魔法少女の道化師   作:幻想郷のオリオン座

96 / 114
今後の万々歳

ユニオンの状況は軽く分かった。

だが、今は万々歳で大忙しだ。

テレビ放送からしばらく経ったから

いくらかは落ち着いてきたがな。

 

お陰で、いくらか準備することが出来た。

今回は売り上げを把握するために

そう言ったプログラムを用意した。

 

簡単に作った表だから機能は多彩ではないが

最低限の機能は用意できたと思う。

 

「では、こちらを」

「ありがとうね、何から何まで」

「いえ、お気になさらず」

 

私1人が書いたメモ帳で全てを把握というのは

まず間違いなく困難だからな。

今回のプログラムは私が居なくても

どの商品が人気かが分かりやすい様にした。

 

慣れないことだから少し苦労したが

売り上げを確認した際に

売れてる商品が上の方に来るようになってる。

ランキング形式に常時変動するようにした。

 

売れた数と大盛りやそう言った細かい部分。

人気のトッピング等も分かるようにして

入力した曜日や時間等を統括して

何処の時間帯に多いかも分かるように

なんとかプログラムを組み立てることに成功した。

正直、時間が掛ったが必要な事だからな。

 

「このプログラムの入力方法ですが

 まずはこちらに売れた商品を入力して下さい。

 商品はそれぞれ番号で管理するようにしてます。

 

 ラーメンは1、炒飯は2とかですね。

 トッピングなどがあった場合はアルファベット。

 ラーメンのネギトッピング等は1nと記入して下さい。

 nは大文字でも小文字でも大丈夫です。

 

 で、このリストにどの商品がどの番号か書いてますので

 それぞれの番号を売れた商品と書かれてる場所に記入です。

 

 このリストの場所をクリックしても入力されるように

 プログラムしてますので、困ったときはリストから

 トッピングもある場合はトッピングのリストと

 商品のリストをそれぞれクリックして下さい」

「う、うん、分かったよ……覚えられるかなぁ」

「おう! さっぱり分からねぇぜ!」

「入力担当は基本的にレジの人がして欲しい。

 私が居る場合は全て私がやるから

 入力とかはあまり気にしないで大丈夫だ」

「おう!」

 

もし万々歳がチェーン店とかだったら

ここから更にインターネットに繋げて

全ての情報を管理する場所を用意する必要もあるのか。

全くプログラムというのは大変だ。

 

とは言え、便利になるからな。

必要な事だと言えるだろう。

 

「で、新規のお客様が来た場合は

 この入力の隣にある四角を選んで欲しい。

 ここをクリックするとチェックマークが出るから

 出たのを確認したら、商品の番号を入力して

 最後に1番下のボタン、確認と書いてる所をクリックだ」

「ここだね!」

「ここを押すと最終確認の項目が出てくるから

 OKを押してくれれば、それで登録される」

「わ、分かりました…」」

「なんか、やる分には楽そうね」

「それは当然だよ、楽をするためにあるんだから

 こう言うプログラムって。作るのは大変だけど」

「あんた、詳しいわけ?」

「まぁ、少しだけね。流石にこのプログラムは組めないけど…」

 

七美もプログラムにいくらか興味があったらしい。

その話は聞かなかったから驚いた。

 

「情報のバックアップは2週間に1度する。

 バックアップのデータは3つ用意する。

 1つは万々歳保管、1つは私が保管、1つはみかづき荘に

 それぞれバックアップデータを配置。

 

 バックアップの作業とかは

 基本的には私がするから、データ破損等があれば

 私に言ってくれ」

「分かったよ!」

「これ、本格的に思うんだけど……

 梨里奈居なくなったらヤバくない?」

「あぁ、絶対に大変だね」

「大丈夫だ、引き継ぎはしやすいようにしてる。

 データも残ってるし、操作方法のメモも

 バックアップの方法もプログラムの内容も

 全てメモに取って、誰でも見られる様にしてる。

 売り上げのパターン次第で仕入れをでどうするかも

 現段階で仮ではあるが組んでるからな。

 私に何かあろうと、いくらでもカバー出来る」

「用意周到すぎるわ!」

「私としては、梨里奈ちゃんに何かあろうとって所。

 そこがすごーく嫌な響きなんだけど?」

「例え話だよ」

 

魔法少女として活動してる以上何があるか分からない。

だから、最悪の事態を想定して色々と準備をしてる。

重要な部分だからな、ここは。

 

