すぐに1夜が明けた、やはり眠ると早いな。
今日は休日だし、結構自由に動けそうだ。
私は早速色々と聞き込みをしながら行動を始めた。
「うわさ…あ、そうだ! 何か遊園地が出来るそうだよ!」
「遊園地? 何処にですか?」
「さぁ、そこまでは…」
「そうですか」
だが、怪しいな…もう少し調べてみるか。東に行きながら。
とは言え、その前にグリーフシードだな。
うん、久しぶりにこの部屋に戻った気がする。
とにかく棚のグリーフシードを…よし20個かな、十分だ。
「無駄に溜めたな…あまり魔力は消耗しないし溜まる一方だ」
だが、今はこのグリーフシードが重要な役目をしてくれる。
これだけあればしばらくは持つだろう。
…とは言え、このグリーフシードも魔法少女の亡骸…になるのか。
溜まった穢れを代わりに引き受けてくれているが
案外、呪いの矛先を変えてるだけなのかも知れないな。
人は以外と呪いには無力なのかも知れない。
だが、完全に無力であるなら希望はないだろう。
まだ可能性はある。一般の人を巻き込まない方法もきっとある。
それにしてもだ、ドッペルというのは相当特異な力。
もしかすれば、そのドッペルで何かを救う事が出来るかも知れない。
七美の友愛のドッペル。あれはほぼ魂に干渉するドッペルだろう。
そう言うドッペルがあればあるいは…なんて、考えてる場合じゃないか。
「ふぅ…あ、冷蔵庫の牛乳が腐ってる…ぐぬぬ、も、勿体ない…
えっと、まだ大丈夫な食材は…うん、こんな物か。
意外と少ないな…も、勿体ない…うぅ、使える食材で何か作るか…」
ひとまず冷蔵庫の余った食材を使って料理を作って小腹を満たす。
後は電気代温存の為に冷蔵庫の電源を切って…よし、全部切ったぞ。
ブレーカーも落としておこう。火事は無いと思うが念の為。
「よし、再開だ」
再びうわさの情報収集を始めた。やっぱり遊園地のうわさはあった。
しかし、このうわさ…東から流れてきてるように感じるな。
東に行けば行くほどにうわさを良く耳にする。
とは言え、うわさというのは意外と…もしかしたら東にも?
その可能性はやはりあるよな。でもそうなれば
マギウスの本拠地は中央付近か? いや、露骨すぎるか。
「ふんふん…しかし、全然襲撃が来ないな。これじゃ囮の意味が無い」
なんて小声で呟くが、聞えただろうな。
「すみません、うわさを調べてまして」
「う、うわさですか?」
「はい、何かありますか?
部活動の一環で聞いて回ってるんです」
「へぇ、そうなの。じゃあ、工匠区って知ってる?」
「あぁ、確か東側の…一応話は聞いたことあります」
「じゃあ、そこの旧車基地って所があるんだけど
そこで変な姿を見たってうわさがあるの」
「へぇ、どんな?」
「小さい光る子供が走り回って、気付いたら消える。
うわさって言うのを調べてるならオカルト系でしょ?
なら、こう言うちょっと心霊チックなの良いんじゃ無い?」
「確かに面白そうですね、明日行ってみます」
「今から行かないの? 時間的には丁度良さそうだけど?」
「うーん、確かにそうですね…」
さて…露骨な誘導が来たな、悪くないがこのまま行くべきでは無いだろう。
工匠区は確か東のテリトリーだったか、下手に近寄れない。
ひとまずやちよさんに少し相談をした方が良いか?
ひとまず私は距離を離して、やちよさんに連絡をした。
そして、さっきの会話を全てやちよさんに伝える。
「と、言う事がありまして。露骨な誘導ですね」
「そうね…でも、そこは東のテリトリー
一応、私達も東に協力を要請する予定ではあるんだけどね。
でも、今日は戻ってきて欲しいの。伝えたい事があるわ」
「そうです…いや、待てよ…今誘導してきたって事は
既に戦力が揃ってると言う事じゃ…無駄な戦力を集中させて
そのまま撤退なんて無駄な事を…相手は意外と計算高い。
もし私なら誘導に失敗した場合の手を…」
「どうしたの?」
「やちよさん、連絡をするならすぐに連絡をお願いします。
私はこのまま東の方へ向って、例の場所を調べます」
「ちょ、ちょっと! 伝えたい事が…フェリシア達の事で進展が」
「それは知りたいですけど今は東です!
杞憂なら良いんですけど、急いで連絡を!」
「ちょ、ちょっとま!」
あぁ、盲点だった! 七美が居る以上、方法は多々ある!
その多数ある手の1つに東の制圧だってあったはずだ!
東の状況はよく分からないが、統括してる奴が居るはず!
そいつを七美の力で協力させれば東が落ちる!
東の戦力はかなりデカいだろう。マギウスと東の魔法少女
その二大勢力とぶつかるというのは非常に不味い!
「っと、急いで」
急いで東の方に走ると、スマホがなる。
私は走りながらスマホを取り出し、着信に出た。
「東のボスに連絡を取ったわ。どうも動きが妙らしい」
「何処に居るか聞きましたか!?」
「えぇ、工匠区の湖がある場所…確か」
高所を移動してきたからか、すぐに湖の場所が分かった。
そして、湖の近くで戦ってる魔法少女の姿もある。
真っ白い軍服か…少し私に似ているな、軍服という点は。
しかし黒羽根が多いな…
「いや、大丈夫です。湖が見えた。そして白い服の魔法少女」
「その子よ、その子が和泉 十七夜、東のボスよ」
「なら…不味い!」
高所から見ていると、ドッペルの姿が見えた。
やはり、マギウスは彼女を手駒に加えるために!
「く、何だあれは…」
「梨里奈ちゃんを取り戻す為に、私は!」
「私は最初からお前の前から消えちゃ居ない!」
私はすぐに飛び込み、七美のドッペルを無数の短刀で貫いた。
「そんな! この声…どうしてここに! 梨里奈ちゃん!」
「七美…何度も言わせるな、そんな方法は間違ってる」
「間違っていても、この方法しか無い…から!」
「む、君は…確か七海が言っていた魔法少女か、確かに黒の軍服だ」
「和泉 十七夜さん、黒羽根の方は問題ありませんよね?」
「あぁ、問題無い、君は? 七海からは相当な実力と聞いた」
「私は私の親友を止めます。これは私にしか出来ない」
「む、そうか。自分としては君の実力を見て見たいと思っていたが
親友のためであるなら仕方ない。黒羽根は自分に任せろ」
「ありがとうございます」
「クソ! 梨里奈だ! 何でここに…不味いぞ、撤退しろ!」
「む、黒羽根達が一斉に逃げ出したな、どれだけ恐れられてる?」
「……七美、ここでお前を連れ戻す」
「梨里奈ちゃん、私はあなたを取り戻す」
「……」
七美の手元に武器と思われる物は無いが…
だが、七美は私と戦うつもりだろう。あの目は…
しかし、例え七美と戦う事になったとしても必ず助け出す。
七美を助け出して、鶴乃もフェリシアもさなも…全員まとめて助けてやる!