魔法少女の道化師   作:幻想郷のオリオン座

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神浜の観光

……眠い、まだ眠たい…今日が日曜日だったのは救いだったかな。

入学は明日だ、ひとまず制服も問題無く洗っている。

なら、早速朝食と…あ、駄目だな、冷蔵庫の中が空っぽだ。

今手持ちにあるのは……1000円くらいか…銀行で降ろさなくては。

 

「……ひとまず、街を回るとしよう」

 

とりあえず色々と回ってみる事にした。色々な区に別れているんだな。

参京区と言うところは商店街になっているのか。

ちょっと行ってみても良いかも知れないな。

歩いて行ける距離だ…とは言え、腹も減ってる。

 

いや構わないか。時間的にも歩いていれば丁度良い時間だろう。

コンビニで朝食を買って食うというのは、あまりよろしくないからな。

 

「……意外と距離があるんだな」

 

少し歩き、私は何とか参京区へ移動することが出来た。

道中、コンビニでお金も下ろし、所持金は1万以上ある。

 

しかし、この参京区は商店街が多いな。だが、若干時間が早い。

中々開いていそうな店は無いな…この時間だし仕方ないのか。

 

「ん?」

 

万々歳…ふむ、この時間でも開いているのか。

何だか中華料理店というのは朝早い時間から開いているイメージがあるが

やっぱり早朝から開いているんだな。

 

「ここにするか」

 

私はゆっくりとその中華屋の扉を開けた。

 

「いらっしゃいませ!」

「あ、えっと」

 

扉を開けると、高校生くらいの少女が元気よく出迎えてくれた。

店屋に入ってここまで元気よく入店を歓迎されるとは。

 

「おっと、初めてのお客さんだね。ようこそ万々歳へ!」

「ど、どうもよろしくです」

 

随分と元気が良い子だな…性格から考えても同い年位だとは思うが

所詮は性格。見た目の身長とかから考えると年上の可能性もあるにはあるのか。

とは言え、ここまで積極的に客に絡む店員は珍しい気がする。

 

「えっと、こちらの席へどうぞ」

「ありがとう」

 

彼女に案内されるがまま、私はカウンターの席に座った。

ひとまず目に付いた半チャン定食を頼む事にした。

値段は1000円か、結構高いか。

だが構わない。今日はお金を下ろしてきてるしな。

あまりお金は無いが、今日くらいは贅沢しても良いだろう。

 

「父ちゃん、半チャンね!」

「あいよ」

「親子なんですか?」

「うん!」

 

そうか、親子で経営している中華点なんだな。

少し羨ましい気がする。

 

「しかし、親子で経営って大変でしょう? 自営業は」

「うん、でも大丈夫! 私が絶対に繁盛させるからね!」

「客商売はお客様が居てですし…1人じゃ難しいんじゃ…」

「た、確かにそうかも知れないけど! やろうとしなきゃ出来ないよ!

 私は最強を目指してるんだからね! 偉業を成し遂げるためには何でもしないと!」

 

偉業…か、何かの為に必死になる気持ちは私と似たところがあるのかも知れない。

だが、私の場合は彼女のように何かを目指して頑張ることは出来て居ないが。

……しかし本当に明るい人だな。元気が良い…元気が良すぎてちょっと違和感がある位だ。

 

「ふんふん!」

 

……いや、気のせいか。ただ飛び抜けて元気が良いだけなのかもな。

やはり何かを残そうとする人はこれ位の元気が無いと駄目なんだろう。

元気よく振る舞わないと、自分のネガティブに負けてしまうだろうからな。

ネガティブに負ければ行動が出来なくなる。何かを残すためにはポジティブ無ければ駄目か。

 

「どうぞ」

「あ、ありがとうございます」

 

普通のラーメンだな…ひとまず食べてみるか。

 

「……」

「ど、どう!?」

 

……凄いな、この味…いや、美味しいというわけでは無い。

うむ、非常に美味しい…そう言うわけでは無い。

だがしかしだ、可も無く不可も無く。日常的に食べるような料理。

非常に美味しいわけでも無いし、かといって不味いわけでも無い。

中間点の50点と言った所だ。

 

「あ、味の評価を…」

「良いんですか?」

「お願い! 参考にしたいから!」

「……50点です」

「うわー! やっぱり50点! 皆50点って言うんだよ!」

「そんなにがっかりしなくても良いと思いますよ?

 こんな絶妙な味…ある意味では魅力的とも言えます。

 非常に美味しい訳でも無く、不味いわけでも無い。

 逆に凄いと思いますよ」

「褒められてる気がしないよぉ!」

 

この味に、私は色々な魅力を感じた。これ位が丁度良い。

丁度良い塩梅…美味しすぎる料理は毎日は食べたくならない。

それはそうだ、その美味しい味がいつか当たり前になってしまうのだから。

たまにご褒美として食べに行く。それが美味しい料理。

 

不味い料理は1度食べたらもう2度と来たくなくなる。

当然だ、不味いのだから。

 

だが、この料理ならばあまりにも美味しすぎる訳でも無いし不味くも無い。

これなら、また明日来ても良いと思える。私の予想だとこのお店は

繁盛はしないが、常連客が増えて行く。そんな身近な店だろう。

 

「うぅ、どうすればぁ…」

 

それに、随分と元気の良い看板娘も居るんだ。

同年代の子も入りやすいだろう。

中学生とか、高校生とか。そこら辺の女の子も入りやすいはずだ。

中華は男子が食べる物というイメージは大いにあるが

そのイメージをこの子が壊してくれている。

それに、入ればいつでも歓迎してくれる何とも入りやすい店。

 

「……」

 

少女が悩んでいる声を聞きながら、ラーメンを啜りチャーハンを食べる。

悪くないかも知れない。家で1人で料理を食べるよりはマシかもね。

 

「ごちそうさまでした、ありがとうございます。これお代」

「あ、ありがとう。また来てね! あぁ、そうだそうだ!

 私は由比鶴乃! よろしくね!」

「…私は仙波梨里奈、よろしくお願いしますね」

「梨里ちゃんだね! また来てね!」

「はい」

 

さて、腹ごしらえも済んだし、今日はこのまま帰って。

 

「……偶然ね」

「あなたは」

 

万々歳から出てから少しして、昨日あった女性と出会った。

まさかこんな所で出会うとは思わなかったな。

 

「そうですね、完全に偶然です」

「……昨日の話、覚えてるわよね? 付いてきて」

「…分かりました」

 

昨日の話か…実力を試したいという話…時間も悪くないし休日だしな。

今日は彼女に従って、戦いをすることにした。

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