魔法少女の道化師   作:幻想郷のオリオン座

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マギウスからのお誘い

ふーむ、みかづき荘でやちよさんにお揃いのコースターを送る

そんな計画が進んでるという話を聞いた。

そして、私の手元にはそのお揃いのコースターがある訳だが…

 

「外で待って、一気にババンって…

 と言うか、私も参加して良いのか?」

「勿論です、梨里奈さんも私達の仲間ですから!」

「私はあまりみかづき荘には寄らないが、そう思ってくれるなら嬉しいよ」

 

とは言え、事態はあまりよろしくない状態になってる。

まさかマギウスの1人がみかづき荘に直接出向いてくるとは。

それに講習なんて…何が狙いだ?

 

「結局コースターは渡せなかったか」

 

状況はあまり良くないように思えたな。やちよさんの雰囲気も変った。

みふゆだったか…あの魔法少女、何が狙いだ?

 

「こんにちは、梨里奈さん」

「……私に何の用だ? マギウスの翼」

「そんなに睨まないでくださいよ」

 

私に直接接触してくると…なる程、それもそうだな。

私は普段、みかづき荘には立ち寄らない。

そうか、いろはから話が来ない可能性も考えたか。

 

「ただお話ししに来ただけです。あなたもマギウスの翼に入りませんか?」

「全く開幕何を言い出すかと思えば。何故、私がマギウスの翼に入ると?

 あり得ないだろう。私はお前達の活動は気に入らないんだ。

 それに私がマギウスの翼に入れば暗殺されかねないからな」

「暗殺?」

「こっちの話だ、とにかく私はマギウスの翼には入らない。

 興味はあるぞ? 破壊する対象としてだが」

「では、争う前に私達が指し示す、魔法少女の解放とは何か

 それの抗議をしましょう。そうすれば、あなたの考えも変るかも知れない」

「それか、くだらないな。どんな理由であれ他者に害をなすことに変わりは無い。

 例えば戦争にどれだけ尊い大義名分があろうとも、悪は悪だろう」

「戦争が起る前に、話し合いで解決することも必要でしょう?

 私がやりたいのはそう言うことです。話し合えば分かる事もあります」

「それなら話し合いで魔法少女を解放すれば良い。

 私が言いたいのはお前達がやってる事が既に戦争と同じだと言う事だ。

 既に起ってるんだよ、その事態が。正義の味方面をするな」

「では、あなたが起す争いは正義なのですか?

 私達、マギウスの翼と起す争いは」

「正義? ふ、魔女を狩るのも何をするのも正義でやってるわけじゃない。

 やるしかないからやってるんだ」

「なら、魔法少女の解放もやらなければならないことです」

 

魔法少女の解放という目標に…どれ程の意味があると言うんだ?

それにかなりこだわっているようだが…何があるんだ?

 

「梨里奈さん、あなたがマギウスの翼に参加してくれれば大きく進歩します。

 あなたほどの魔法少女が敵では無く味方になってくれるなら」

「言っただろう? 味方にはならない」

「その考えも、きっとある真実を知れば変ります。

 ですので明後日、いろはさん達にも伝えましたが記憶ミュージアムで」

「うわさだな? そちらにとって有利であろう場所に何故行く必要がある?」

「この場所でしかお伝えできない事実があるからですよ。

 誰も受入れがたい事実は正攻法では受入れませんからね」

「だからうわさで伝えると? 洗脳じゃ無いのか?

 宗教の勧誘みたいな真似だな、全くくだらない」

「ですが、いろはさんは了承してくれましたよ?」

 

……ち、全くやってくれるな…いろはなら行くだろう。

あいつはあまり人を疑わないからな。

そして…そうだな、さなとフェリシアは行きそうだな。

いろはに誘われたら、結構あっさり行きそうだ。

やちよさんは行かないか…鶴乃は…行くかも知れないな。

 

「……こいつめ」

「では、明後日、お待ちしています」

 

そう言い残し、彼女は私の前から消える。

前の時もそうだが、みふゆだったか…彼女は読めないな。

いまいち悪意を感じない。かといって良い雰囲気も無い。

やちよさんと知り合いの様だが…あの2人はどう言う関係だ?

それに何故やちよさんとみふゆは別れてしまったんだ?

 

きっと前は仲がよかったんだろうが…だが、いや待てよ

そう言えば、私にはずっと気掛かりなことがあったはずだ。

ソウルジェム。やちよさんは何か知ってるようだが教えてくれなかった。

やちよさんが知ってるなら、あのみふゆも知ってる可能性だって…

2人の仲が別たれたとして、もしかしたらこの秘密じゃ?

やちよさんが頑なに教えてくれなかった事実…だからな。

 

「……仕方ない、行くしか無いか…」

 

知りたい謎を教えてくれるかも知れないからな。

まぁ、不審すぎる状況ではあるが…さて、どうだか。

向こうはこちらを仲間に引き込みたいと思ってるだろう。

マギウスの翼にとって、活動を邪魔する私達は即刻排除したいだろう。

 

だが、それなら翼を総動員して襲わせれば良い。

少なくともみかづき荘に奇襲を仕掛ける事が出来れば大打撃だ。

だがそうじゃ無い。魔法少女の解放が狙いだと言ってたわけだし

排除したいとしても、殺したい訳では無いはず。

 

「それにしても、受入れがたい事実…か」

 

やはり私達に関する事だろう。どんな事実か教えて貰おうじゃないか。


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