魔法少女の道化師   作:幻想郷のオリオン座

89 / 114
奇跡の危険性

3人にブレスレットを見て貰った訳だが

やはり、かなり膨大なエネルギーがあるらしい。

強大なエネルギー、どうとでも利用できるエネルギー。

平和的な利用方法から、攻撃的な方法まで

莫大なエネルギーというのはあらゆる事柄に使える。

 

例えば石油だとか、そう言うエネルギー資源だ。

さほど膨大では無いにしても

集めれば集めるほどに大きなエネルギーとなる。

 

こう言ったエネルギーというのは誰もが求める物で

あらゆる事柄に需要があると言えるだろう。

その需要が平和的な物ばかりでないのは事実だ。

 

まぁ、多大な力を得れば利用したくなる。

それが人の性なのかもしれないがな。

 

「やっぱり、凄いエネルギーが秘められてるね」

「そうだな……だが、危険と」

「どうしてそう思うワケ?」

「多大なエネルギーなんて争いの種にしかならないからな」

 

まぁ、私も利用しようとしている立場ではあるがな。

平和的な解決をするために、このエネルギーを利用する。

私の思い出はそうだが、さてはて、何処かの誰かはどう思うか。

 

感情というエネルギーはかなり強力な力だ。

だが同時に、危険な物であるという自覚を持たないとな。

……色々と考えて見れば見るほどに、キュウべぇ

奴らの存在がかなり理想的な存在だと思う様になる。

 

感情が無い、高い知能がある生き物。

奴らの目的は自らの延命であり、それ以上は無いだろう。

奇跡を起せるだけの力を得ながら

奴らはそれを宇宙存続という目的の為に利用してる。

 

この感情のエネルギーだってとても便利なエネルギーだ。

私達がキュウべぇの行動に敵対してる理由は

自らがその犠牲になるからであり

自らに刃が突き付けられてるから抵抗してる。

だが、この呪いが解けた後……

 

「……はぁ」

「嬉しい状態だと思うケド、ため息?」

「……そうだな、先の事を考えると頭が痛くなる。

 捕らぬ狸の皮算用といえるのかも知れないが

 その内、辿り着く目的のその先だ。

 便利な力が争いに至ると考えると不安でしょうが無い」

「どう言う事?」

「そのままの意味だよ、大きなエネルギーを持つ宝石。

 もしかしたら、誰かが利用しようと動くかも知れない。

 そう考えると、流れでな……」

「あんたって、相当先を考えて辛そうな顔するヨネ。

 それ、面倒じゃ無いワケ?

 アリナだったら絶対に面倒って感じるケド?」

「……組織には、誰か最悪を考える人物が必要なのさ。

 色々な人間を導こうとするなら、そう言う不安は必須だ。

 悲観的な考えを続ければ、確かに足は進まないが

 

 悲観的な考えをして居れば、最悪の場合に対処する為の

 一手、その一手を即座に行動に移せるんだ。

 最悪の事態には迅速な対応が必要となる。

 

 時間が掛れば掛るほど、最悪の事態は手が付けられなくなる。

 例えば……そうだな、イブの力が暴走でもした場合

 どうやって制御するか、とか、そう言う考えがあれば

 暴走した場合の対処が出来る。

 

 例えば……うーん、そうだなぁ、この宝石が集まったとき

 もしこの宝石の力が強大すぎて制御出来なくなった場合だ。

 イブは確か穢れを集めるんだろう? その穢れを集める速度

 

 この宝石がイブの残骸であるなら、全て集まった際に

 その穢れを溜める速度が爆発的に上昇してしまい

 変換と具現の力が追いつかず、穢れが吹き出るかも知れない」

 

所詮は可能性だけどな、軽く適当に言っただけの事だ。

宝石の強大すぎる力。この宝石が残り7コはあると考えて

その7コが一点に集中した際に暴走する可能性はある。

 

「他にも魔法少女の解放が完了した後の差別問題。

 魔法少女の存在が露見した際の危険性。

 

 このどちらでも危険だから、対策としては

 魔法少女を魔法少女じゃ無い普通の人間に戻す。

 これを迅速に行なわなくてはならないとかな」

「その2つが何処まで危険だと思ってるの-?」

「そうだな、世界的な危機だと思ってる。

 言いすぎかも知れないが、私はそれ位考えてる。

 感情のエネルギーという奇跡を起せるエネルギ-。

 

 魔法少女の存在が世間に認知されてしまうと言うのは

 同時にこのエネルギーまで認知されてしまうと言える。

 便利すぎるエネルギーは争いの種となるだろう。

 

 特に何でも願いを叶える事が出来るだなんて

 誰でも喉から手が出るほどに欲しいだろう?

