魔法少女の道化師   作:幻想郷のオリオン座

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対策を考えて

他の地域に居る魔法少女達の襲撃。

私はなんの問題も無く撃退出来たが

流石に全ての魔法少女に可能では無い。

 

あの連中に対抗出来る魔法少女は

結構少ないんじゃ無いかと予想する。

あの推定、プロミスブラッドは

相手を躊躇いなく殺せそうな雰囲気があった。

 

殺気もしっかりあったし、修羅場も潜ってる。

となると、対魔法少女に強い可能性がある。

 

ユニオンで対魔法少女に強い魔法少女は

マギウスと正面から戦ってた私達と

私達と戦ってたマギウス所属の幹部クラスだ。

 

他の魔法少女達は対魔法少女戦よりも

対魔女に強いはずだしな。

そもそも、魔法少女同士で争うのは

よっぽどの状態だろうからな。

 

「……」

「梨里奈ちゃん、どうしたの?」

「いや、魔法少女に強い敵対組織が出て来た今

 ユニオンをどうするべきか考えてな。

 あんな連中と私達以外が交戦した場合

 最悪、死人が出るぞ?」

「そうだよね……殺意凄かったし」

 

お互いに戦うための条件を作るべきか?

しかし、あそこまで殺意に溢れた連中だ。

私達が条件を持ちかけたとして

その条件を呑むとも思えない。

 

私達は魔法少女同士の殺し合いは望まないが

さて、奴らはどうかという感じだ。

あそこまで殺意に溢れた瞳をしてた連中。

既に何人か殺し手そうな雰囲気さえある。

 

そんな連中が私達のぬるい争いを受入れるか?

いや、恐らく受入れないだろう。

強力な力が介入しない限りは……

 

「……一瞬で潰す…いや、駄目だな。

 将来的に考えても、あまり良くは無い。

 力での制圧は容易だが……次に繋がらない」

「当たり前の様に潰せるって言ってるね」

「まぁ、戦った感じであれば」

「幹部っぽい子2人と30人相手に8秒だしね」

「だが、武力制圧だとチャンスを生かせない」

 

しかし、放置すれば人死にが出てしまう可能性がある。

もしかしたら、既に殺されてる

魔法少女が居るかも知れない。

 

その状況を放置して次に繋げたとしても

犠牲を出すことを良しとしてるだけだ。

悩ましい状況としか言えない。

 

「……仕方ない、出来ればやりたくないが」

「何かするの?」

「……マギウスに協力して貰う」

「え?」

 

今、この状況で犠牲を避けるにはそれしか無い。

思い立ったが吉日、私は即座に行動した。

 

「やぁ、今日はどうしたの?」

「梨里奈が来るのはもう慣れてるけどね~」

「今日も一緒にエキサイティングとか?」

「いや、今日は将来的な話や

 絵を書きに来たわけじゃ無い。

 現在進行してる問題の話だ」

「プロミスブラッドやネオマギウスの事?」

「そうだ、今回は少しだけ

 心苦しいお願いをしに来た」

「何かな? 今更協力は惜しまないよ」

 

ねむには本当に悪いとは思う。

だが、現状で被害を抑えるにはこの手しかない。

とにかく出来るかどうかを聞くしか出来ない。

 

「……プロミスブラッドが厄介なのは

 当然、ユニオンの管理をしてる

 3人は知ってるだろう?

 

 私達なら大した相手では無いだろうが

 あそこまで神浜の魔法少女に殺意を持つ連中。

 問題はもはや、ユニオンだけでは無いだろう。

 この神浜に住む魔法少女、全員の問題だ」

「まぁね、実際僕達もそう思ってるよ」

「だが同時に……これは、チャンスでもある」

「そうだよね」

 

他の町に住んでる魔法少女達が神浜に来てる。

この状況は今の私達からしてみれば

中々に良い展開とも言える。

 

私達が目指す、感情の力を繋げて

大きなエネルギーを作り出す計画。

その計画を実行するためにも魔法少女は多い方が良い。

 

「多くの魔法少女が神浜に集えば集うほど

 私達が目指す、第2の目標が近付くからね」

「あぁ、私達が動けば壊滅させるのは容易だが

 武力による短期決戦はあまり良くは無い。

 なんとか協力して貰える様に説得したい」

「あんなクレイジーな奴ら、

 説得とか無意味だと思うんですケド?」

「奴らを突き動かしてるのは恐らくは怒りだ。

 怒りか復讐か、どっちかまでは分からない。

 もしかしたら両方かも知れない。

 だが、いろは達なら説得できるかも知れない」

「確かにお姉様なら……」

 

いろはの奴は本当に芯がしっかりしてるからな。

もしかしたら、プロミスブラッドの連中とぶつかり

お互いに心を通わすことが出来るかも知れない。

 

あの馬鹿正直な精神こそ、いろは最大の強み。

目標の為にひたすらに真っ直ぐ進めるのがいろはだ。

あの信念の強さなら、怒りか復讐に塗りつぶされてる

プロミスブラッドの連中を照らせるかも知れない。

 

「だが、説得が成功するまで時間が掛るだろう。

 その時間が掛ってる間に被害が出るかも知れない」

「うん、何が言いたいかは分かってきたよ。

 君が凄く申し訳なさそうなのも分かる」

「……すまない、ねむ。出来る範囲で良い。

 相手を殺めることが出来なくなる。

 そんなウワサを用意してくれないか?

