1日目は殆どビーチで過ごしたような気がする。
だが、2日目はちゃんと海で泳ぐという感じだな。
全員泳ぎ方が独特だ。
しかし、フェリシアといろはの2人は泳げないのか。
フェリシアはやちよさんに泳ぎ方を教わってるが
いろは…ずっと浮き輪で浮かんでるな。
「わぁ! さなちゃんってスーって泳ぐね!」
「あ、あまりその…」
さなは随分と静かに泳ぐな。性格が出ているという感じか。
それと比べて、鶴乃は随分と独特な泳ぎをする。
何事にも挑戦したがる彼女らしいと言えばらしいがな。
「鶴乃、何なのよその泳ぎ方!」
「よくぞ聞いてくれました!
これぞ現在開発中のバタフライと背泳ぎの融合のバタ泳ぎ!」
「その名前だけ聞くと、バタフライと平泳ぎでも成り立ちそうだな」
「それ、殆どバタフライ! それにしても梨里奈は泳がないね
もしかしてフェリシアやいろはちゃんと同じで泳げないとか!」
「泳げないなら沖には出てないと思うけどな」
私は泳げるけど、あまり積極的に泳ごうとするタイプじゃ無いからな。
「な…まさか、水上歩行!」
「出来るわけないでしょ!? 流石の梨里奈でもそれは!
それはもはやファンタジーの世界よ!」
「ま、魔法少女がファンタジーを否定するのか…」
「うぐ、た、確かに…でもじゃあ、梨里奈は出来るの?」
「…………多分無理だな」
「多分って何よ! 後、間が凄く長いわ!」
「いや、本当に出来ないかを考えて、多分無理だと思った」
「か、考えるだけの可能性はあるんだ」
「流石だね!」
限界突破をフル活用すれば出来るかと思ったけど
流石にそこまでの強化だと魔力の消費が凄そうだ。
「もし梨里奈が泳げないとしても
ちょっと教えたら泳げるようになりそうだし教えるの楽そうだけどね。
あぁ、それと環さんも浮き輪を取ったら? フェリシアと一緒に教えてあげるわ。
なんなら、梨里奈に教えて貰う? 教えるの上手そうだし」
「む、無理ですよー! 私は泳げませんー!」
「やちよー、腹減った!」
「そう、じゃあ海の家に行ってみましょうか」
「おー!」
フェリシアが腹を空かしているようだし、海の家か。
しかしだな、海の家って言うのは妙に高いんだよな。
あまりお金があるわけじゃ無いし、出来れば…いやいや、今は大丈夫だろう。
「あ、看板…あの名店、ウォールココナッツとコラボ中?」
「あの洋食屋の!?」
「洋食屋? そんなのがあったのか」
「いらっしゃいませー!」
「まなかさん!」
「おぉ、さなさんじゃないですか」
…ん? 彼女、さなの姿が見えている? コックの様な格好だが…
オレンジ色の髪の毛、髪は…編んでいるんだろうか?
しかしだ、さなの姿が見えていると言うことは彼女も。
「魔法少女?」
「あ、はい! 私は魔法少女です」
神浜に魔法少女が多いとは思っていたが…そんなに多いのか。
私が居た場所は殆ど魔法少女の姿なんて無かったのに
神浜は何故か魔法少女が多い…だが、普通は逆じゃ無いか?
神浜は魔女が強い…そんな強い魔女が多い神浜で
何故魔法少女が多いんだ? 普通は逆…少ないはずじゃ?
「それにさなと知り合いみたいだけど」
「はい、あ! やちよさんじゃないですか!
じゃあ、皆さんはお知り合いですか?」
「えぇ、軽く説明するわね」
やちよさんは彼女に私達が何故ここに居るかといういきさつを話した。
「おぉ、それで皆さん旅行に」
「はい…」
「楽しそうな顔して…よかったですね!」
「はい!」
さなとはかなり仲が良い様だな。心配する必要は無かったか。
「なぁ、ちょっと良いか?」
「何?」
「うおぉー! 腹減った!」
「あぁ、そうだった」
「お食事ですね! どうぞ中へ!」
私達はまなかに案内されて中へ移動した。
どんなメニューがあるんだ? コラボだし特殊なメニューが…
……トマトケチャップ焼きそば…それはただのナポリタンじゃ?
海からやって来たカニのサクサククリーミー衣揚げ…あぁ、カニクリームコロッケか
海からやって来たカニの降りは居るのか? カニは大体海だろう。
ひまわりイエローの卵で…って、ただのオムライスだろこれ!
