早速説明を始めるとしよう。
今回の計画は私達4人が考えた計画。
3人の計画を集め、今までの情報から
私が色々な可能性を統括して
可能性が高いと考え組み立てた計画だ。
「それじゃ、梨里奈」
「あぁ、計画は私がしっかり話そう。
今回、私達が組み立てた計画は
魔法少女達の感情の力を集め
その感情の力を奇跡の力に変える計画だ」
「感情の力を奇跡の力に変えるって…どう言う?」
「そうだな、少し待ってくれ」
私は大きなホワイトボードを持ってきて
そこにマジックでいくらかの絵を描く。
「まず、私達がどうやって魔法少女になったか。
それは、覚えてるよな?」
「えぇ、忘れるはずも無いわ。
キュウべぇに騙されて契約されて」
「騙されては無いんですよね。
あいつらは嘘を言ってませんからね。
あいつらは私達の魂を対価として
私達の願いを叶え魔法少女にした。
あくまで必要最低限の要素のみを説明し
了承させて魔法少女にさせたまで。
言うなれば、私達が契約書を見なかっただけです」
あいつらはそこら辺中々ずる賢いからな。
そもそも契約書すら出しては無い。
口約束のみで事足りる契約だからな。
まるで悪魔のような方法で契約を結ばせた。
「それはそうだけど……でも、必要最低限すぎます。
魔女と戦う必要があるって言っただけで……」
「そこはきっと必要な部分では無いと思うんだ」
「どう言う事?」
「あいつらが示してきた必要最低限の要素は
魂を対価としてと言う部分と願いの部分。
つまり願いを叶える代償が魂であるという部分」
「それが、どうして最低限の要素と言えるの?」
「色々な可能性を考慮して私達が辿り着いた答えは
キュウべぇは私達の魂に了承無しで影響は与えられない
そう言う考えに至ったからです」
私達の魂が了承しなければソウルジェムに出来ない。
恐らく、感情のエネルギーは魂が発生させており
その魂が発生させる感情のエネルギーは
現実の法則さえ無視して世界を書き換える程の影響がある。
「キュウべぇ達の狙いが私達の感情のエネルギーというのは
既に話したと思うんだけど~
そのエネルギーを発生させてるのが推定で魂という部分。
ちょーっと非科学的ではあるけどね~」
「とは言え、疑いようのない要素だとは思う。
僕達よりも高度な技術を持つインキュベーターが
魂という部分を疑う素振りが無い訳だからね。
あいつらは荒唐無稽な話は信じないだろう」
「で、そんな連中が魂を否定してないって事は
アリナ達が持つ感情の力は魂にあるって想定できるってワケ」
「奴らが効率のみを望む獣である以上
非効率な事はしないだろうからな。
魂がただの幻想であるならば
わざわざ奴らは追い求めないだろう。
だが、奴らはその部分を追い求め
感情のエネルギーに辿り着き
私達に白羽の矢を立てたというわけだ。
それ故に魂が実在すると想定は出来る。
そもそも、死者さえ蘇るくらいだからな。
魂が存在しないのであれば蘇生は無いだろう。
その場合で蘇生が叶うとすれば
人は脳みそが全てと言う事になるしな。
脳を完全に複製すれば完全に同じ人間が増え続ける。
もしくは脳を完全に復元できれば
人間は不死にもなる訳だ」
「スワンプマンみたいだね」
「そもそも、脳みそが全てであるなら
インキュベーターがわざわざ契約はしないしね。
私達の誰かをアブダクションして
脳を解剖してエネルギーを抽出し続ければ
それで良いわけだし~
更にクローンを量産して大量の脳みそを用意して
ひたすらに脳に刺激を与え続け
感情のエネルギーを抽出すれば事足りるし
そっちの方が遙かに効率的だからね~」
「そ、想像するだけでおぞましい……」
「俺はよく分かんねーぜ」
脳が感情エネルギーの発生源であるなら
実際その方法で量産する方が効率的だ。
クローン技術は私達程度の技術だろうとも
再現が出来る程度の技術だからな。
私達よりも遙かに高度な技術を持つ
キュウべぇ達がクローン技術を持たないはずも無い。
「だから、恐らく魂が元の体に戻り、初めて蘇生になる。
もしくは死んだ場合は体の中にある魂が壊れる事で
死亡するから、蘇生でその魂を元の姿に戻せば
人として蘇生できるのか。
ソウルジェムを砕き、蘇生の魔法で
ソウルジェムが再生して蘇る場合なら
後者の可能性が高くなると思う。
とは言え、魔法少女の場合は
魂が固形物になってるから
元に戻せば回復するだけかも知れないが」
その場合だと、ソウルジェムが砕けた場合
魔法少女は輪廻転生が出来ないのかも知れない。
流石に検証する方法も無いから想像でしか無いが
もしそうなら、より一層魔法少女を
ただの少女に戻さなければならなくなるな。
「後者の場合であれば、よく言われる輪廻転生。
その輪からも魔法少女は外れて
転生することさえ出来ない可能性もあるが
それも、立証する手段は無いから何も言えない。
あくまでそう言う危険性があるというだけだ」
「……」
ある程度の知識があればそれが恐ろしい事だというのは
簡単に想像出来るだろう。
だが、死後の世界なんて私は知らないからな。
きっと七美も知らないだろう。
「……でも、梨里奈ちゃん。
その可能性通りなら私はどうなるの?
