魔法少女の道化師   作:幻想郷のオリオン座

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ふとした閃き

ルールの設定というのは重要だ。

魔法少女同士の殺し合い。

今のままだと、このパターンが発生する。

主にプロミスブラッドが危険だ。

 

魔法少女同士を殺す事に躊躇いが無い。

既に何人も殺めて居るであろう存在だ。

無論、私達は彼女達を否定する。

 

だが、彼女達と同じ境遇に

私達がいた場合、どうなるかは分からない。

とは言え、私はあまり変わらないと思うがな。

 

私はそう言う存在だからな。

両親は私が誰かを殺す事を求めないだろう。

私の両親は確かに私に自分達の夢を押付けた。

だが、私は決して愛されてなかった訳では無い。

それ位は知って居る。

 

それに七美も居たんだ。

私は両親と七美のどちらかが居る限り

今の私と大きく変わることは無いだろう。

 

そもそも、両親が別の場合であれば

私はここまで強くはなってないだろうし

私は周囲の期待に応え続けようとはしてない。

 

「ルール……うーむ」

 

もしもの場合を考えながら

私はルールの想定をしてみる。

ルールの中心となるのは恐らくキモチだ。

 

この宝石を奪い合うという形のルールになる。

あれらを撃破し、このブレスレットを完成させる。

とは言え、このブレスレットの謎も不明だ。

 

いろは達があいつらを撃破した際に

何故、いろはにこのブレスレットが着いたのか。

私の場合は単騎で撃破したからな。

撃破した場合、宝石になるのは分かる。

 

恐らくは近くに居た魔法少女に取り付く。

……もしくは、トドメを刺した奴か。

後者の方が可能性は高いだろうな。

 

いろはの攻撃は相手にトドメを刺すことが多い。

リーダーという扱いだし

いろはは結構戦いのセンスもある。

やちよさんとの連携もかなり良いしな。

 

……そう言えば、ふと思った。

私と七美はあまり連携をしてないような……

と言うか、連携して戦ったことあったか?

 

「梨里奈ちゃん? どうしたの?」

「いや、なんでも無い」

「うーん、ルールの事を考えてると思ったけど

 私の方を見たって事は、私が協力する方法で

 何かのルールを思い付いたとか?」

「いや、そう言うわけじゃ無いんだ。

 ただ、考え事をしてる間にふとな

 私と七美って連携してないかもと思って」

「……そう言えばしてないね。

 大体、梨里奈ちゃんが圧倒してるし。

 そりゃあ、私も相手の足止めとかはしてるけど

 魔法で協力とかはあまりしてなかったかも?」

「そりゃそうでしょ、連携しなくても

 お姉ちゃん達、相手を圧倒してるし」

「り、梨里奈さんだけで、ぜ、全部倒せるし…」

「連携攻撃とか考えよう、その内」

「そうだね、連携技って格好いいしね!」

 

七美がかなりの笑顔で連携技を了承してくれた。

そう、七美は意外とこう言うのが好きだったりする。

七美は結構なゲーム好きだったりするからな。

体が弱く、あまり外で遊べなかった七美が

ゲームを好きになるのは当然だろう。

 

七美とゲームで戦って

私は1度だって勝てたことが無かったりする。

まぁ、私は周囲の期待に応えようとするタイプだ。

当然、周囲は私がゲームをやり込んでる事を

期待なんかはしないだろうからな。

 

「まぁ、連係攻撃よりも今はルールだけど。

 と言うか、連係攻撃は大体想定したし」

「速くないか!?」

「そりゃそうだよ~、こう言うのは私の得意分野!」

「ど、どんな感じなの?」

「これだけだよ」

 

そう言って、七美はちょっとだけ魔法少女に変身。

そして、周囲に糸を繋いだ……だけだった。

 

「はい、これ」

「え? どう言う事? 七美お姉ちゃん」

「なる程、確かにこれは強力な連携だ」

「え!? どう言う事なのさ!」

 

単純だが、非常に強力な連携になるだろう。

七美の糸の魔法は刃で切断できる。

要は実体は存在しているというわけだ。

今まではやってこなかったが

七美の糸の強度は並の魔法少女であれば

引きちぎれないほどの強度だったりする。

 

何本も同時に繋げば魔女の動きさえ押さえられる。

それだけ、強度がある糸だ。

ならば、足場にすることだって出来る。

 

次に私だが、私は地上戦では確かに圧倒的に強い。

圧倒的な移動速度に圧倒的な格闘術や接近術。

異常な程の回避能力等

それらを利用した高速戦闘が私の戦い方だ。

 

とは言え、私は自分に関連する事を

強化することしか出来ず

空を飛べるわけでは無い。

だが、足場さえあれば空中でも戦える。

 

「簡単に言えば、

 梨里奈ちゃんがより強くなる方法だね」

「え……?」

「覚えてるか? 私と七美が戦ってたときだ。

 そう、マギウスが仕掛けた罠の時だな」

「あぁ、確かお姉ちゃんとマミが

 梨里奈さんと同時に戦ってた時の?

