魔法少女の道化師   作:幻想郷のオリオン座

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マギウスを探して

さて、階層を降りようとしたら魔女が出て来たな。

だが、今回は結界での召喚だな。

七美は無事に戻ったんだ。当然と言えば当然か。

 

「魔女の相手は私がします。消耗は避けたいですしね」

「あなたが消耗するわよ?」

「私の魔法は、かなり燃費が良いんで大丈夫です!」

 

まぁ、今更そこらの魔女にやられるほどに甘くは無い。

ちょっとうわさも絡んできたが、今の私は上り調子だからな。

折角七美を取り戻せたんだ…今、この場には居ないが

マギウスを止めれば、一緒に歩むことが出来る。

 

「随分と今日は調子が良さそうね」

「やっと気掛かりだった七美を救えたんですから。

 出来れば、外に行って、七美をカバーしたい」

「でも、こっちに来てくれた…どうして?」

「七美には弥栄と久実も居ますからね。

 それに、ももこ達も居ます…きっと大丈夫。

 後、こっちの方が危険ですからね」

「そうね、確かにこっちにはマギウスも居る」

「そして、マギウスが守る魔女…イウ゛だって」

「えぇ、どんな魔女か分からないけど…油断ならないわね」

 

本当にこっちは非常に危険な状況だと言えるな。

外はどうか分からないが、恐らくこちらよりは…

しかし、イウ゛とワルプルギスの夜。

 

ワルプルギスの夜の実力はよく分からないが

色々な魔法少女が知ってるくらいに知名度が高い魔女。

それだけ知られているのに、未だ動いて居ると言う事は

それだけ強力な魔女だと言う事…イヴの実力は分からないが

 

マギウス、イヴ、そしてワルプルギスの夜。

この3連戦はあまりにも危険すぎるだろう。

何とか撃破した後、マギウスを説得すれば…出来るかは怪しいが。

 

だが、出来れば勝算は上がると思う。

マギウスとマギウスの翼、そして神浜の魔法少女と

私達、全員で徒党を組めば勝てるか…?

 

「……」

 

消耗してる状態で? 少なくとも私達とマギウスの消耗は絶望的だ。

楽観視できる状態では無い。そもそもイヴを止めれるかも疑問だ。

マギウスの3人は倒せるだろうが、その後の2連戦が鬼畜過ぎる。

 

イヴは今までの雰囲気からしてみて、マギウスが育ててる魔女。

相当強力な魔女である事に違いないはずだ。

そして、語り継がれる強大すぎる魔女…ワルプルギスの夜。

あぁもう…鬼畜だ…本当に鬼畜だ…どうしようも無い位に容赦ない。

 

そんな危険な魔女、語り継がれているほどの魔女。

恐らくだが、相当数の魔法少女が揃っても勝てるか怪しい。

語り継がれる魔女を倒そうとする魔法少女だって多いはずだ。

だが、倒せてない…それだけ強大な魔女。

 

……だが、悲観しすぎない方が良い…神浜の魔法少女は多い。

とても多いんだ…マギウスを止めることが出来れば

僅かではあるが、可能性は生じるはず…脅威だがな。

 

「しかし、どうなんでしょうね…イヴって何なんでしょうか?

 マギウスが必死に育てようとしている魔女…

 その魔女を育てた後、何があるのか…」

「そこは不明ね…」

「だが、そのイヴという魔女がマギウスの計画には大きだろう。

 この魔女を育てきる。それこそ、マギウスの目的では無かろうか?」

「育てきった後に、何をするかは分かりませんが、そうでしょうね。

 ……まさか、制御でもしようとしてるんでしょうかね?」

「可能性はあるわね」

「魔女を操る…た、確かにマギウスは魔女を操ってたもんな!」

「あれは七美のドッペルによる効果だ…今、七美はこの場に居ない。

 そもそも、七美を利用するつもりなら、あそこには配置しないはずだ。

 最悪の場合を考慮して、自分達の側に置くはず…そうしてないと言うことは

 七美のドッペルを利用して制御しようとはしてないんだと思う」

 

別の手段だろうな…どんな手段かは本人達に聞かないと分からないが。

しかし、方々を探して回ってるが…何処にもマギウスに繋がりそうな場所が無い。

 

「…ここも違う。このままだと時間が…」

「こうなると、強行策を取るしか無いかも知れんな」

「うわさが出るかも知れませんけど…床を壊すしか…」

「よーし、じゃあ俺のハンマーが火を吹くぜ!」

 

いろはの言葉を聞いて、フェリシアがハンマーを振りかぶる。

うわさが出て来ても良い様に、いつでも構えておかないとな。

…ん? 変な物音が。フェリシアに何か来てるな。

 

「っと、誰だ!」

 

私はフェリシアに近付いてきてるリボンを切断した。

 

「ごめんなさい、私よ! その子を止めて!」

「巴マミ…倒されたと思ったが…何が狙いか知らないが

 フェリシア、一旦待ってくれ。うわさが出たら厄介だ」

「お、おぅ」

「巴マミ…今回は雰囲気は違うが…また邪魔を?

 いつでも潰すぞ?」

「ま、待って! 勘違いしないで!

