ふぅ、しかしあれから1ヶ月か、結構長い時間が経った。
鶴乃のお父さんに言われて、自分オリジナルの料理を作ったりもした。
まぁまぁ好評だったから、素直に嬉しかったが
やはりオリジナリティーを優先して多少手を加えた程度。
万々歳の味付けと全然違っては駄目だからな。
そして給料日…私は鶴乃のお父さんから8万の大金を手渡される。
……8万…こ、これだけの大金があれば食事に困らない…
仕送りで貰っているお金よりも多いし…嬉しい。
「うぅ、こ、これだけあれば…食事も豪勢になる…」
「い、今までどれ位で生活してたの?」
「1万だ」
「どうやって生活してたの!?」
「食事は最小限に抑えて、たまにちょっとだけ贅沢をしてた。
欲しい物は買わなかったし、服も持ってきてた3着を着回してた。
洗濯は毎日してたが、夏場は大丈夫か最近は不安だったんだ。
まぁ、夏休みに入るのなら1着でしばらくは回せるかと」
「…そ、壮絶だね…」
「だが、万々歳では賄いも出るから、本当に助かってる」
これなら食事代も浮くし、本当に嬉しい限りだ。
「姉ちゃんも大変だったんだな」
「フェリシアと比べれ贅沢な生活だったさ。
ずっと魔女退治でバイトをしてたような物だろう?
それと比べれば、私は贅沢なほどだったよ」
フェリシアの話は聞いた、両親が魔女に殺されてしまい
ずっと1人で今まで生活をしてきていたと言う話を。
魔女退治で毎日1000円かグリーフシードで魔法少女達と契約してたとか。
今はみかづき荘で食事を分けて貰ったりして生活してるとも聞いている。
そんな大変な毎日を過ごしていたフェリシアと比べれば私は贅沢だ。
「でも、これだけ貰えれば今月は普通に生活できそうだ…ありがとう」
「梨里奈ちゃんが来てから、万々歳もお客さん増えてきたし当然だよね!」
「あぁ、もっとあげても良い位なんだね」
「いえ、凄く嬉しいです!」
バイトは禁止されていたけど…1人暮らしなんだし、多少は稼がないとな。
折角鶴乃が誘ってくれたんだし、断るわけにもいかないしな。
さて、この8万円で今日は何を作ろうかな…ひとまず節約は変らずかな。
その日はお給料を貰った後、すぐに部屋へ戻った。
ひとまずこの貰ったお給料と仕送りを計算して
9万円、この9万円を食費、貯金、電車代、自由に使うお金で分けよう。
まず食費は4万円、光熱費と家賃は親が払ってくれてるから良いとして
貯金は3万で、電車代は1万。自由に使えるお金は1万で分けよう。
食費ももう少し節約すれば3万円で何とかなりそうだ。
万々歳での賄いもあるし、食費もかなり浮く。
とは言え、多少多めに取るべきだろう。まず今月は様子見だ。
健康状態に気を付けたいし、節約のしすぎはあまり身体によろしくないからな。
「…ふふ、かなり裕福になったな」
これだけあれば空腹に悩まされることも少なくなるだろう。
素直に嬉しいと思う…あぁ、何だか色々と考えるのが楽しくなるな。
ひとまず今日の夕食を買う事にしよう。
一応、安いお店に行って、安めで晩ご飯を仕上げる。
……ぶ、豚肉…う、うーん、こっちの方が量が多いな。
もやし…どれが1番安い? えーっと…これだな。
特売はニラか、よし、今日はレバニラに挑んでみよう。
あ、卵も安いじゃないか。む、味噌も…味噌汁も作ってみるか?
豆腐とネギとお麩とシメジも入れて見ようかな。
そして白米…うぅ、なんて贅沢な食事だ…これならお腹いっぱいに食べられる。
「ふんふふーん…あ、駄目だ駄目だ、鼻歌なんて」
つい鼻歌が出てしまった、はしたない。
嬉しかったからな…冷静になるんだ私。
神浜に来てから最近たるんできた気がするぞ。
もっと気合いを入れ直さないと、1人暮らしだからって油断しすぎだ。
「特賞!」
「え!? や、やった!」
ん? あの後ろ姿はいろはじゃないか。
何だ? 回転抽選器で何か引き当てたのか?
「いろは、何してるんだ?」
「あ、梨里奈さん! 見てください特賞を当てちゃいました!」
「それは凄いな! 特賞は…ほぅ、海水浴場近くにある民宿の宿泊券か」
「はい! それも6人分ですよ!」
「6人分!? 珍しいな、こう言うのは大体ペアか4人分だが」
「感謝を込めて6人分らしいです!」
セオリーを無視したのか…しかし6人分とはまた結構な数だな。
これは当てたとしても、1家族大体4人だし2人分余るぞ。
最近は1家族3人のケースも多いしな。私の家もそうだし。
中には5人家族も居るけど、結構珍しいしこれでも1人分あまるぞ。
「だから、みかづき荘の皆と一緒に行こうと思うんです!」
「良いんじゃ無いか? マギウスやうわさとの戦いで皆疲れてるだろうし
こう言う息抜きも」
「それで、梨里奈さんも来ませんか? 後、鶴乃ちゃんも誘おうかなって」
「ん? 私も一緒に? 良いのか?」
「はい! いつも助けられてばかりですし!」
「嬉しい誘いだな。だが、私は水着を持っていなくてだな」
「じゃあ、今度一緒に水着を探しに行きましょう!」
「……そうだな、でも本当に良いのか? 私なんかが一緒に行っても」
「はい! 一緒に来て欲しいです!」
「そ、そうか…じゃあ、喜んで!」
「はい! 夏休み予定を合わせて皆で一緒に行きましょう!」
「そうだな」
しかし1週間というのは結構長い期間だな。
まぁ楽しい時間はすぐ似すぎる物だ。1週間、今は長いと感じても
いざ蓋を開けてみれば、案外短いんだろうな。