ひまわりとイエローを合わせる必要は…そもそも色要らないだろ。
「…つまりは、洋食の海の家って事ね」
「大体その通りです!」
「ハッ! つまりそれって…」
「つまり…?」
「中華料理は…ない…と」
「無いです」
「了解です」
「その降り必要か!?」
「ハンバーグ食べたい!」
「ありますよ!」
「もう決めたの?」
うーん、料理の名前で少し動揺して選んでなかった。
し、しかし…こう言うセレブが食べそうな物は食べてこなかったしな…
と言うか、どれもこれも高い…安いのは…白米か…白米美味しいし、それで良いか。
「ふぎゃぁあああ!!」
「ん? 悲鳴…?」
「今、店の奥から…」
普通のお店で悲鳴なんてあり得るのか? 女の人の声っぽかったが
襲われてるって感じではないし、辛い物でも食べたか?
「ぁぁぁぁあああ! もう…駄目…」
奥の方から走ってきた黒髪の少女が私達の近くで口を押さえて倒れた。
……うん、辛い物を食べたに違いない。無茶をするからだ。
「…あぁ…残念」
「え? え? え? 何この状況!」
「はぁ~無理だったか」
「あ! 夏希ちゃん!」
「え? あ、かえでちゃん! わー! 久しぶり!」
今度はかえでの知り合いか。昨日と比べて今日は随分と…
まぁ、当然なのか、夏休みだしここは神浜から近いリゾート地。
それにこっちの人数は多い、知り合いが多いのは当然かな。
「ん? 今度はかえでの知り合い?」
「ほら! 前に話した空穂夏希ちゃん!」
「…あ!」
「おー、そうなんだ!」
私達は知らないかえでの知り合いと言うことか。
チームには話をしたみたいだがな。
「夏希ちゃん! ももこちゃんとレナちゃんだよ!」
「あ! 初めまして~!」
「どーもどーも!」
「…ども…」
やっぱりレナは溶け込めないと上手く会話が出来ないタイプらしい。
ももこは誰とでもすぐに仲良くなれるタイプだな。
「いつ以来だっけ!」
「えーっとね…」
「ふぉぉぉぉ!」
「あ、そうだった…ひみかちゃん、大丈夫!」
「これって、どう言う状況?」
「まなかがご説明しましょう!」
彼女の説明によれば、この状況は海の家夏限定のチャレンジ
超辛カレーチャレンジという物らしい。
この海の家限定で超辛いカレーを提供していて
それを食べきった物にはウォールナッツの食事券が貰えるのだとか。
更には一定時間以内に食べきることが出来れば料金無料。
よくある、大食いチャレンジという感じに近いか。
そして、ひみかと言う少女はその食事券目当てで挑んだが…
まぁ、結果は見ての通り、悶絶してしまったと言う事か。
そして夏希という少女はそんな彼女を応援するために来たと。
仲が良いというのがよく分かるな。
「み、水…」
最終的にひみかと言う少女は完全に破れたわけだが
どうやら、夏希という少女は彼女を特訓するつもりらしい。
夏希は彼女を引っ張り、私達の前から姿を消した。
ハバネロの一気食いとは…それに結局水…渡してないな。
「また1人、敗れ去ってしまったか…このカレーの辛さ、まさに最強なり!」
しかしこの子、努力の方向性を間違えている気がする。
そんな料理よりもいつ食べても飽きない、当たり前の味を開発すれば良いのに。
料理人としてはそれこそが到達点なのでは?
「今、最強と言いました?」
そしていやな予感はして居たが…鶴乃が反応してしまった。
「言ったけど…」
「なら、挑戦するしか無いでしょう!」
「ほう…」
本気だ…これは本気の目だ…流石鶴乃。
「鶴乃がやるんだったら俺もやるぜ!」
「フェリシアも反応するのか…」
しかし…食事券か…悪くないな、節約するにも欲しいところだ。
それに一定時間以内に食べきれば料金も無料か。
「…じゃあ、私もやろう」
「えぇ!? 梨里奈さんも!?」
「まぁ、うん」
「うぅ、さ、3人ともここはしっかりと考えた方が…」
「しっかりと…うーん……うん! 挑戦するよ!」
「あーん、もう! 梨里奈さんは!?