「あの時の梨里奈ちゃん、凄かったでしょ?」

「いや、梨里奈さんはどんな時でも凄いけど?

 と言うか、どんな時でも

 私はあまり目で追えてない」

「……それもそうだね、見えるわけ無いか」

「お姉ちゃんは戦ってなかったっけ……」

「それはお前もだろ?」

「ぜ、全部ドッペル頼りだったし…

 あ、そうだ、梨里奈のドッペルってなんなの?」

「いきなり話を変えるのはどうなの?」

「だ、だって、気になって…」

「私はドッペルを使ったことは無いぞ」

「ドッペルいらないだろうしね、梨里奈ちゃん」

 

とは言え、ドッペルは強力な能力だしな。

イブの影響で使えてるとは言え効果は絶大。

恐らく、魔女となった場合の力に近いだろう。

 

ドッペルの姿は

その魔法少女が魔女となった場合に近い容姿。

弥栄はいくつもの手が出て来て

久美は鎖の様な魔女になる。

で、七美は……ドッペルが魔女の力の一部なら

七美が魔女になった場合、誰も倒せないんじゃ?

 

「え? な、なんで私をまた見たわけ?」

「いや、ドッペルが

 もしも魔女になった場合の能力を

 一部行使出来るのだと仮定した場合

 七美が魔女になったら

 誰も勝てそうに無いと思って」

「え? なんで? 絶対に梨里奈ちゃんの方が…

 いや、止めよう、この話。

 あの時の夢がちょっとフラッシュバックした」

「……わ、私もだな」

 

あの夢は本当になんだったんだろうな。

ただの悪夢にしては、同時に同じ様な夢だし。

……はぁ、変な事を考えてる場合じゃ無い。

 

「ま、まぁとにかくだよ、話を1つ戻すと。

 この状態であれば、梨里奈ちゃんが

 どんな状況でも立体的に動いて戦えるんだ。

 つまりは平地だろうと、梨里奈ちゃんが

 全方位から攻撃してくるから

 普通の魔法少女じゃ、対応出来ないよね」

「あ、そう言えば連携の話だったね。

 でも、そうか、梨里奈お姉ちゃん

 凄く強くなるって事なんだね」

「元々強いけどね。

 より対応出来なくなると思うよ」

「実戦で使うかは分からないけどな」

「まぁね、梨里奈ちゃんがわざわざ

 私と連携して戦わないと駄目なほどに

 強力な相手って、それ、かなりレアだろうし」

 

 

実際、生半可な魔女じゃ相手にはならないからな。

ワルプルギスの夜レベルじゃないと。

……いや、どうだ? ワルプルギスの夜で

限界突破を行使しすぎた結果の私は

何処まで強いか、さっぱり分からない。

 

「……あ」

「え?」

 

 

ふと思い浮かんだ……魔力の限界突破。

何度か行使しようとしたが

反動が分からないからやらなかった。

 

とは言え、今のうちに試しておいた方が…

今後の事を考えてみると必要な事だし。

 

「……七美、グリーフシードってあるか?」

「あるよ」

「じゃあ、ちょっと試したいんだが

 私がこれから魔力の限界突破を試す」

「え!? なんでいきなり!?」

「今後の事を考えて試しておきたくてな。

 ルールを制定した後じゃ試せないからな。

 今のうちに試して、実験しようと思って。

 

 魔力の限界突破をして

 私のソウルジェムが濁ったら

 すぐにグリーフシードを使って欲しい」

「……駄目」

「お願いだ、試させてくれ」

「危ないって分かってるんでしょ?

 だったら、駄目に決ってる!」

「魔法少女達を救う為にも

 何処かで試しておきたいんだ」

「……」

 

七美がかなり考え込んでる。

いつも通りの会話から

こんな空気になってしまったのは申し訳無いが

何処かで試さなければならないことでもある。

 

「……わ、分かった、分かったよ。

 確かにここで駄目だって言って

 梨里奈ちゃんが私が知らない場所で

 勝手に試しちゃったら恐いから」

「し、信頼が無いな…」

「梨里奈ちゃんはすぐに無理をするから。

 じゃあ、ちょっとだけ戻ろう。

 マギウス達の前でね。

 マギウス達が居れば

 厄介があっても対処出来るかもだし」

「わ、分かった」

 

この条件を飲まなかったら多分受入れてくれない。

だから、ここは大人しく引こう。

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