状況はこちらの有利に展開したと言える。
レナ達の合流もあって、私が無理をする必要が無くなった。
「仕方ないわね…こうなったら容赦しないわ」
「私達は少し下がっておこうかな-」
マミが小さく息を吐く。するとマミの周囲に大量の銃が出る。
だが、何だろうか…今までとは雰囲気が違った。
今まで以上にマチェット銃の数も多い。
だが何より…マチェット銃の銃口が向いてる場所が妙だ。
「絶対に…解放の邪魔はさせないわ!」
マミの頭上から、妖精の様な小さな存在が飛び出す。
同時にその妖精の様な小さな存在まで銃へと変った。
「死になさい!」
「ッ!?」
マミの狂気さえ感じる程の叫び声の後
全ての銃身から今まで以上のレートで弾丸が射出される。
マチェット銃だというのに、1度放った後も弾丸を飛ばすと!?
マチェット銃なのか? あれは、もはや現代兵器だ!
「チィ!」
私は即座に自身の周囲に短刀を召喚し、飛んで来る弾丸を弾く。
うち、弾き飛ばされた短刀の2本を掴み、飛んでくる弾丸を切り落とす。
「全く…仲間もろごと屠る気か!?」
「いいえ、私の狙いはあなただけよ」
「何を…いや、これは!」
「な、梨里奈! 後ろ!」
弾丸の軌道が不自然に曲がって、私の方に飛んで来た!
全く無茶苦茶をするな!
「まだ終わらないわよ!」
「マチェット銃とは思えないな」
背後から飛んできた弾丸を撃ち落としながら避けるというのは辛いな。
とは言え、集中的に私を狙っているのは好都合だ。
「そこ!」
攻撃を弾きながら、一瞬見えた隙間。
私はそこを狙い、短刀を全力で投擲する。
「くぅ!」
私が投擲した短刀はマミのマチェット銃の1挺に当る。
その1挺に当った短刀が弾け、別のマチェット銃に直撃する。
最初に当ったマチェット銃も2段目に当ったマチェット銃も
私の短刀で照準が大きくズレ、自身のマチェット銃を何発も撃つ。
「まだ終わらないぞ!」
この攻撃で勢いが若干弱まったことにより、更に投擲を行なった。
私が投擲したいくつもの短刀はマミのマチェット銃を全て破壊する。
「全くデタラメよね。でも、終りよ。ティロ・フィナーレ」
しかし…マミの頭上滞在している巨大な砲台。
その砲台は私めがけて、真っ直ぐに飛んで来た。
これを避ける事は造作ないはずだ…だが、見るからに破壊力がある。
背後にはももこ達や羽根達が揃っている状況だった。
こんな状況で私が避けるという洗濯を取れないのは明白だろう。
全く! 仲間を容赦なく吹き飛ばそうとするなんて異常だろう!
「不味いぞ…あの弾速じゃあたし達!」
「本当に…無茶苦茶をするな…こうなったら私も無茶をするしか無いだろ!」
私は自身の肉体を最大に近いほどに強化した。
これだけの砲弾を防ぐには…いや、弾くにはこれしか無い!