私は魔法少女になる前に死んでる。
そして、時間が経った後に蘇生して貰ってる訳で
もし死後の世界があるなら、記憶がありそうだけど」
「流石にそこまで分からないな。
ただ、死後の世界が無いだけかも知れない。
もしくは魂その物に何かを記憶する機能はなく。
記憶する機能は人体の脳が担っており
魂は感情のエネルギー等を発生させる
何かのコアみたいな物でしかないのかも知れない」
流石に分からないからな、予想しか出来ないだろう。
だが、ほぼ確定してる要素として魂はある。
魂が無いのであれば、感情エネルギーは
全て人体の脳が発生させてるわけだ。
それなら、脳を量産すれば
いくらでも感情エネルギーを回収できる。
「だが、確実に魂はあると断言できる。
脳が感情のエネルギーを発生させるなら
灯花が言ってた方法が最も効率的だ。
奴らが自在に管理できるわけだからな。
だが、それをあいつらがしてないと言うことは
感情エネルギーは脳が発生させてるわけでは無い。
ならば、何処が発生させてるか。
少なくとも奴らの手を持ってしても
完全に管理できない部分だ。
物理的に増やせる物でも無いし。
物理的に管理できる部分でも無い。
そう考えれば、魂としか考えられない」
奴らの事を考えれば分かる事だ。
奴らは効率のみを追い求める獣だが
私達よりも遙かに合理的で高い技術を持ってる。
そんな奴らがこんな非効率的な真似はしない。
恐らくは感情エネルギーが何処から出てるのか。
それを徹底的に調べていき辿り着いた答えが
魂という部分なのだろう。
そして、奴らの手を持ってしても、魂という
神聖な部分には安易に手は出せなかったんだろう。
だが分からない事も当然出てくる。
感情エネルギーが魂によって生じてるなら
同じ様に魂が入ってるであろう
キュウべぇ達は何故感情エネルギーを
自分達で発生させようとしてないのか。
効率のみを求め続けたことで
奴らの中にある魂は枯れてしまったのか?
そもそも、人である必要性はあったのか?
魂の性質は人間と動物で違うのか?
感情エネルギーを発生させる魂以外は
人間以外には宿る事は無いのか?
それとも、人間以外の魂は
大きな感情エネルギーを発生させられないのか?
