魔法少女の道化師   作:幻想郷のオリオン座

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楽しい時間

さて、別荘の冷蔵庫を確認してみよう。

料理もする必要があるだろうしな。

 

「どれどれ……な!」

 

だ、台所が凄い広い! 滅茶苦茶広いぞ!

さ、更に冷蔵庫の中身……滅茶苦茶豪華だ!

 

「うわ、父さん母さん、き、気合い入れすぎ。

 ふ、2日でここまで用意させたの…」

 

こ、高級な肉に高級魚、高級食材多すぎ……

こ、こんな冷蔵庫はあまりにも豪華すぎる。

しかも、冷蔵庫も1個だけじゃ無い。

10個はあるぞ! 冷蔵庫!

 

「こ、ここ、これが……台所…

 だ、台所だけで私の部屋より広い…」

「うぐ、梨里奈ちゃんが軽く固まるとは…

 うー、もっと小さめの別荘ならば…

 父さん母さんも気合い入れすぎでしょ…」

「千花さん、そもそも別荘がある地点で異常よ」

「で、ですよねー、あはは」

 

な、七美がお嬢様なのは知ってたが

まさかここまでとは思わなかったな……

本当、七美の普段の態度からはとても想像出来ない。

 

家で遊んでるときもそこまで高い物無かったのに。

と言うか、家もここまで広くないだろうに。

 

「実はこの別荘、私の家よりもデカいんだよね」

「なんで別荘の方がデカいんですか!?」

「いや、田舎に大きすぎる家は似合わないしね。

 こう言う別荘地ならデカくても良いはずってなって

 更にこの別荘、私達の友達も連れてくる事前提で

 本当にデカく作ってるわけだから。

 後、税金対策もあって滅茶苦茶デカい家」

 

本当に痛感するな、台所だけで。

デカい、滅茶苦茶デカいし

冷蔵庫の材料レベルも高い。

 

「し、しかし、ここまでの家なのに

 何故家の家事は基本、七美のお母さんが?」

「私の母さん、炊事洗濯も大好きだからさ。

 裁縫も大好きだし、料理も滅茶苦茶好きなんだよ。

 まぁ、好きを極めて大成功したわけだけど」

「裁縫の部分か?」

「そ、まぁ父さんの宣伝能力も凄かったし。

 正確には父さんの愛妻っぷりが凄かったんだ」

「え?」

「大好きな母さんが縫った服が

 世界一凄いって信じてて

 宣伝宣伝、そこから大成功でブランドに進化。

 

 母さんも認められて滅茶苦茶喜んで

 好きなように服やズボンやら色々縫ってね。

 それが悉く成功。まぁ、才能お化けだね」

「……」

「そ、そんなノリでここまで成功するのね…」

「ブランドで会社も出して、会社も悉く成功。

 これは父さんの手腕が凄いんだけど」

 

本当に七美の両親は凄いな、才能が。

私もこの話を聞く度に凄いとしか思えない。

 

「まぁそんなこんなで、こんな家も建てたんだよね」

 

でも、一瞬だけ経営が傾きかけた時期もあった。

それは七美が死んでしまった日だ。

その日から数ヶ月の間だ、経営が危うかったらしい。

 

「あ、それと確か風呂場はここだね」

 

七美が地図を見ながら私達を案内してくれた。

そこにはいくつもの湯船がある風呂場がある。

 

「……銭湯だな」

「スーパー銭湯ね、サウナまであるわ」

「すげー! 風呂場が沢山あるぜ!」

「お、温泉みたいです…」

「父さん母さん……気合い入れすぎだよね、本当」

「う、うん……や、やり過ぎ」

「たまにしか来ないのに、こんなに用意するって」

「あなた達も来たこと無いの?」

「うん、今年リフォームしたんだって」

 

別荘があるのは知ってたが、連れてきて貰ったのは

今年が初めてだからな。

しかし、そうか、リフォームとかもしてるのか。

 

「まぁ、今はこんな感じでまずは海だね。

 どうせこれから1週間はここで生活するんだし」

「だな、よし海だ! 海に行くぜ!」

「おー! 海だよ!」

「じゃあ、何かやる?」

「スイカ割り!」

 

鶴乃とフェリシアが同時に答えたな。

最初にスイカ割りか、去年出来なかったしな。

 

「おー、スイカ割りセットはあるよ!」

「よっしゃー!」

「食べ物を粗末にすんなよな!」

「大丈夫だよ、残らず食べるし」

「本当だろうな!? 残したら許さねぇぞ!」

「勿論、スイカ割りセットって言ったでしょ?

