私達は急いで魔女の気配を感じた方へ走っていった。
どうも大きな気配を感じるが、やるしかないだろう。
「よし、行くよ!」
「あぁ、油断せずに行こう」
私達はその場で変身し、すぐに結界の中へ入った。
結界の中にはいくつもの刃物らしき物が刺さっている。
「なんか…かなり病んでそうな結界だな」
「うわぁ、ナイフとかが一杯だよ…」
「@@。s!」
色々と見て回る余裕は無いようだな。
私達の前に現われたのは、大きな檻にいくつもの刃物が刺さった使い魔だった。
その刃物はどうやら自在に動くようで、私達に刃物を飛ばしてきた。
「ち!」
ひとまず飛んで来た刃物を撃ち落とす。
しかしこう言うのは喰らうと痛いじゃ済みそうにないな。
「攻撃的だね、この使い魔」
「刃物による攻撃だ、喰らえば痛いじゃ済まないだろう。油断しないようにしよう」
「うん、そうだね!」
しかしだ、刃物に関しては私もそれなりに得意だからな。
「っと、そら!」
「::@!」
「喰らえー!」
「;;;!」
鶴乃の攻撃は炎が付いている扇による攻撃なのか。
ブーメランのように投げた後に戻ってくるのは便利が良い。
更に彼女は戦闘能力も高いようで、飛んで来る刃物も簡単に避けている。
自分の事を最強の魔法少女と言うだけはあって、その実力は本物か。
確かにかなり強い。しかし、やちよさんと比べると動きが単純に見えるな。
能力は高いが猪突猛進。やちよさん相手となれば勝ち目は無さそうだ。
「あ! 梨里奈ちゃん危ない!」
「私を集中砲火とは」
とは言え、私もこれ位の攻撃でやられてやるほどに優しくはない。
飛んで来たナイフを全て撃ち落とす。これ位は造作ない。
「おぉ! 全方向から飛んで来たのに撃ち落とすなんて!
梨里奈ちゃんって強いんだね!」
「多少自信はあるんだ。さぁ、あの使い魔を潰して魔女を探すぞ!」
「うん!」
私達はそのまま使い魔達を排除しながら結界の奥へ進んでいった。
全身が刃物で出来た棒人間の様な使い魔にも襲われるが撃破は可能だった。
そしてどうやらこの使い魔達は姿によって役割も違うようだ。
檻にナイフが刺さっている使い魔は基本的に遠距離攻撃を。
接近してくる棒人間の方はそのまま近接戦闘をメインにしてるらしい。
まぁ共通点として、どちらも異常な程に凶暴だがな。
「っとと、なんかここの使い魔、結構強いね」
「あぁ」
最初、ももこ達と一緒に戦った魔女の使い魔よりは断然強い。
遠距離攻撃と近距離攻撃の組み合わせ。連携も完璧だ。
更に装備は刃物。あんなのを思いっきり喰らえば痛いじゃ済まないぞ。
油断は出来ない。攻撃を受けないように立ち回らないといけないのは辛いな。
まぁ、痛いのは苦手だし、最初から攻撃を受けるつもりは毛頭無いんだが。
「よし、この奥に魔女が居るぞ」
「うん、油断しないで行こう!」
私達2人は勢いをそのままに魔女が住む最深部へと突入した。
その中に居たのは、大きな檻の中に無数の小さな刃物が突き刺さっており
その檻を足下から持ち上げている人型の使い魔達が何人も。
その他にも檻を守っている使い魔もわんさか居る。
「これが魔女か…」
檻の中には刃物の他に、大きなイスにふんぞり返ってる仮面を被った棒人間が居る。
その棒人間は仮面越しにこちらを見ているように見えた。
とは言え、その棒人間に顔なんて物はないんだが。
「、、@;;:!!」
「なんて言ってるか分からないけど、やる気満々って感じだね」
「油断しな、うお!」
魔女は早速動いた。檻の中にあるいくつもの刃物を同時にこちらに飛ばしてくる。
その数は数え切れない。避ける隙間も見えないぞ!
「うわぁあ!」
「避けれない、弾け!」
「分かってる!」
私達は2人で協力し、自分達を狙って飛んで来た刃物を全て撃ち落とす。
く、なんて強力な…一撃一撃が侮れないくらいに強いぞ。
そう易々と防ぎきれない…油断ならない攻撃だ。
「数が多い攻撃って厄介だよね!」
「そうだな、防ぐしか無い」
「@@;!」
「わぁ! また!」
さっき飛ばしてきていた刃物も、あの短期間の内に復活している。
この短い間隔で…これは厄介だな、厄介極まりない。
長期戦は避けなくては…勝ち目はないぞ。
「っ! 長期戦は避けたいな」
「うん、でもこのままじゃ近付けないよ」
恐らくだが、接近すれば檻を守っている使い魔も動いてくる。
その間に魔女からの攻撃が飛んで来たら防ぐのが難しくなるな。
つまり、一瞬で片を付けるしか無いと言う事だ。
「……鶴乃、次の攻撃が来たら私が一気に近付く。
鶴乃は私の接近を妨害しようとする使い魔を排除して欲しい」
「うん、分かったよ。でも鶴乃って呼び捨てしてくれるの何だか嬉しい!」
「…気に入らなかったか?」
「いいや! 何だか呼び捨ての方が良いよ!
