そして時間が来た。参加チームが何人かいたが
そんなの私には関係ない、警戒すべきはやちよさんか。
リレー形式みたいだし、ふむ、何とかなりそうだ。
これでもしも勝利数でカウントされていたとすれば厳しかったかも知れない。
「じゃあ、メンバーも揃いましたね、ではスタート!」
他の2チーム…名前とかさっぱり覚えてない。
自己紹介をして居たような気がするが
目の前の5万円のことしか考えてなかった…
そして私はアンカー。さぁ、レナとかえでは何処まで食べるか。
「ふゆぅ、も、もう無理ぃ…」
あ、最初にかえでがダウンしたな、1番は…うーん。
「な、何やってるのよかえで! 一番最初にダウンなんて!」
「ふ、人選を誤ったわね。レナもかえでも大食いは苦手だったはず」
「あ、忘れてた…で、でもレナは食べれるわ!」
そう意気込んでレナも食事を始めたが…うん、すぐにダウンした。
「レナも駄目じゃないか、他メンバーはまだ後続居るのに…」
「うぅ、ごめん梨里奈」
「いや大丈夫だ、2人が居なかったら参加出来なかったからな」
そして私の番か…5万円は私達がもらい受ける!
「あむあむ」
「す、凄まじい勢い!」
「一瞬でレナとかえでが食べた分を抜いた!」
この勝負に勝てれば、私は5万円の大金を手に入れる事が出来る!
どれだけ山分けするかはちゃんと話をしないと行け無いが
1万円でも、私には大きすぎるプラスだ!
1万円は大きいぞ、それだけ料理のバリエーションが増える!
新しい調理器具とかも買うことが出来る! 色々と出来る事も増える!
「むぐむぐむぐ!」
「く、まさか私が出るまでにダウンしないとは…流石梨里奈、凄まじい執念ね」
「私はまだまだ入りますよ! さぁ、次!」
「も、もう少しゆっくり…冷製パスタがちょっと」
そのまま私はひたすらに食べ続けた、正直味とか覚える余裕が無い。
「ほら! まだまだ100皿! 次!」
「何と言う食いっぷり! 1人で既に80皿だ!
更に表情が何一つ変ってない、これはまだまだ余裕かぁ!?」
「く、全然表情が変ってない、普段からクールだから読めないけど
流石のあなたと言えど、その量は限界が近いはず」
「何度か言ったでしょう? 私に限界は無い!」
「く! 魔法を使っているとでも!」
「勝負はフェアじゃ無ければなりません。それをするのは
私のプライドが許さない。これはあくまで対等な戦い!」
「ふ、そうよね。ならば余計に負けられないわ!」
……しかし、ちょっと冷静になると美味しいな、この冷製パスタ。
食べやすいという感じがする。後、汁の味付けも良いな。
流石店で作ってるだけある。この味を再現できればなぁ…
さっぱりとした味付けというのは、やはり美味だ。
「あむあむ、ふんふん…」
「おーっと! 100皿を越えたというのに表情が緩みました!
こ、これは、まだ全然食べられるという証拠でしょうか!?」
「く、馬鹿な、この状況で頬が緩んでる…余裕のアピール?」
「よし、おかわりだ」
「全くペースが落ちる気配が無い! 激しいトップ争い!
夏目選手も負けじと食い付いています! この勝負分からないぞー!」
「うぅ、あ、あの人…凄い食べる…」
「ちょ、ちょっと食べ過ぎじゃ無い? あんなに入る物なの…?」
「これ、もう私達居なくても梨里奈さんだけで勝てたんじゃ…」
「そ、そんな事無いわよ…多分」
でも、流石に結構辛いな…あぁ、でも幸せでもあるなぁ
お腹いっぱいになる事は早々無いからなぁ、腹八分目所か
半分も行かないことが結構あったし…ふふふ、もっと食えるぞ。
私の胃袋の限界が何処までか試してやろう!
「よし! まだまだ!」
「何か楽しそう…ね」
そのまま勝負は続いた。ひたすらに食べていると終了という声が聞える。
「む…じ、時間切れ?」
「はい! 勝者は213皿完食した仙波チーム!
最初から最後まで一切ペースが落ちずに完食! 圧倒的な実力差!」
「よーし! 優勝だ!」
「く、無念…」
「しかもまだ余裕がありそうなんだけど…何処まで入るんでしょうか…」
「おめでとーございます! それでは優勝賞品の商品券5万円分です!」
「ありがとう」
5万円…ふふ、これだけあれば色々と変えるぞ。
「よし、5万円ゲットだ! レナ、かえで、どう分配する?
私は1万円でも手に入れる事が出来れば満足だ」
「あなたが1万円とかあり得ないでしょ!
レナ達が1万円でもバランス取れないくらいなのに!」
「いや、2人が協力してくれなかったらそもそも参加出来てないからな」
「い、良いわよ。それ生活で使うんでしょ? あなたが全部で」
「な、何を馬鹿な! こう言うのは対等に分けないと!」
「私も全額梨里奈さんで良いと思います、私達何もしてないし」
で、でもそう言う訳には…私が全部貰うのは申し訳無いというか。
「どうしても多少分けたいって感じだね。だったらこうしたらどう?
その5万円で、今度昼食を奢って貰うってのはさ。
それなら3人とも良い感じに満足できるんじゃ無いか?」
「そ、そんなので良いのか?」
「まぁ、それで梨里奈の気が収まるなら。
本来なら貰えるような物じゃ無いけどさ」
「私もそれで大丈夫です!」
「そ、そうか…じゃあ、その時は全員に奢ろう。折角の大金だからな。
どうせなら全員で共有した方が良いだろう」
「え? 私達にも奢ってくれるの?」
「あぁ、楽しい方が良いだろ? それに旅行に連れてきて貰ったしな。
そのお礼も兼ねて、この5万円で奢るよ」
「ふふ、そうね。じゃあ、その時を楽しみにしましょうか」
「あぁ、楽しみにしてくれ」
5万円の大金だからな、折角だ皆で何かを食べる方が良いだろう。
楽しい事は共有したい…共有できる相手が居るのだから。
あいつも…七美も言ってたな…楽しい事は共有すればもっと楽しいと。
その言葉、今ならよく分かる気がするよ。