「ただ売り上げの保管場所などは流石に用意できません。

 なので、そこは全て万々歳でお願いします」

「あぁ、それは勿論だよ」

「口座等は複数に分けて保管する方がおすすめです。

 1つは基本的に万々歳で使う運用口座。

 1つは最悪の場合に立て直せる様にバックアップの口座。

 1つは老後の備えなどの為に用意する定期口座。

 1つは資金運営を行なう為の口座です。

 別けてるとは思いますが、念の為にお伝えします。

 

 本当はもっと必要な気もしますけど

 流石に資金運営などはお店を経営されている

 親父さんの方が詳しいと思いますので

 これ以上、口を挟まないようにします」

「心配してくれてありがとうね、大丈夫だよ」

 

ちょっと、いや、かなり失礼な気もしたが

やっぱり嫌な事を想定してしまう私の悪い部分だ。

もしかしたら、親父さんを怒らせたかもしれないが

どうしても、お節介になってしまう。

 

「では、今後の経営方針などを話し合いましょう」

「そう言えば、それが集まった理由だったわね」

「梨里奈ちゃんが用意して来たお話しがすごかったしね」

「て言うかさ、あたしら、何か言えることある?」

「まぁ、大体梨里奈が全部話すからね。

 て言うか、経営とか学生で分かるわけ無いって」

「結構重要な話だから、皆の耳に入れて欲しくてな。

 皆は私と親父さんの話を聞いてくれるだけで良い。

 もし気になる事とかがあれば質問とかをしてくれ」

「ま、まぁ、それで良いなら」

 

実際、普通はここまで詳しいわけが無いからな。

私は色々と調べてるから特殊なだけだ。

 

「では、親父さん」

「あぁ、そうだね。

 皆、まずは万々歳の為に頑張ってくれて

 本当にありがとう。忙しい時期も終わってきたし

 そろそろ、皆も本業の勉強に

 励むことが出来る様になったね。

 

 勉強はとても大事だから、

 しっかりとするんだよ?

 あまりバイトで無理をして、

 勉強を疎かにしたら

 将来、後悔するかも知れないからね?

 今のうちに、しっかりとやるんだよ?」

「あ、はい……」

 

流石は親父さん、私達の心配をしてくれてる。

……何となく予想通りだった。

本当にこの人は優しいからな。

 

「じゃあ、おじさんから伝えたい事はこれ位かな。

 梨里奈ちゃんは何かあるんだよね?」

「えぇ、しっかりと伝えたい事があります。

 まず1つ、今現在、私達は第2波が落ち着いて来た。

 皆のお陰で、3番目に重要な場所を越えることが出来た」

「え!? 3番目!?」

「勿論、全てが重要なのは間違いないが

 その中でも最重要で重要な場面の2番目だからな。

 まだまだ、万々歳にとって1番大事な場面は来てない」

「ま、まだ何かあるってのか!?」

「勿論だ、だが第2波と比べれば忙しくは無いだろ。

 だからといって、油断してはいけない。

 それは、第3波が来るからだ」

「えぇ!?」

 

全員が驚いた……まぁ、忙しくは無いが重要だ。

 

「今、宣伝のお陰で3つの波が来たと言える。

 1つは最初にお客様が増えた宣伝の部分。

 ここは2番目に重要な部分だったと言える。

 

 ここを成功させることが出来たから

 第2波という、結構重要な局面が出来たし

 第3波と言う、最重要な局面が生じる条件が揃った。

 

 第2波はテレビの宣伝効果でお客様が来たこと。

 ここは3番目に重要な局面ではあった。

 

 だが、万々歳の目指す目標の中では

 3番目に重要な場面。

 1番忙しかったのは間違いないが

 1番重要な場面では無かったと言える。

 

 何故なら、第2波で来たお客様の殆どが

 テレビに出た物珍しさで来たお客様だからだ。

 勿論、そのお客様達を無下にして良いわけでは無い。

 だが、最終的な成長にそこまで大きな影響はない。

 

 重要なのは第3波、これから来るであろう

 さざ波のように微かな波が重要になる」

 

ここが最も重要な部分なのは間違いないだろう。

ここでいかに万々歳の魅力を生かせるかが重要だ。

 

「第3波のお客様は非常に常連客になってくれやすい。

 理由はシンプルだ、万々歳のお客様が減ったから。

 

 この第3波で来てくれるであろう新規のお客様は

 テレビで万々歳が取り上げられ、興味は出たが

 人が多いから、人が減ったら行ってみようと 

 そう考えているお客様が多いからだ。

 そう言うお客様が何処で多いか分かるか? レナ」

「え!? レナ!?