 当然、スイカを無駄にしない様に色々あるよ」

 

そう言って、七美が変わったボールを取り出した。

 

「なんだそれ」

「ふっふっふ、スイカ割り用の入れ物だよ。

 ここにスイカを入れて殴ると綺麗に割れるのだ!

 父さんが作ったんだよね、この道具。

 非売品だけどね、試作品だし」

「そんな道具があるのね…」

「う、うん、お父さんこう言うの考えるの好きで…」

「役に立つ道具が出来た記憶無いけどね」

「まぁ、父さんは子供っぽい所あるからね。

 でも、今回はこの道具のお陰で

 食べ物を粗末にしないで済むしね」

「……まぁ、そう言う道具があるならまだ良いか。

 だが、ちゃんと食えよ? 残すんじゃねぇぞ?」

「残さない残さない、じゃ、やろうか!」

「おー!」

 

スイカ割りをする為に道具を準備した。

最初の挑戦はフェリシアだった。

 

「よし、やるぜー! 何も見えないけど!」

「フェリシアー、そこ真っ直ぐー!」

「おー!」

「斜め斜め! ズレてる!」

「お、おぅ!」

「あと3歩前!」

「さ、3歩だな、よし、3歩だ!」

「もうちょっと右だよ!」

「右右、ここくらいだな!」

「そこだー! 行けーフェリシアー!」

「おぅ! そこだぜー!」

 

フェリシアが力一杯木刀を振り下ろした。

だが、フェリシアの木刀は僅かにズレて

スイカにあたることは無かった。

 

「あぁー!」

「うわー! あ、あと少しだったのにー!」

「く、もっと私が上手く誘導していれば。

 よーし、今度はこの最強の魔法少女!

 由比鶴乃の出番だー! 絶対成功させるもんね!」

「うー、お、俺が割りたかったけど駄目だった。

 鶴乃! 俺の仇を取ってくれ!」

「ふんふん! 任せなさーい!」

 

今度は鶴乃が目隠しをしてゆっくりと構えた。

 

「鶴乃、真っ直ぐよ真っ直ぐ」

「真っ直ぐだね! でりゃー!」

「走ったら危ないわよ! 歩きなさい!」

「そ、そうだよ鶴乃ちゃん! 慎重に!」

「う、うん、し、慎重に…」

「つ、鶴乃さん、す、少しみ、右です…」

「少し……右? 右かなぁ、この辺り?」

「おぉ! そこだー!」

「おぉ、えいやー!」

 

フェリシアの言葉で勘違いしたのか

鶴乃は全然場違いの方向で木刀を振った。

 

「なんで振ったんだ!?」

「え、えぇー!? ここって事じゃ無いの!?」

「うぅ、お、俺が変な事言っちまったせいで…」

「大丈夫! 失敗したけど楽しめたから問題無いよ!

 じゃあ、次は……ももこちゃん!」

「え!? あたし!? ま、まぁやるけどさ」

 

今度はももこが目隠しをした。

今度の誘導役はレナ達だな。

 

「じゃあ、レナ、かえで、お願いね」

「で、出来るかしら…」

「だ、大丈夫だよ」

「よし、さぁ、行くよ」

 

目隠しをして木刀を構えた。

 

「ま、真っ直ぐ…」

「真っ直ぐだね、この方向であってる?」

「う、うん、そのまま」

「よっとっととと」

「ちょ、ちょっと右にずれたわ! 修正して!」

「おっと、右にずれちゃったか、じゃあ修正して」

「今度は左に行きすぎだよ! す、少しだけ右」

「少しだけ右……」

「それで真っ直ぐ」

「真っ直ぐ真っ直ぐ」

「ストップ! 少し左」

「少し左で」

「そこだよ」

「よし、それ!」

 

大きく振りかぶり、振り下ろした。

 

「お! 手応えあり! どうだ!」

 

まぁ、結果を見えてる私達にはどうなったか

それは分かるんだよな……

ももこが感じた手応えは当ったからじゃない。

 

「え!? なんだこれ! ヤドカリ!?」

 

丁度歩いてきたヤドカリに当ったからだ。

ヤドカリは驚いてその場から逃げていった。

 

「な、なんで外れてヤドカリが…

 うぅ、こんな事ってありかよー!」

「あげて落とすとはこの事かしら…」

「うぅ、ちょっとがっくり

 じゃあ次は……」

「ふっふっふ、なら今度はあたしが!」

「さやかちゃん、頑張ってね!」

「ふふん、任せなさーい! 誘導お願いねー!

 剣士としての強さを見せてあげるわ!」

「お前、大して強くねえだろ」

「うっさい! 剣士なのは変わんないっての!

