魔法少女の道化師   作:幻想郷のオリオン座

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調整屋

いろは達に案内されて、私は調整屋がいると言う場所へやって来た。

こんな所に調整屋という人が居るのか。

まるで廃墟だが…こんな場所に人が過せる場所があるとは思えない。

 

「なる程、ここに調整屋が居るのか」

 

私の案内をしてくれたのはいろはとやちよさんの2人だった。

そんなに沢山で押しかけるわけにはいかないらしい。

 

「あら、調整屋さんへいらっしゃい…あら? 今日は新しい子が来てるのね。

 新人さん? 神浜に最近来た子って所かしら。

 使い魔に襲われてた所を2人に助けられたのかしら?」

「いえ、彼女はいろはと同じくらいのタイミングに神浜に来ていた魔法少女よ」

「え? いろはちゃんと同じくらいに来たの?」

「仙波梨里奈と言います。よろしくお願いします」

「―! 仙波梨里奈…」

「知ってるの?」

「まぁ、有名人だからね」

 

知らない間に、私はこの神浜ではそこそこ名を知られていたらしい。

 

「異様なくらいに強い魔法少女。色々な子から話を聞いたわ」

「ウワサという形ですか? もしそうなら、私のウワサが出て来ても不思議な意ですね」

「勘弁して欲しいわね、あなた程の実力があるウワサとか勝ち目が無さそうだし」

「随分と評価してるのね」

「当然よ、今までの彼女の活躍を見ていればね」

 

私の限界突破の魔法はその名の取り天井知らずの魔法だからな。

その気になれば相手が何であれ撃破が出来る。

完全に力押しが出来る魔法と言えるだろう。

 

無茶をすれば身体にダメージがあるが、その気になれば

その身体の限界さえ突破できるんだろう。

まさしく天井知らずの諸刃の剣…実はかなり危険な固有魔法だろう。

 

「まぁ、彼女の話は良いとして、今日来た理由を教えて貰おうかしら」

「彼女の調整をしてもらおうと思ってね」

「調整してないのね…私は担当してないから神浜では調整してないとは思ってたけど」

「神浜の外でも中でも、1度だって調整してません。

 そもそも、調整屋という存在自体知りませんでしたし」

「……嘘、それで噂になるくらい強いの? 天然物とか恐いんだけど…」

「でも、これから先は調整した方が良いと思ってまして。

 流石にマギウス達の襲撃に今のままじゃ耐えられそうに無いし」

「まぁ、聞いた話が本当だとすれば、あなたは十分そのままでもやっていけると思うけどね」

 

それはまぁ、あんな事態普通なら遭遇しないからな。

仲間も1人も位無い状態で単身的の本拠地に行くなんて正気の沙汰じゃ無い。

 

「それじゃあ、私が魔力の調整をしてあげましょう。

 大丈夫、今回はお代はいらないわよ♪」

「どうして?」

「天然物の大物を調整できるなんて珍しい経験になるでしょ?

 私もちょっと楽しみなの。だからお代は結構よ~♪」

「ありがとうございます。所で調整というのはどうするんですか?」

「そうね、じゃあまずは服を脱いで?」

「みたまさん…」

「分かりました」

「そして躊躇いなく脱ごうとしないで仙波さん!」

「ん? 違うんですか?」

「ここまですんなりと服を脱ごうとした子は初めてね…

 可愛らしいのに随分と天然さんなのね。

 と言うか、羞恥心が無いのかしら…」

「ひ、酷い言い方ですね…で、えっと、調整というのはどんな風に?」

「えっとね、私はソウルジェムに触れる事が出来るの。

 そして、他の魔力をソウルジェムに与えて調整するのよ」

「はぁ…」

 

そんな力を持っているのか…固有魔法かな?

しかし、どんな願いをすればそんな固有魔法を得られるのか不思議だな。

 

「そう言うわけだから、そこに寝転がって」

「はい」

「落ち着いて…リラ~ックス」

「……ふぅ」

 

リラックス、力を抜いて……小さく呼吸をする。

 

「ん…」

「はい、触れたわ…それじゃあ、魔力を……あら?」

「ど、どうしたんですか?」

「……う、うーん。調整できないわね」

「え? 何でよ」

「…? 私の調整は出来ないんですか?」

「えっと、そんな感じ…おかしいわね、こんな事初めて」

 

どう言うことだろう…私は他の魔法少女と違ったりするのか?

神浜の魔法少女じゃ無いから…いやでもいろはの調整は出来てる風だったし

出身は関係ないのか…じゃあ、どうしてだろう。

 

「なんで? そんなの初めてだけど」

「私も初めてで困惑してるのよ…こうなんて言うか魔力の質が違うの」

「質というと…どう言うことですか?」

「梨里奈さんが強すぎて魔力の質が良すぎるとか、そう言う意味ですか?」

「いえ、そう言う意味じゃ無いのよ……なんて言うかこう…流れた感じが違うの。

 魔法少女のソウルジェムに触れたとき、指先は基本的に温かく感じるんだけど

 この子に触れたときは、少し冷たく感じてね…何が違うのか分からないけど」

 

冷たくと言うのはどう言う意味だろうか…

しかしだ、調整が出来ないと言うことは私はこれ以上強くなれないと言う事か?

いやそもそも限界突破の魔法を使えばいくらでも強くなれるんだが。

 

「おかしいわね、こんな感覚は初めてよ……うーん、理由は分からないけど

 調整が出来ないと言うのは変わりないわ…ごめんなさい。力になれなくて」

「いえ、私の方こそ…なんか変な感覚にしちゃって済みません」

「興味深くはあるんだけどね…なんなのかしら」

「みたまに調整できない魔法少女がいたなんて予想外だったわ」

「私も考えてもみなかったわ、ごめんなさい。

 でも、気が向いたらまた来てね。調整出来るように私も頑張って見るから」

「あ、はい。ありがとうございます」

「それで、2人はどうする?」

「じゃあ、折角来たんだし調整して貰おうかしら」

「Ok~梨里奈ちゃんの調整が出来なかったから、2人はお詫びに無料にしてあげる」

「梨里奈へのお詫びになってない気がするわ」

「仲間が強くなるんだし~、悪い話じゃ無いと思うわよ~」

「そうですね、お願いします」

「お任せあれ~」

 

……私だけが違う理由…それは一体何だ?

あの時、口寄せ神社のウワサの時だって、私だけはウワサの大元にダメージを与えていた。

それと何か関係しているのか…? はぁ、考えても分からない。

だが、理由を見付けないと不味いだろうな。ひとまず、考えるだけ考えてみよう。

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