 そのエネルギーを自分達で制御しようと研究される。

 

 キュウべぇが私達を魔法少女にしてる理由は

 私達位の年齢の女性が

 最も感情のエネルギーが大きいからだったか?

 

 つまり、そのエネルギーが露見した場合

 私達が解剖されるか、研究される。

 あるいは私達と同い年くらいの少女達が

 奇跡を起せるエネルギーを欲する有権者に捕まり

 徹底的に調べられるという危険性だ。

 

 恐らく、後者の方が危険性が高い。

 私達を捕らえるのは大変だろうからな。

 抵抗する力があるのだから……

 

 だが……効率を望むキュウべぇなら……

 あぁ、そうか……だから、キュウべぇは隠してるのか。

 私達魔法少女の存在を、今現在は可能な限り……」

「はぁ? 何で1人で納得しるワケ?」

「あぁ、いや、悪いな、自分で喋ってて

 そうかも知れないと思ったから」

 

弾にこういうことがあるな、色々と考える事で

その考えから、新しい考えへ至る。

 

「まぁ、分かりやすく言うとだな。

 最悪の事態を想定していると、色々と可能性が出てくる。

 そして、色々な可能性を考察した結果、私の結論は

 魔法少女の解放を可能な限り迅速に行ないたい。

 難易度が高いが……

 

 勿論、自動浄化システムの拡大もしたいが

 出来れば、その方法よりも魔法少女を人に戻したい」

「本当に思うけど、君は最悪の事態を想定するのが好きなのかい?」

「好きでは無いさ、嫌な予想が付きまとってくるからな。

 だが、必要だからしてる……あぁ、本当に全く

 七美には頭が上がらない……七美が最悪の事態を考えてた

 

 あの時の言葉が無ければ、私は可能性を想定できてなかった。

 七美のお陰で、色々と可能性を見ることが出来る様になった」

 

この宝石を集めるのは必要な行程だろうが

全て集めきるのは、あまりしない方が良いかも知れない。

この力を使って、魔法少女を人に戻す方法を考えたい。

 

「……でも、梨里奈の言葉のお陰でただ解放するだけじゃ

 問題が残るって事が分かった気がするよ」

「そうか、それは良かった。

 ただ魔法少女を魔女化から救う。

 それだけでは新たな戦争の火種にしかならないからな。

 

 魔法少女を人に戻す方法を考えないと駄目だろう。

 人同士の争いで、人類が滅びかねないしな」

「いや、凄く怖い話ししてない? どう言う事?」

「願いを叶える力が世間に露見するんだぞ?

 有権者達は絶対にその力を欲するだろうし

 恐らく、今の科学力ならいつしか人間達は

 感情エネルギーを解析し、力に出来るかも知れない。

 

 必要な資源は私達と年が近い少女。

 簡単だが、有限な資源である事は変わらない。

 私達と同い年の少女を得る為に争うかも知れない。

 

 そして、利用された少女達は魔女化……

 自動浄化システムが世界に拡大すれば

 ドッペルだが、勿論散々な扱いを受けたわけだし

 最悪の場合、魔法少女と人類の戦争となりかねない。 

 そうなれば……世界は終わるんじゃ無いか?

 

 所詮は想定だが、その可能性がある以上

 出来れば、私達の存在が露見するのは避けたい。

 だから、私はあの襲撃がどうしようも無く恐ろしかった。

 

 まぁ、あのマネキンが従えてたうわさが

 記憶を奪うウワサだったから……何とかなったが。

 実は私達だけじゃ無く、世界的に危険だった。

 

 恐らくキュウべぇが魔法少女の存在を

 可能な限り隠してるのはこの終焉を危惧してだろう。

 私達が滅ぶのは、

 あいつらもあまり好ましくないだろうしな」

「血生臭い想定が好きなんだね。

 でも、妙な説得力がある」

 

この最悪の事態も感情があるからこそと言える。

感情を捨てたキュウべぇ達は実に正しい判断だった。

そう考えてしまうほどに、感情と言うのは危険だ。

 

やはりイブに頼らない方法を考える方が良いかもな。

だが、イブのエネルギーは利用したいところだ。

キュウべぇが築いてきた歴史を覆すためには

やはり生半可なエネルギーではとても足りないからな。

 

……考えるとしよう、これまで通りに必死に。

今の私には、自分以外の誰かの事を考える。

そんな幸せな人間にのみ存在する余裕があるんだ。

だから、私達がやらないとな。

 

魔女化の恐れが無く、余裕のある私達が。

魔女達を滅ぼし、魔女化を全て無くし

全ての魔法少女達を元の人間に戻す方法。

そんな奇跡を起すための可能性を作る。

それは、私達にしか出来ない事だからな。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。