 杏子、あんたもちゃんと誘導しなさいよね!」

「なんであたしがそんな事しねぇと駄目なんだよ」

「良いから誘導しなさい! まどか達と一緒に!

 よーし、やるぞー!」

 

さやかが目隠しをしてゆっくりと歩き出す。

 

「さやかちゃん! ちょっと左だよ!」

「左だね」

「今度は行きすぎです、少し右!」

「右……」

「その調子、そのまま真っ直ぐよ」

「真っ直ぐ真っ直ぐ」

「うし、そこだ!」

「む、杏子の声……これは多分嘘ね!

 もうちょっと前に違いないわ」

「んだよ! 大人しく振れ!」

「あだ!」

 

杏子の静止を聞かずにまっすぐ行って

スイカの入れ物を踏んでバランスを崩したな。

 

「さ、さやかちゃん! 大丈夫!?」

「全然平気だけど、

 ま、まさか杏子が正しい事を言うとは

 超意外で逆に引っ掛かったわ!」

「はっはっは! まぁ、分かってやったんだけどな!

 どうせあんたの事だ、あたしの言葉なんて

 信じないってのは想定通りだ」

「なー! ぎゃ、逆に罠を仕掛けたって事ね!」

「そうだ! はは! まんまと引っ掛かったな!」

「むきー!」

 

あの2人も仲良さそうだな。

 

「結局、誰も割れなかったね、ならばならば!

 次は大本命である私が行きましょう!」

「大本命は梨里奈だと思うけど…」

「正直言うけど、梨里奈ちゃんがやったら

 誘導いらないだろうからゲームにならないしね。

 だから、ここは私が大本命なのです!

 さぁ、誘導おねがーい!」

「あぁ、分かった」

「誘導するね!」

「うん」

 

七美が目隠しをしたな……しかし不安が。

転けたりしないだろうか? 七美……

だ、大丈夫だろうか、ちょっと所か

私はかなり不安なんだが……

 

「っととと」

「ふ、フラフラしすぎてるぞ

 も、もうちょっとあ、足下を」

「梨里奈ちゃんは心配性だなー

 転けないって、それにここなら

 もし転けても大丈夫だよ。

 頭を打ったりもしないし

 魔法少女だからちょっとやそっとじゃね」

「しかしなぁ……」

「大丈夫! さぁ、誘導してね!」

「わ、分かった、真っ直ぐだ」

「真っ直ぐだねー!」

 

七美が少しフラフラしながら進んでる。

不安だが、遊びだから止めるのもな。

 

「ひ、左だよ、七美お姉ちゃん」

「左左っと」

「そ、そう、あと少し真っ直ぐ!」

「真っ直ぐ」

「今度は左に13㎝ほどずらせ」

「え? 13㎝? こ、これ位…?」

「そうだ、真っ直ぐ振り上げて真っ直ぐ振り下ろすんだ」

「よし、えりゃー!」

 

少しだけ角度が付いたな…真っ直ぐと言ったのに

真っ直ぐにはならず、少し斜めになって外れた。

あの道具が完全に円形になってるからな。

完全に真っ直ぐ入れないと開かないようになってる。

 

「何かに当ったような気はしたけど、手応えは微妙…

 うー、やっぱり駄目だー!

 こうなったら仕方ない、梨里奈ちゃーん!」

「……わ、私がやるのか?」

「そうだよ、お願い!」

「……わ、分かった」

 

七美から目隠しを貰ってと。

 

「真っ直ぐー!」

「ん」

「うわ、一切軸がずれてないぞ……マジで真っ直ぐ」

「目隠ししてるようには思えないわね、流石」

「あそこまで真っ直ぐならやはり誘導は不要では!」

「ん」

「何も言ってないのにほぼ無言で振って

 ドンピシャでぶった切った! 流石としか言えない!」

「これで良いか?」

「やっぱり梨里奈ちゃんがすればすぐだね!」

「誘導いらないね、あれ」

「まぁ、私は勘も鋭いからな」

「私もいつか、あんな風になりたーい!

 でも、今はスイカだね! スイカー!」

「ふふ、じゃあ、私が捌こう」

 

普段召喚してる短刀を取りだして切った。

 

「ほら、一緒に食べよう」

「おー! 食べるぜー!」

「本当に綺麗に切ったな。

 じゃ、食うか」

「おー」

「甘! 何このスイカ、甘!」

「こりゃスゲー甘いな、これがスイカか…」

「絶対高いスイカだろうね、

 父さん母さんが用意したわけだし。

 まぁ、美味しいから良いけど、もぐもぐ」

「口で言うな、口で」

「むーい」

 

ふふ、中々楽しめたな、スイカ割り。

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