なんかこう、相棒って感じがするしね!」
「…そうかもな」
お互いの命を預けてる相棒。今のこの状態はそんな感じだしな。
「よし、じゃあ一気に仕掛ける。作戦通り頼むぞ」
「うん、任せて!」
「……付いて来いよ?」
「うん!」
丁度作戦会議が終わったタイミングに魔女の攻撃が飛んで来た。
それに会わせ、私は固有魔法を発動。一気に接近する。
飛んで来たナイフを撃ち落としながら、一気に魔女へ近付いた。
「@@・:!」
私の攻撃を妨害しようと使い魔達が飛んで来る。
「させないよ!」
だが、その使い魔達を鶴乃の扇が叩き落とした。
私は鶴乃の扇でバランスを崩したりしている使い魔を踏み台にして再び飛び上がる。
そして、鶴乃の扇を踏み台にして、一気に魔女へ接近した。
「くたばれ!」
檻の隙間から入り、中に居る魔女の胴体を巨大化させた短刀で切断した。
ここまで巨大化できるなら、正直短刀である必要性はないな。
「@@。:……」
真っ二つに切断された魔女はゆっくりと姿を消し
足下にグリーフシードを残して完全消滅した。
「やったね!」
「あぁ、無事撃破だ」
魔女を撃破したことで使い魔達もその姿を消していく。
「よし、このグリーフシードは鶴乃に渡すよ」
「え? 良いの?」
「あぁ、私は沢山あるからな」
「おぉ! ありがとう! じゃあ、早速使おう。さっきので結構消耗しちゃったし」
「無理はしない方が良いからな」
「梨里奈ちゃんは大丈夫?」
「あぁ、問題無いよ」
ひとまず一息吐く事にした。
流石に魔女戦直後だと、ちょっとばかししんどいからな。
「ふぅ…よし、少し休んだら口寄せ神社のうわさをもう一度探してみるか」
「うん、そうだね!」
少しの休憩の後、私達は再び口寄せ神社を探す事にした。
しかしまぁ、方々探しても結局口寄せ神社が何処なのか分からなかった。
「見付からないね…」
「そうだな、もう良い時間だ」
若干暗くなって、私達は帰る事にした。
その道中…私達は水名神社の前を通る。
「ほぅ、夜は参拝が終わってるんだな」
「そうみたいだね。まぁ、夜ってなると幽霊でそうだもんね!」
「は、幽霊なんて……ん?」
待てよ、昨日鶴乃から聞いたおとぎ話…確か最後の方。
(男の人は幽霊なんだけどね)
そう言ってたはず…幽霊はいつ出てくる?
そんなの、夜に決ってる。
で、うわさがあるのにうわさは広がっていない。
更に私達が色々と探しても見付からない理由…そんなの1つしか無い。
私達は、夜の時間帯に神社を回っていないからだ。
暗くなれば当然家に帰る。そうか、だから見付からなかったんだ!
「どうしたの?」
「…口寄せ神社が何処か分かった」
「えぇ!? そうなの!?」
「あぁ、水名神社だと思う」
「え? でも、水名神社は違うよ、探しても」
「……幽霊はいつ出てくると思う?」
「え? そんなの夜…あ、あぁ!」
「そう、恐らく口寄せ神社は夜の水名神社。
夜に捜索することがなかったから、気付けなかったんだ。
参拝も終了してる…通りで探しても見付からないと思った」
「なる程! それなら、急いでいろはちゃんにも伝えよう!」
「そうだな」
私達はすぐにいろはに連絡してこの事を伝えた。
しかし、いろはの方もやちよさんに教えて貰ったと言っていた。
そして明日の18時30分に集まろうという約束をしたとも言っていた。
全く盲点だったよ…話は良く聞く物だな。
だが、これで目星は付いた。明日こそ必ず見つけ出す!
魔女の性質。
鉄の魔女、その性質は拒絶。
自らの鳥かごと、自らを称える存在にしか興味を持たない魔女。
それ以外の者には、ただ単純で安直な恐怖のみを与え
自らの眷属にしてしまう。
正直必要無いかも知れませんが、考えた以上は発表したかった…