平和アナウンサーの効果は発動しない。
魔法少女から魔法少女に殺意を向けてる場合のみ
この平和アナウンサーの効果は発動する」
「じゃあ、魔法少女が一般人に殺意を向けても」
「このウワサじゃ対処出来ないと思う」
「……改良は出来るの?」
「ソウルジェムを持たない一般人を
認識する手段は想定できないんだ」
ソウルジェムに関連させ監視してるのか。
テレパシーを利用してるわけだから
ある意味では当然かも知れない。
「なる程……やっぱり難しいんだ……
じゃあ、もうひとつ、梨里奈ちゃんが
神浜の外に出かけた場合は機能するの?
梨里奈ちゃんを中心に機能させてるなら
梨里奈ちゃんが神浜から出た場合
機能しないような気がするんだけど」
「その場合は私のエネルギーを利用するよ?」
「じゃあ、最初からそのエネルギーで良くない?
梨里奈ちゃんの魔力を利用する訳じゃなくて」
「勿論、その方法でも可能だろう。
でも、このウワサはもう1つ狙いがあるんだ。
梨里奈の魔力と他の魔法少女達の魔力を
少しでも繋げる様にね」
「え? どう言う事ですか?」
「そう言う……」
そこまで考えてたのは分からなかったな。
確かにテレパシーを利用してると言う事は
私の魔力を他の魔法少女に少しとは言え
送ってるに近い。
そこから繋がりが出来る可能性があると。
「この説明はウワサの説明とは少し違うから
この後に話すよ。
それで、七美、これである程度納得出来た?」
「そうだね……最後のが少し気になるけど
ひとまずは私が懸念した部分は以上だよ」
「じゃあ、他に質問は?」
「おう! さっぱり分からないからねぇぜ!」
「わ、私も……いまいち、付いていけません…」
「じゃあ気になるんだけどさ
その魔力、梨里奈ちゃん限定じゃ無くても
私達とかの魔力を活用したりはしないの?
勿論、私達だって協力するよ!」
「協力してくれるのは勿論嬉しいんだけど
梨里奈の魔力を他の魔法少女と
少しでも繋げるためにも
梨里奈の魔力とそれを補助する
灯花のエネルギーの方が良いんだ」
「うー、分かったよ」
ここまで考えてくれるとは思わなかった。
やはりこの3人は頭が良いな。
そして、七美も本当に色々と考えてる。
「じゃあ、そろそろ次の話題に移ろうか。
次は僕らの計画の一部を共有しよう」
「ちょ~っと難しいから良く聞いてね?
質問があったら堪えるから
遠慮無く言ってよね?」
さて、次は私達の計画の話しになるか。
かなり重要な部分だししっかり聞いて貰おう。