 そ、そんなの分かるわけ無いでしょ!」

「わ、私も…」

「あたしもいまいちイメージ出来ないね」

「同じく……てか、難しい話ばかりだこれ」

「俺もさっぱりだぜ…」

「そう言う事か!」

 

メンバーの中で鶴乃だけが大きく反応した。

恐らく、鶴乃だけが分かったのだろう。

鶴乃はかなり頭が良いからな。

 

「え!? 分かったの!? どう言う事なの?」

「ふっふっふ、テレビのブームが去った後に来る人。

 遠くの人達はブームが去ったのにわざわざ来ない。

 来る人も居るかも知れないけど、来ない人の方が多い」

「そうだ、特に万々歳が受けた理由は50点という部分。

 何処にでもありそうで、ここでしか食べられない味。

 過剰に美味しいからお客様が来たと言うわけでは無い」

「そう、だから、より遠くの人は来ないと思う。

 でも、わざわざ来てくれる新規のお客様。

 それは、万々歳のご近所に住んでる人!」

「その通りだ!」

「あ! た、確かに!」

 

そう、ここが非常に重要な部分だ。

近所に居る人は当然、常連さんになってくれやすい。

 

「つまり、この大きな波が去った後に来てくれる

 お客様は数は少ないとしても将来的な収益。

 つまり、常連客になってくれる可能性が

 非常に高いお客様達が多く来られるタイミングだ。

 

 万々歳が目指す所は毎日食べても飽きない料理店。

 その料理店が長く繁盛するには常連客が必要なんだ。

 もしも出勤の合間に食べていこうと思う人が出来れば

 もし仕事終わりに寄ろうと思ってくれる人が出来れば

 

 万々歳の毎日の収益は確実に増えていくんだ。

 更にその常連客達の間に妙な親近感が湧いてくれれば

 常連のお客様達は仲良くなり、

 万々歳から離れにくくなる。

 

 その状態に至るまでに必要なのは

 店員が親しみやすいかどうか。

 店員が親しみやすければ来やすいからな。

 

 毎日来ても、笑顔で対応してくれる店員達。

 料理の味も飽きにくいし、また明日も来ようと。

 毎日そう思って貰えれば、常連客達の間にも

 親近感や親しみ等が生まれ、店員が変わったとしても

 毎日の様に来てくれるようになる。

 店員では無く、同じ常連仲間に会うためにな。

 

 だからこそ、この第3波は万々歳においては

 最も重要な部分となる。客足が減って来たからと

 油断してはチャンスを逃がすことになる。

 だから、ここから3ヶ月、油断しないで行こう!

 笑顔を忘れず、元気に返事、会話もしていこうな!」

 

ここが重要な場面だからな。

将来的に繁盛していくためにも重要な場所だ。

最低限でも3ヶ月、ヘマをしない様にしないとな。

 

「いやぁ、すごく考えてるね…流石梨里奈ちゃん」

「れ、レナ、会話とか苦手なんだけど…」

「わ、私もそんなに得意じゃないかも…」

「なら、この機会に得意になるのも良い。

 交流は大事だからな」

「でも、重要な場面でわざわざ無理させる必要も無いよ。

 常連のお客様達が馴染んでから会話の練習でも

 十分上手く行くと思うからさ。

 裏方はしばらくの間だ、レナちゃんとかえでちゃん。

 そして、接客は梨里奈ちゃんやももこちゃん

 鶴乃ちゃんやフェリシアちゃんに任せるとか」

「そうだな、少しの間はそうすると良いかもな。

 親父さん、どうですか?」

「あぁ、構わないよ。忙しい時は梨里奈ちゃんが

 一緒に居てくれた方が心強いが

 今は大きな波も終わったわけだしね。

 梨里奈ちゃんの話が本当なら、

 しばらくは大丈夫だよ」

「ありがとうございます」

「よーし! 頑張ろー!」

「オー!」

「はぁ、なんでレナ、バイトなんて……

 まぁいいや、少しは楽しいし……」

「レナ、頑張ろうね」

「私も頑張るよ、レナちゃん!」

「ふん! 当然よ!」

 

ふふ、レナにも良い刺激になるかも知れないな。

全員で何かを成し遂げる経験。

それはきっと、人を大きく成長させる。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。