 

 勿論、絶交階段や口寄せ神社の様に

 相手を不幸にしたり、条件が揃ったら

 即座に相手を無力化出来るウワサじゃ無くて良い。

 

 強い殺意を感知したら周囲に知らせるような

 そんなウワサでも構わない。

 とにかく誰かが殺されるリスクを抑える事が出来る

 そんなウワサを神浜に広げる事が出来れば

 プロミスブラッドも下手に殺そうとはしないはずだ」

 

ウワサを作るのはねむの寿命を削りかねない。

だから、出来ればウワサに頼らないようにしたかった。

しかし、このままだと、私達が取れる選択は殲滅のみだ。

次にプロミスブラッドが出てきた時に全てを制圧し

武力による追放しか出来なくなってしまう。

 

それでは駄目だ、奴らが感じてる理不尽が解消されない。

だが、ルールの上で私達と戦ってる間に

ユニオンの魔法少女達の目標がドッペル独占では無く

ドッペルを世界に広めることだと理解して貰えれば。

協力して貰える可能性だって出来る。

 

しかし、このままだと犠牲が出てしまうリスクがある。

だが、お互いが納得出来るルールの上で

お互い戦うことが出来れば

戦いの間に説得できる可能性が出来る。

 

「そして、ルールを制定して、その上で戦う。

 魔法少女同士を殺すのはルール違反であり

 ルールを破った場合、ペナルティを用意する」

「そのペナルティって何?」

「それは全組織で話し合おう。

 ユニオン、プロミス、ネオマギウス。

 この3組織全員で協議し、どんなペナルティを出すか」

 

そうしないと、お互いに不平不満が生まれる。

その状態では説得も難しくなるからな。

どんな形で争うかも話し合う必要もあるが

現状であれば、宝石の争奪戦になるだろうな。

 

「なる程ね、あくまでルールの上で戦おうと。

 で、そのルール違反を感知するために

 そう言うウワサを用意しようって事だね」

「そうだ、ただ規模が規模だ。

 ねむに負担をかけてしまう。

 だから、厳しいと思ったら言ってくれ。

 その場合、代案を私が考える」

「大丈夫だよ、まだまだそれ位の余力はある。

 ただ、あまり攻撃的なウワサは出せない。

 僕が用意できるウワサでかなり負担が少ない規模で

 ウワサを用意しようと思うけど、良い?」

「あぁ、自分の体を第1に考えて欲しい。

 その上で大丈夫だと判断したウワサで大丈夫だ。

 補助が必要なウワサでも私が補助に回るから

 本当に体を第1に考えてくれ」

 

ねむは体が悪いし、マギウスとして活動してる間に

かなり無理をしてただろうしな。

下手に大規模なウワサを用意となると

ねむの負荷が不安だ。

 

「心配性だなぁ、梨里奈は」

「私も心配なんだよね、負荷とか」

「大丈夫だよ」

「アリナの協力が必要なら協力するケド?

 アリナの結界はパーフェクトな魔法だしネ。

 隔離とか出来れば、大分ペナルティだよネ」

「大丈夫、2人にも協力して貰うよ」

「勿論、私も全力で協力する。

 何かあったら、すぐに言って欲しい。

 そうだ、忘れてた。これが連絡先だ」

 

ずっと色々と考えてて忘れてたな。

私達はまだ連絡先を交換してないし。

 

「ふふ、大分今更だね」

「なんで交換してなかったか不思議だよねー」

「忘れてたとしか言えないな。

 どう行動すれば魔法少女達を救えるかとか

 七美達にどんな勉強を教えてやろうかとか

 七美達にどんな料理を教えてやろうかとか

 どうすれば万々歳を繁盛させられるかとか

 ユニオンを上手く動かすにはどうするとか」

「たまには自分の事も考えれば良いのに~」

「そんな余裕は無いからな。

 前以上に遊びに割く余裕が無い。

 犠牲を減らすにはやるしかない」

「……たまにはガス抜きするべきだと思うよ?

 ひたすらに考えて良い案が浮かばなくても

 少しだけ遊べば閃いたりもするんだ。

 

 天啓というのは

 どんな状況で舞い降りるか分からないんだ。

 時に遊ぶ事も新しい見識広げる為には必要だ」

「そうは言われてもな」

「まぁ、連絡先は登録しておくよ。

 あ、僕達の連絡先も教えよう」

 

ようやく私達は連絡先を交換した。

これで、何かあったら連絡できる。

 

「ありがとう、何かあれば言ってくれ。

 ウワサの件も何かあれば教えて欲しい。

 ……本当に申し訳無い」

「僕らは僕らに出来る事をするまでだよ。

 それが、僕らがすべき罪滅ぼしだ」

「うんうん、梨里奈が気にすることじゃないよ?

 そもそも、本来、梨里奈はユニオンの問題に

 あまり干渉しない予定だったのに

 巻き込んじゃった私達の方が悪いし」

「結局頼って情け無いって感じなんだよネ」

「私は自分から勝手に首を突っ込んだだけだ。

 ……やっぱり私は傍観者には向かないかもな」

「そんなの、今までの行動を見てたら分かるよ」

「はは、そうだな」

 

結局、私の本質はそう言う事なんだろうな。

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