 私はあなた達を助けに来ただけよ!?」

「…もしかして、うわさが剥がれたのか?」

「ふむ…綺麗に洗脳が解かれてる。以前と違って心が立体的だ」

「良かったわ、敵じゃないって証明されたみたいで」

「無事なのは良かった。まどか達か?」

「えぇ、後輩達に助けて貰ってね…本当、情け無い先輩よ」

 

そうか、まどか達…無事に自分達の手で大事な先輩を救えたか。

 

「そう言えば、あの後の話をしてなかったわね。

 あなたと合流した後、私達は彼女と戦ってね。

 鹿目さん達と一緒に共闘したのよ」

「うん、その時にまどかちゃん達とマミさんが戦ったの。

 自分達が助けたいって」

「危険だから止めようとは思ったが、あの4人は本気だったようで

 自分達は何もせず、彼女達に任せることにしたんだ」

「勿論、うわさを剥がす方法も教えたわ。

 そして無事に、彼女達は巴さんを救う事が出来た」

「詳しい顛末は私も良くは覚えてなかったけど。

 あの子達に助けられたって事は、しっかりと分かった。

 嬉しかったわ。私がもう独りぼっちじゃ無いって改めて分かって」

 

そう言う事があったんだな。じゃあ、今のマミは敵では無いと。

ふぅ…一安心だ、あのまま敵だったとすれば厄介極まりない。

 

「ちゃんとあなた達にはお詫びしないと行け無いんだけど…

 特に仙波さん、あなたには何度も酷い怪我を…」

「大丈夫だ、私の怪我は即座に治るからな、気にしないで良い。

 それにだ、結果として私はまだ何も失ってないんだ。

 苦労しただけけ。たったそれだけの事だ」

「本当に…申し訳無いわ」

 

謝罪は必要無いと言ったが、気にしてるんだろうな。

気にしない方が辛いか。気になってしまうのが当然なんだ。

 

「環さんも、今までごめんなさい…」

「そ、そんな! もう気にしないでください!」

「気にしない方が難しいんだろうな…当然とも言えるが」

 

全く気にしない方が逆に恐いとも思う。

 

「それで? 私達の邪魔をしに来たわけじゃ無いなら

 何故ここに? 一緒に戦ってくれるのか?」

「えぇ、今、私達はあなた達の仲間と共闘してるわ。

 見滝浜の全員も合流して、今、外で戦ってる」

「外に居たのか…七美達は大丈夫か? 私の親友と妹達だ」

「えぇ、一緒に戦ってくれてるわ」

 

そうか…あの後、目を覚ましたんだな…一安心だ。

それにまどか達も来てるようだし、より安心と言える。

 

「だから、私はまだ外で皆と戦いたい。

 だけど、ここに来たのはマギウスの霊廟とこのうわさを

 私が隔離してしまっているからよ」

「それって…つまり、巴さんだけが解除できるって事ですか?」

「そう言う事よ。だから、私がここに来たの」

 

そう言う事か…本当に協力してくれるようだな。

 

「ここね…魔法が解けたら、すぐにうわさが出て来ます。準備を!」

「はい!」

 

彼女が立ち止まり、少しの間だ意識を集中した後

私達の目の前にあの時の容姿に酷似したうわさが出て来た。

 

「これは…あの時の」

「本体ほどの力も無い残滓よ! そんなに手強くないわ!」

 

力が無いにせよ、動きはどことなくマミに似てるな。

マチェット銃を放ってくる。だが、確かにそうだな。

同時に召喚するマチェット銃の数は少なくなってる。

 

「確かに、大分弱いな」

 

ちょっとした数の弾丸なら、容易に弾ける。

 

「防御は私が請け負います。攻撃はそっちで」

「えぇ、お願いするわね!」

 

今回ばかりは全くと言って良い程に苦戦はしなかった。

この状態のマミと比べれば、雲泥の差としか言えない。

マミの攻撃もあり、確実にうわさの残滓を追い込めた。

 

「今の私はかつての誇りを取り戻した私。

 魔法少女の宿命とも向き合えるようになった私。

 負い目も苦しみもある。

 だけどもう、翻弄されるだけの弱い自分じゃ無くなったと思う。

 だから…さようなら。あなたはもう私には必要無いわ!」

 

大きく怯んだうわさを無数の弾丸が貫く。

何発も攻撃を受けたうわさは、笑いながらゆっくりと倒れ、消滅する。

同時に、眼前の壁が消え去り、何処へ繋がるか分からない道が出来た。

 

「これで先に進めるわ。

 梓さん達がフェントホープのうわさを処理してくれたら

 皆で集まれるはずです」

「分かったわ、ありがとう」

「はい、無事を祈ります」

「巴さんは行かないんですか?」

「えぇ、フェントホープのうわさを倒す方に力を貸すわ

 かなり手強いはずだから」

「分かりました、それじゃあ、よろしくお願いします」

「えぇ、また後で」

 

手強い…のか…かなり強力なうわさ…か。

 

「梨里奈…そっちに行きたいなら」

「……七美の事が気掛かりではあります。

 だけど、あちらには見滝浜の魔法少女達だって居る。

 戦力としては十分でしょう…心配ではありますが

 私はこのまま奥に進むことにします」

「無理しなくて良いのよ? あなたは親友を取り戻す為に

 今まで必死に頑張ってきたんでしょう?」

「えぇ、でも七美は私の親友であり、ライバルですよ。

 七美は強い…それに、仲間が沢山居るんです。

 だから、大丈夫です。そう信じてる。

 

 それに、こっちの方が危険ですからね。

 マギウスとイヴの2連戦は避けれないでしょう。

 戦力は多いに越したことはありませんよ」

「…えぇ、あなたが居れば心強いわ」

「千花さんと妹さん達は私達が必ず守るわ。

 誰も犠牲なんて出させない。

 だから、そっちも犠牲者なんて出さないでね?」

「あぁ、任せてくれ」

 

先に進む…七美の事が気掛かりだが…だが、人の心配をしてる場合じゃ無い。

こっちの方が危険だからな…マギウスとイヴ…さて、この手勢で勝てるか。

……やるしかないだろう。出来る限り早急に始末する。

ワルプルギスの夜も待ってるんだ…消耗してる場合じゃ無いだろうしな。

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