り、梨里奈さんが挑まないならフェリシアちゃんも…」
「フェリシアには悪いけど、挑戦したいな」
「そんなぁ…」
「なら、私も参加しないとね」
「やちよさんまで!? もう滅茶苦茶だよぉ!」
そして、私達4人は超辛カレーチャレンジに挑む事になった。
「これが激辛カレーか、見た目はそんなに恐ろしくは無いな。
何だかカレーのルーが赤い気がするが…気のせいだろう」
「よーし、食べる!」
フェリシアと鶴乃が2人同時にカレーを口の中に入れた。
それを見た後、私もゆっくりと口の中に入れる。
「「ひぎゃぁぁあぁああ! からぁぁあぁい!」」
た、確かに結構応えるな…辛い物、あまり食べないからなぁ。
「み、水、水!」
「う、海だ! 海に水が!」
「海の水はしょっぱいぞ? より酷くなるんじゃ」
なんて、私の小さな声が聞えるような状況じゃ無かったか。
2人はすぐさま海の方に走っていき、海水を飲み更に悶え始めた。
「ひ、悲惨です!」
「そしてそんな光景を尻目に普通にカレー食べてる梨里奈さんとやちよさん!」
「料金無料と食事券は大きいからな」
「汗凄いのに、表情が何一つ変ってないのがシュールね」
「やちよさんもじゃないですか
ふぅ、ごちそうさまでした。タイムは?」
「す、凄い速さです…タイムも余裕です」
「ふぅ、一安心だ」
タダでお腹いっぱいになれるなら、これに越したことはないな。
「では、料金は無料、そしてウォールナッツの食事券です!」
「ありがとう…ふふふ」
「凄い嬉しそうね、梨里奈、まぁ私も嬉しいんだけど」
「も、もしかして梨里奈さん…食事券と料金無料のために…
それにやちよさんもこんなにあっさりと…」
「か、完敗です…いやぁ~、感服しましたよ」
「ん? まぁ、その…ありがとう」
「あなたなら、戦えるかも知れません」
「戦える? 何と?」
なにやら神妙な面持ちだが…何の事だろう。
「今日の午後から開催される特別なフードバトルイベントで!」
「ば、バトル…?」
「ここのカレーとは違うんですか?」
「ここのカレーチャレンジは常時開催です。
しかーし! 今日の午後に開かれる大会は1回きり!」
「ま、まさか…あの2人が悶絶するほどのカレーより辛いカレーを食べるとか!」
「いえ、違います。メニューは冷製パスタ」
「まさか、それが激辛とか」
「いえ、普通です。しかも小皿サイズです。
しかし、エンドレスなんです!」
「つまり、わんこそばとか、そう言う類いか?」
「そう言う感じです。つまり、冷製パスタエンドレスバトル!」
「そのままだな」
まぁ、他に難しい言い回しとかは不要かな。
「更にこれは3人1組のチーム戦です」
「ふーん」
「更に更に! 優勝者には神浜で使える商品券5万円分をプレゼント」
「な!? 5万円!? 5万円だと!? そんな大金が貰えるのか!?
5万円もあれば5ヶ月は過せるぞ!」
「あれあれ、私は今違和感ある言葉を聞いた気がしますよ…」
「5万円…家計の足しにはなるわね」
なんて大金だろう、こんなの出ないわけには行かない!
「3人一組か…私は1人だし、あと2人…」
「悪いけど、私達は私達で出るわ」
「くぅ、分かっては居るが…」
「じゃ、じゃあレナが梨里奈と組む!
かえで! あなたも梨里奈と組みなさい!」
「えぇ!? わ、私も!?」
「そ、そうなのか! ありがとう! 本当にありがとう!」
「ちょ、梨里奈…な、何か本気で感謝されてるんだけど…」
「必死なんだね」
「うぅ…まだ舌がヒリヒリするよ…」
「辛いの辛いぜ…」
「よし、じゃあ鶴乃、フェリシア。次の大会よ!」
「え!? 何かあるの!? ちょ、ちょっと辛いのは!」
「辛くは無いわ! 沢山食べるだけよ。梨里奈には負けられない」
「え? 姉ちゃんと戦うの? それ楽しそうだな!」
やちよさんはフェリシアと鶴乃と組むのか…大食い2人。
しかし、私も負けられない…
「やちよさん、負けませんよ」
「私も負ける気は毛頭無いわ」
「「5万円は渡さない!」」
「……な、なぁ、何だか姉ちゃん普段と雰囲気違う気がするんだけど…」
「うん、私もそう思うよ」
今日は絶対に勝つ! 5万円は私達が手に入れる!