魔法少女の道化師   作:幻想郷のオリオン座

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謎の使い魔

あの騒動からしばらくの時間が経過した。

どうやらあの後から、いろはとやちよさんは協力してウワサを探しているようだった。

私は特に気にも留めず、いつも通りに過ごしていた。

 

「……っと」

 

最近は魔女の数が妙に増えてきている気がする。

最初よりもドンドン増えてきている。

 

「はぁ、またここにも魔女が」

「どりゃぁあああ!」

「!?」

 

あ、危ない…結界に入ると同時に攻撃を貰い掛けるとは驚いた。

だが、魔女の攻撃ではない……

 

「邪魔だぁ!」

「この!」

「うぐ!」

 

再び飛んで来た攻撃に辛うじて反応した私はその攻撃の出所を攻撃する。

 

「おいなんなんだ! いきなり!」

「くぅ…こいつ…ってなんだ、魔法少女!?」

「そうだ、全く結界に入るなりいきなり攻撃をしてきて」

「フィリシアちゃ…って、梨里奈さん!?」

「あぁ、なんだいろはも居たのか」

 

少し呼吸が荒くなっているいろはが姿を見せた。

どうやら彼女と共闘しているようだ。

 

「話をしてる場合じゃないだろ! 魔女を殺すんだ!」

「おいおい、随分と乱暴な相棒じゃないか…大丈夫なのか?」

「それは…フィリシアちゃんは……両親を魔女に」

「ここの魔女か?」

「知らない! だから魔女は全部逃がさねぇ! 全部ぶっ殺す!」

 

彼女の目に異様な程の執念を感じた。

どうやら本気らしい……はぁ、こう言うタイプは危険……

あぁ、そうか…あの時の私みたいな物か。

自分の事も仲間の事も考えず、闇雲に攻撃してたあの時と。

 

「落ち着け、仲間と協力するなら我を忘れるな」

「落ち着いてられるわけねーじゃん! 俺は父さんと母さんの仇をとるんだ!」

「仇を取る前に死ぬぞ? 仲間と一緒に」

「っ…」

「辛い思いをしているのは分かる。だが、もっと辛い思いをする必要は無い。

 仲間を信じろ。と言っても、事情を詳しく知らない私が言っても説得力は無いが」

「……いや、ありがとう」

 

意外と素直じゃないか…乱暴な奴だと思ったが、そこまで酷くはないらしい。

 

「いろは、この調子なら大丈夫そうだな。2人で魔女を倒してこい」

「梨里奈さんは協力してくれないんですか?」

「私は偶然来ただけだからな、先客が居るなら横取りはしないさ」

「ま、待てよ! 名前を教えてくれ!」

「仙波梨里奈、その内また会うだろう。それじゃあ、私はこれで。

 仇、ちゃんと取れよ」

 

これ以上この場にいる必要は無い。私は魔女の結界から外に出た。

ふぅ、中々良い時間だ。そろそろ家に帰ってのんびりとするか。

 

「ん? なんだあれ…」

 

人…使い魔か? でも、結界は張ってないように見える。

魔女じゃ無い…使い魔でも無い…人とも思えない。

ん? 何か聞える?

 

アラもう聞いた?誰から聞いた?

ミザリーウォーターのそのウワサ

 

むかし懐かしママチャリの、荷台に乗った保冷箱

 

おじちゃん1杯くださいなって

貰った水を飲んだなら

ゴクゴクプハーッって気分は爽快、元気も一杯!

 

けれどだけども、それはまやかし

飲んだ水はヤバイ水!!

 

24時間経っちゃうと

水に溶けた不幸が災いを引き起こすって

参京区の学生の間ではもっぱらのウワサ!!

 

モーヒサーン!

 

……ウワサ? ミザリーウォーター? なんだ、明らかに不自然だ。

まさか、あれがウワサを振りまいてるのか?