本当に考えると分からなくなってくるな。
だが、魂は実在するだろう。
「さて、話がかなり脱線したから本題に戻そう。
恐らくキュウべぇ達は魂の了承無しでは
魂に干渉することが出来ないんだと思う。
だから、願いを叶えてあげるから
自分達と契約して欲しいと言ってるんだろう。
そして、私達が了承すれば
契約は成立し、奴らは魂に干渉できる。
その時、恐らく魂のエネルギーを奴らは応用し
私達の願いを叶えて契約成立と言う形だ。
恐らくこの時に私達の魂に干渉し
自分達がエネルギーを奪えるように
魂を都合良く加工して、ソウルジェムにしてる。
そして、魂が発生させる感情エネルギーの一部を
魔力という形に変換させ、魔法少女が扱える様にする」
「なる程……」
「そして、ここに1つ面白い要素が加わってるんだよね」
「え?」
「魔法少女の強さは因果によって変動するんだよ」
「えぇ、聞いたわ。それが?」
「そもそも因果ってなんだよ」
「簡単に言えば周囲に与える影響だ。
詳しく説明するとかなり時間が掛るから省くが
今回の場合は人が人に与える影響を因果と考えてくれ」
流石に色々と説明すると時間が足りないからな。
結構哲学的な問題でもあるし
答えが無い問題でもあるからな。
「例えば、私はかなり強いだろう?」
「そうだね」
「それは私の魔法の影響もあるが
私にかなりの因果があるからでもある。
私は小中で大会を何度も優勝してるし
私を目標にして努力してる人物も多い。
私に憧れて私に近付こうとしてる人も多いし
私に完全を求めて居る人も数え切れないだろう。
私の両親を筆頭に、小中のクラスメイト達
学校の先生や他にも色々な会社の重役とかな」
私は結構色々な人達に注目されてるからな。
そもそもだ、直接学校の人間が来て
うちの学校に来て下さいって言うくらいだしな。
「つまり、私に影響を受けた人達が多いんだ。
私に影響を受けた人が多いと言うことは
それだけ、私へ集まる因果が増えると言うことだ。
だから、私は並の魔法少女よりも遙かに強い。
で、マギウスの3人も色々な人に多大な影響を与えてる。
高い天文学の知識を持って注目されてる灯花。
小説家の金の卵として期待されてるねむ。
天才的な芸術家であり、未来を期待されてるアリナ。
この3人が強いのも周りに大きな影響を与えてるからだ」
これが、今回の因果の部分だ。
そして、ここで重要になってくる部分は。
「そして、重要になってくる部分は
期待されてるという部分だ」
「え?」
「恐らく、因果は私達に向けられてる希望だろう。
きっと希望、期待、感情はそう言った物を
他者に力を与える事を魂は出来るんだと思う。
思いを引き継ぐ事だって私達は出来るからな」
「……」
私の言葉にやちよさんが大きく反応した。
やちよさんの魔法は確かそう言う魔法だったはず。
仲間になった魔法少女の希望を受け継ぐ魔法。
私が居ない間に戦ったキモチとの戦いで
ようやくそう言う魔法だと理解したそうだ。
「私も経験してるからな。
ワルプルギスの夜と戦ってる時に
私は色々な希望に背中を押された。
その結果あの奇跡を起せたと言える」
「た、確かに……」
あの時も私は色々な希望に守られてるような気がした。
背中に翼でも生えてるのかと勘違いするほどに
あの時の私はあまりにも強くなり過ぎてた。
何故、あんな風になれたのか……恐らくだが
色々な魔法少女達が私に希望を抱いてくれたからだ。
私ならなんとかしてくれると、信じてくれたからだと思う。
「そして、私の魔法は魔力にも
影響を与える事も立証できた。
魔力は推測だが感情エネルギーの一部だ。
そのエネルギーに直接干渉が出来た」
「つまり……」
「私の限界突破を用いれば
希望の力さえ限界を越えられる可能性が高い」
「じゃ、じゃあ、あのウワサで
わざわざ梨里奈の魔力を他の魔法少女に繋ぐのは」
「うん、梨里奈に
感情エネルギーが集中しやすいようにだよ
少しでも梨里奈の魔力により
魔法少女達に影響を与える為だね」
「影響を与える、つまりは因果を少しでも集中させる。
より因果を梨里奈に集中させる事が出来れば
梨里奈の限界突破で一気に殻を破れるかも知れない」
「キュウべぇによって押さえ込まれてる
私達にあるであろう、奇跡を起す力。
その力を無理矢理押し返して、
最大の奇跡を起すんだ」
「当然、莫大なエネルギーになるはず。
奇跡を起せる力だからね。
そう簡単に尽きるようなエネルギーでも無いし。
更に私達の希望の力を
その莫大なエネルギーに再充填させ続ければ
宇宙の熱的死も避ける事が出来ると思うんだよねー」
「周囲の希望を繋ぐ状態にイブの様に姿を与え
エネルギーを集め続ける状態を作り出す。
僕の具現化の力を用いればきっと可能だ」
イブの様に絶望の力を集め続ける存在が生まれるなら
希望の力を集め続ける事だってきっと可能だろう。
だが、強制では無く、任意で与え続ける。
その状態が出来れば、きっと熱的死も避けられる。
「もしくは莫大なエネルギーを用いて
熱的死を避ける奇跡を生み出すとかネ。
こっちの方が可能性は高いと思うケド」
「だが、どちらを選ぶにしてもやる事がある。
皆、これからが一番重要な部分だ」
「……」
私の言葉で全員が息を呑んだ。
「協力して欲しいんだ、奇跡を起すために。
まずは私達を信じて欲しいんだ。
必ず奇跡を起すことが出来ると」
「信じます! 勿論!」
「えぇ、希望の力が繋がることを私は知ってるわ」
「勿論だよ! 今更疑う事は無いからね!」
「はい! 信じます、必ず願いは叶うって!」
「俺だって姉ちゃんを信じてるからな!」
「梨里奈お姉ちゃんを信じるのは当然だよ!
