魔法少女の道化師   作:幻想郷のオリオン座

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1人故の強さ

「はぁ!」

「っと」

 

なる程、かなり大規模な攻撃を当たり前の様に使うな。

だが、恐らく私と1対1で戦うとなれば

全くもって勝算なんてないだろう。攻撃が大振りだ。

 

「逃がさない!」

「全く」

 

攻撃を避けると、すぐにアリナの追撃が飛んで来た。

私はその攻撃を避けながら、何発か弾く。

 

「梨里奈ちゃん、お願い!」

 

七美の放った5本の糸は私を逃がさないように展開されていた。

そして、七美の背後にはマミの姿がある。

 

「これでどう? ティロ・フィナーレ!」

 

逃げ道を七美の糸で塞ぎ、私へ攻撃をすると。

だが、私を覆うほどの七美の糸ではあるが

当然、抜け道はまだあった。上空だ。

私は地面を強く蹴り、マミの攻撃を飛び越える。

 

「な、何て跳躍力…」

「自身を強化することしか私は出来ないからな。

 だが、逆にそれだけなら出来る、誰よりも…な」

 

私の限界突破の魔法に出来る事はそれだけだ。

他者に直接干渉することが出来る訳でも無いし

何かしらの事象に干渉することが出来るわけじゃない。

他者を癒やすことは出来ないし、他者を繋げる事も出来ない。

 

渡しに出来ることは、ただ自分自身を強化することだけ。

それだけだ、自分以外に干渉することが出来ない。

まさしく私に相応しい魔法と言えるな。

他者との関わりを断ち続けていた、私には。

 

「どれだけ必死になっても、この一撃は無理でしょ?

 ビック・バーン!」

 

空高く飛び上がったと思うと、無数の傘が出て来た。

雨みたく降り注ぐな…まるで炎の雨という感じだ。

 

「複数の攻撃を展開するのは良いが、私相手だぞ?」

 

と言っても、私は今、第六感の限界突破を用いている。

何処にどんな風に降ってくるかは、ある程度分かってしまう。

身をかわせる程度の空間なんて、結構あるもんだ。

 

私は彼女の攻撃を糸を通すような隙間をあえて選んで避けた。

 

「なら、上空だけじゃなく、地上からの攻撃も合わさればどう?」

「容赦しないわ、もう終りよ」

「…今すぐ降伏してよ、梨里奈ちゃん!」

「流石にその攻撃はしんどいからな…もう1段階強化だ」

 

私は自身の身体能力と第六感を更に強化した。

流石に2重の強化となれば、より魔力消費が激しくなる。

だが、今の状態であれば、ほぼ未来予知に近いほどだ。

 

「数が多くても」

 

私は上空からの攻撃も側面からの攻撃も全て見えた。

軌道さえ見えてしまうほどに、殆どが未来予知と言えるくらいに。

何処なら攻撃が当らないか、どうすれば避けられるか、全て分かった。

 

弾かないといけない攻撃は弾き、避けられる攻撃は避ける。

時間を稼ぐだけなら、わざわざ攻撃を仕掛ける事は無い。

 

「クソ! 全然効果が無い!」

「でも、それもここまで」

 

だが、私のその流れを断ち切ったのは、やはり七美だった。

彼女は私に糸を繋ぐわけではなく、大地に繋ぎ私の妨害をした。

直線的な攻撃よりも、こう言った広範囲攻撃の方が

私には効果的だし、またこの場面では厄介だ。

 

「やっぱり七美、お前は厄介だな」

「ついでにこの一撃はどう? とんでもない破壊力だよ!」

 

不味いな、この範囲は流石に避けきれないかも知れない。

こうなれば、防ぐしか無いだろう。

 

「吹き飛んじゃえ!」

 

私は急いで自身の前に大量の短刀を用いて眼前に壁を作った。

 

「無駄だよ! そんな程度の壁!」

 

当然だが、私の壁は簡単に破壊されるだろう。

しかし、それでも構わない。元より防げるとは思って無い。

 

「あは! 簡単に壊れちゃったね!」

 

だが、その場所に私は既に居ないんだ。

私が私の前に壁を作ったのは所詮は目眩ましなのだから。

ここまで魔法をフルに用いないと行け無いなんてな。

 

「あれ? 姿が…塵も残らないで消えちゃったのかにゃ~?」

「当然、消えてはないぞ? デカすぎるんだよ攻撃が」

「嘘! いつの間に! うわぁ!」

 

私はすぐに彼女を地面に叩き落とした。

厄介な傘だな、だが、地上に落とせば上空からの攻撃は止むだろう。

上空と地上からの同時攻撃なんて厄介極まりないからな。

 

「う、嘘…わ、私達がこれだけやっても…」

「怯えるな、七美に免じて殺すのは許してやろうと言っただろう?

 ただ再起不能になるだけだ、死ぬよりはマシだろう?」

「何なんだよ、何なんだよ! お前は!」

「明らかに動揺して居るな? 言ったじゃないか。

 私はそれなりに強いぞ?」

「梨里奈ちゃんがそれなりだったら、他はどうなるの?」

「さぁな、本人に聞けば良い」

 

私はそれなりに強い。強い理由だって強くなり続けたいと

そう願ったから。強くなければ、願いが無意味じゃないか。

だが、私は最強とはほど遠い。そんな物になろうとはしてないからな。

 

「さぁ、そろそろ再起不能になって貰うぞ。

 最高の攻撃というのも良いが、残念な事に

 私の本気は相手を殺しかねないからな。

 

 終わらない限界突破なんて、恐怖でしかないだろ?

 一撃の度に私の速度が上がり、最終的には手も足も出ない。

 それが私には出来るが、しんどいんだ。

 だから、最高の連撃ではなく、最悪の弾幕をプレゼントしよう」

 

私は指をならし、自身の周囲にいくつかの短刀を召喚した。

数は…自分でも分からないが、数千はあるだろうな。

本気を出せば、数億か数兆か。どっちにせよしんどいが。

 

「これで終りだ、沈め!」

「梨里奈ちゃんは強いけど、私も負けない!」

 

七美がすぐに足下の糸を繋げ、地面を引き上げた。

それにより、私の攻撃は全て防がれてしまった。

 

「負けないから…」

「…やはり、七美が1番厄介か…」

「クソ、数が多いな…」

「うぅ…」

 

不味いな、羽根達に押されているようだ。

流石にあの数を3人で抑えるのは不味いか。

すぐに合流して、羽根達を協力して。

 

「そろそろあっちの方が不味いみたいだね。

 流石にあの数を相手に3人はキツいんじゃ無いかにゃ~

 あなたがあっちに居れば分からなかったけどね~」

「でも、あなたをあちらには行かせないわ。

 挟んであなたも一緒に倒してあげるわ」

 

このままだと…どうにかして仕留めきらないとならないか。

仕方ない、やるしかないだろう。非常に消耗が激しいがな。

口寄せ神社の時に使った、あの終わらない限界突破を。

人が相手であれば、確実に屠れるはずだ。

 

「ももこ! なに苦戦してるのよ!」

「な! レナ!?」

「レナ!?」

 

ももこの声を聞いて、すぐに後方を見た。

そこにはレナとかえでの2人の姿が見えた。

マギウスの翼を背後から奇襲したのか。

 

「両方から挟んで倒そう!」

「よし、これならいけるよ!」

「ちぃ、邪魔を!」

「これなら無理をする必要は無いな。

 さぁ、やろうか!」

 

いろは達が鶴乃を取り戻すまでの時間を稼ぐ。

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