「私は技名なんて思い付かないからな…締まらないかも知れないが!」
私は自らの技名何て考えてないし、思い付くことも無かった。
何、ただの限界を更に越えた限界突破でしか無い。
極限にまで自身の能力を強化してでの一撃でしか無い。
私はマミ程にセンスは無いだろうな。
一応、技名を考えてもみたが、恥ずかしいから言わない。
だが、シンプルに…この一撃はマミの攻撃を砕くには…十分だった。
「な…」
私の攻撃なんて、ただの身体能力を強化しての一撃でしか無い。
しかしだ、それでも相殺するには十分だったようだ。
「痛いな…流石に腕が…同時にもう後には退けなくなった。
このまま終わらせる! 終わらない限界突破を見せてやろう!」
自身の身体能力を極限以上に突破し続けるこの技。
だが同時に、自分自身の肉体の方がやられる。
そっちも限界突破すれば良いが、後遺症が恐いからな。
「一気に終わらせよう」
私は即座に地面を蹴り、マミとの間合いを詰めて一撃で落とした。
あまりにも速すぎたんだろうな、マミは何があったか分かってない。
「この!」
私がマミを倒すと同時に七美達の攻撃が飛んで来た。
だが、今の私は止まらない…止まれる状態じゃ無い。
時間が無いんだ、この終わらない限界突破をした以上
私はこの体が限界を迎える前に倒しきらないとならない。
「無駄だ」
アリナの攻撃を全て弾き、瞬時に間合いを詰めて倒した。
「速すぎでしょ!」
「今の私は速さが唯一の取り柄でね」
即座に灯火も撃破した、距離が多少は慣れてる程度なら
1歩の間合いでしか無い…私の1歩は異常だがな。
「…残りは七美…お前だけだな」
「…どうして攻めてこないの?」
「私の予想だと、お前に近付けば八つ裂きだろう?」
「流石、お見通しだね」
七美は既に自身の周りを糸で壁を作ってるような状態だ。
そして、糸の先には私の短刀が繋がってる。
私が七美に近付いた瞬間に糸を引寄せれば終りだ。
「…自分に糸を繋ぐと言う事は非常に危険だと思うが?」
「梨里奈ちゃん、私はあなたが強いことを知ってる。
どうしようも無いほどに強いと言うことを。
マギウスの2人が揃って、巴さんも揃ってる状態。
それでも勝ち目が無いのに、私1人じゃ勝てない。
だけどね、正攻法以外なら勝つ事は出来るかも知れない。
梨里奈ちゃん、あなたは1人だと無敵に近いくらいに強い。
でも、仲間が居る場面だと…あなたには弱点が出来る。
そして友人が居る場面であっても…あなたには弱点が生まれてしまう。
この糸は私が動けなくなったら勝手に引寄せられるようにしてある」
「つまり…その糸を全て切断して意識を奪えば良いんだろ?」
「梨里奈ちゃん、気付かないんだね。その終わらない限界突破
あまりにも魔力消耗が激しいから…第六感の突破出来てないでしょ」
見抜かれてたか…その通り、今の私は第六感の限界突破は出来てない。
だからこそ、速攻で仕留めに行ったとも言える。
「なら、考えてみてよ…私が仕掛けた罠…時間が経てば不利になる。
速く気付いて行動しないと、あなたの体が限界を迎えるよ?
第六感の限界突破をしても良い、でも、魔力が持つ?」
実際私の魔力はかなりギリギリだ、グリーフシードを使えば良いが
しかしながら、そんな動きを七美が見過ごすとも思えない。
恐らく今までの話からしても、この限界突破状態で動いて
ようやく対処出来るほどの罠なんだろう…
それだけシビアな罠、グリーフシードを使ってる暇は無いだろう。
「……他に何の手があるのか分からないが、ひとまずはお前の意識を奪う!」
私はすぐに七美に近付き、彼女の意思を奪う。
同時に七見に向ってきた短刀……な、3本!?
「く!」
急いでその3本を繋いでいた糸を切断し、背後を見た。
「何!?」
「引寄せられる!」
「まさか!」
七美が仕掛けた糸は自分自身の3本だけじゃ無くてももこ達にも!
「クソ、間に合え!」
もう肉体的にもボロボロだが…自分の体に鞭を打ってやるしかない!
「このぉ!」
限界突破の更に限界突破。かなり突破をした。
急いで1本は切断できたが、ももこの方は間に合わない!
「間に合ってくれ!」
必死に腕を伸ばし、辛うじてももこを動かすことが出来た。
だが、ももこに繋がっていた糸も動き、短刀が私に刺さった。
「り、李里奈!」
「こ…の!」
だが、私に突き刺さったことで、何処に糸があるか分かった。
すぐにその糸を切断して、致命傷だけは避ける事が出来た。
「も、ももこ…だ、大丈夫か…」
「だ、大丈夫かってのはあたしの台詞だよ!」
「そうか…なら、良かった…だがまぁ…ここで私はリタイアだ…
後は頼むぞ…やちよさん達が出てくるまで…時間を…稼いでくれ」
「仙波は大丈夫か!? 魔力の消耗は!? 傷の度合いは!」
「り、梨里奈のソウルジェムが今まで見たこと無いくらいに濁ってる!」
「グリーフシードを、く! 邪魔をするな羽根共!」
「十七夜さん! 少しだけ頼めるか!?」
「あぁ、任せろ!」
……やっぱり七美が絡むと、いつも怪我をするな…
本当に…お前は私の…天敵だよ…