だって、私は何度も助けて貰ってるもん。
疑うなんて事、絶対しない!」
「梨里奈ちゃんが信じて欲しいというなら
私は梨里奈ちゃんを信じるよ。
まぁ、無理しないって言葉は信じないけど」
「お姉ちゃん、全部信じるって言えば良いのに。
ま、まぁ、私も信じるよ……
でも、お姉ちゃんが疑ったときは疑うけど」
「ありがとう」
信じて貰う事は大事だからな。
まぁ、七美には若干疑われてるような気もするが
七美は私の事をよく知ってるからな。
私は七美を信じてる。
「なら、全員にやって欲しいことを言う。
この神浜に来ている魔法少女達を説得して欲しい。
恐らくこれから、イブを巡って争奪戦が始まる。
その争奪戦の間にプロミストブラッドや
ネオマギウス達を説得して、信じて貰って欲しいんだ。
私達も説得するように努力はする。
だが、私達よりもきっといろは達の方が
説得できる可能性は高いと思うんだ」
「分かりました、必ず説得して見せます!」
「えぇ、一緒に歩む道は必ずある筈だからね」
「ありがとうございます。
では、立ち回りも少し話そう。
まずはユニオンの魔法少女達に
私達を信じて貰うように説得して欲しい。
まずは仲間達から確実な協力を得る事が大事だからな。
その後はそれぞれの組織を説得できる様
立ち回って行きたい」
「分かりました!」
「次にユニオンで協力を申し出てくれる
そんな魔法少女が居た場合だが
その魔法少女達には中立の魔法少女達の
説得をお願いして欲しいと思ってる。
私達は主にキモチ争奪戦に参加して
プロミストブラッドやネオマギウス等の
敵対してる組織を説得するように立ち回りたい。
普通の魔法少女には対人戦が多発するであろう
キモチ争奪戦はあまりにも危険だからな。
キモチ自体も強力だし、
実戦経験が豊富過ぎる私達でなければ危険だ。
その裏で私やマギウスは殺し合いが発生しないように
立ち回ったりする可能性が高い。
だから、キモチとの戦闘に
参加出来ない可能性もある。
だから、マギウスと私は
常時一緒では無いと思って欲しい。
常に戦力には数えない方が良いかも知れない。
特にマギウスの3人には組織の管理もあるからな
私以上に戦力には数えないよう立ち回って欲しい」
「梨里奈さんや灯花ちゃん達が居ないのは
確かに不安かも知れませんけど大丈夫です!」
「えぇ、必ず説得してみせるわ。
キモチ戦も必ず私が守り通してみせる」
「はい、わ、私も居ます! から!」
「おう! キモチは俺に任せろ!」
「ちゃんと連携しないと駄目だよ?」
キモチとの戦いはきっと大丈夫だろう。
いろは達も居るし七美達も居るからな。
私も可能な限り参加はするつもりだしな。
「説得が終わった後は最後の仕上げもある。
うい、やちよさん、七美の3人は
最後の仕上げでかなり重要な役目を担って貰う事になる」
「わ、私が……?」
「私に出来ることならなんでもやるわ」
「任せて、梨里奈ちゃん」
「細かい話はその時が近付いてきたら説明するね。
最後の仕上げはまだ調整してる最中だから」
「でも、必ず成功させてみせるよ」
「アリナ達なら全然余裕だしネ
あんたらはアリナ達を信じて
自分が出来る事をやってヨネ」
アリナ達の言葉の後、皆が力強く頷いてくれた。
「以上が今回、私達が共有したい計画の一部だ。
皆、私達を信じて欲しい。
そして、自分達を信じて欲しい。
大丈夫、必ず成功する!」
「えぇ!」
「まずは一歩、踏み出しましょう! 未来の為に!」
私達だけでは出来ない大きな大きな計画だ。
だが、必ず成功させてみせる!
信じる事で奇跡だって起せるはずだ!
私達は奇跡さえ起せるんだからな!