 

「よく分からないが…面倒事の種は潰したいな」

「……行かせない」

「ん?」

「こい」

「悪いが今はそれどころじゃ無いから転けてろ」

「うぅ!」

 

不意に掴まれたが、悪いが武術の心得はある。

いきなり投げ倒したのは悪いと思うがさっきの奴は不穏な気がした。

 

「く、行かせない!」

「魔法少女か、しかしそんな弱い攻撃でよくここの魔女相手に生き残れた物だ」

「うぁ!」

「逃がさない!」

「無茶はするな、私には勝てない」

「うぅ!」

「変身もしてない相手に圧倒されるくらいだ、諦めろ」

「待って!」

 

しばらく追いかけていると、とある場所にたどり着いた。

道中、邪魔な妨害もあったが…まぁ、対処は出来た。

 

「あなたもマギウスの翼になりに来たワケ? 仙波梨里奈」

「マギウスの翼だと? そもそもお前は誰だ?」

「何も知らないで来たんだ。うわささんをストーキングしてくるとは思わなかったヨ。

 全く黒羽根達は何をやってるんだかネ」

「うわささん…あれの名前か、良くは分からないが

 あんな不吉な物の名前を知っていると言う事は

 お前はウワサに関わっていると言うことで良いのか?」

「勿論、アリナは凄く関わってるヨ」

「じゃあ、ウワサを消して貰おうか。不幸を振りまいてるようでね。

 ミザリーウォーターだったか。中々にろくでもないウワサじゃ無いか」

「ふふ、自分の状況分かってるわけ? ここはアリナ達のテリトリーなんですケド?」

 

まぁ、いくつかの魔力を感じていたからな…本拠地なのか?

 

「仙波梨里奈…中々に強い魔法少女だって聞いてるヨ。

 その内、勧誘するつもりだったけど丁度良いかもネ。

 マギウスの翼に入らない? 魔法少女の解放を目指して」

「勧誘というなら強引な真似をしない方が良いと思うが。

 だがそうだな、答えはノーだ。分かってるだろ?」

「だったら、力尽くで連れて行くだけなんですケド!?」

「ハッキリ言う…怪我をしたくないなら下がれ」

「……魔法少女の解放のため、退けない」

「解放というのがなんなのか分からないが…

 これ以上、ウワサを広めるなら容赦はしない!」

 

黒いフードの連中はあまり強くはない。

とは言え、攻撃のパターンは意外と豊富だ。

長期戦は不利だと判断した私は、速攻での勝負を選んだ。

 

「うぅ!」

「聞いてたとおりに強いネ」

「お前を潰せば全部終わるか?」

「無理に決ってるんですケド? アリナの魔女に勝てるわけ無いんだから」

 

魔女が一気に…どう言うことだ、なんで魔女が!

 

「さぁ、ブレイクしちゃいな!」

 

この数の魔女を相手に…長期戦は不利だし、戦闘も不味い。

どうやって魔女を操ってるんだ? クソ、ここは撤退するべきか。

 

「逃がすわけ無いんですケド!」

「これだけの魔女をどうやって操ってる…」

 

魔女の数は何匹も…これだけの魔女を同時に相手取るのは不味い!

特に神浜の魔女は単体でも脅威…この数を1人で捌ききれるとは思えない!

 

「くぅ!」

「あはは! ドンドン追い込んじゃうヨ!」

「……流石に分が悪いな、いくら何でもこの数は異常だ」

「さぁ、そのまま死んじゃってアリナの作品の1つになりなヨ!

 孤独な強者の屍だなんて、中々魅力的でショ?」

「悪いが、私は屍になるつもりは無い」

 

私は限界突破の魔法を扱い、退路を塞いでいた魔女を撃破した。

 

「な! 何勝手なことをしてくれてるワケ!?

 アリナの作品をブレイクするとかあり得ないんですケド!?」

「おっとそうか、悪いな。お前の恨み言を聞いてやるつもりは無いんだ」

「待て! 追いかけろ翼!」

「は、はい!」

 

とは言え、ただの魔法少女が私を追跡するのは困難だろう。

ふぅ、全くさんざん走らせてくれたな。

ひとまずここまで逃げてくれば大丈夫だろう。

 

「逃がさないって言ったんですケド!?」

「うぉ! また魔女か…いや、お前から出てる?」

「ふふ、アリナの可愛いドッペルでお前をブレイクしてやる!」

「いろはがやったのと同じ様な奴か…じゃあ、あれもウワサの類いか…」

 

ち、面倒なのに目を付けられてしまったな。

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