ケイン「ばーちゃんが言ってたぜ?女を泣かせる奴は最低だっ、てな!」(旧Ver)   作:Fry-Hopper

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SS投稿速報のリメイク品(Fry-Hopper)


カテゴリ 【ロストユニバース】 【艦隊これくしょん】 【艦これ】

作品要素 【コメディ】 【シリアス】 【ミステリー】 【SF】 【ロボット・AI】

警告タグ 【ネタバレ】 【クロスオーバー】 【グロテスク描写】

対象年齢 【R-15】(戦争物の為)



08 ようこそ“地球へ”

「ばーちゃん」ベットの中をもぞもぞと動く。顔を近づけてじっくりと見てみる。なるほど、ちょっと女の子みたいデスね。

 

「ばーちゃんじゃないデスよ」

 

頬を膨らます。様子をのぞき込んでいたら、ばーちゃんにされた。確かに彼女が現れてから随分と年月は経過しているが、自分では容姿共に永遠の20歳を主張している。

 

「でも許すネ」頭を抱きかかえた。「つらかったノ?」

 

――泣いているから。

 

「んが?」息苦しくなって目が覚めた。大きな胸に挟まれているようだ。「キャナルか?」きつく抱き着かれていてもがもがと動く。何故かこんな経験が何度かあった。

 

「私は金剛です」腕を離して顔をのぞき込んでくる。そういえば昨日からここに来ていたのか。

 

「朝食の用意をしましたので。食べられますか?」

 

彼女はベッドのサイドテーブルに置いた。

 

「こちらはベーコンエッグとビーンズです」金剛はにこやかに言った。

 

「提督を呼んで来ますので、食べながらでも待っていてくださいね」パタパタと部屋を出ていく。彼女は流暢に共通語を話すようだ。

 

「んん?」なんだかよくわからないが、ハッとなり、腰に手をやる。ベルトにつけていたが?当然といえば当然か。ここは軍事施設だしなと頬を指で掻きながら思う。

 

室内を見回すと近くの小さなテーブル台にそれらは乗っていた。

 

「なんだ不用心だな」サイブレードもコンバーターもある。

 

ついでに、鏡台には増幅用バンダナも。

ノックの音がする。

 

「ようこそ、チューク諸島鎮守府へ、ケインさん」

 

彼は軍人だろう。そのような服を着ている。ただ何を言っているかがわからない。そういえば、翻訳機は山城が持っているのかな。金剛は共通語を話していたが。

 

「ヤマシロ?」さっきの金剛が戻るまで待つか?

 

「こちらですか?」提督は、翻訳機カッコカリを手渡した。

 

爆発の危険がないか、念のため工廠で調べてもらっていた。どう見ても、古い電卓にしか見えない物だ。受け取ると、彼は照れたようにお礼の挨拶をしながら機械を操作し始めた。

 

「あーあー。通じるかな?」ポチポチと電卓をいじっている。

 

なるほど、翻訳できている。

宇宙船があることは信じた。

だが、エージェントではない保証もなかったから。

カマをかけてみたが杞憂だったか。

 

「ようこそ地球へ。ケインさん」

 

確信を持った。

普通なら、あんなものが翻訳機であるはずもない。

妖精さんも電卓としてつかっていたし。

 

「地球?」まだ翻訳機の調子が悪いのか。

 

「この星を我々はそう呼んでいます!」笑顔の内面すごく緊張している。

 

俺こそが人類初の地球外生命体と接触した。

そうに違いない!

しかも、人型、会話もできる!

YATTA! YATTA!

緊張のあまり、しゃべることがグルグルしている。

 

「ここは地球です!」

 

「ガブッ!」騒ぎを聞きつけ、廊下をうろうろと“遊泳”していた駆逐艦娘に首をかみつかれた。「早く話せ!クソ提督!」首筋をがぶがぶしている。

 

「こちらが地球のピラニアです、よく噛みつきます!」顔を引きつらせながらにこやかに言う。

 

「クソが!」移動して肩をがぶがぶ。

 

「あっ!曙!なにしてるんですか!」眼鏡の女性がすごい顔で走ってくる。何故か目が光ってる。

 

「あっ!」クソ眼鏡に見つかった!やばい。

 

次の瞬間。

パンチが飛んできた。

曙も飛んだ。

1Mくらい。

 

そのまま、壁に叩きつけられる。「ケプッ」

 

「あーーーーーー!」数秒遅れて肩に激痛が走る。

 

パンチの瞬間に肩をがぶがぶしていたから、歯が食い込んでいたらしい。

 

「なんですか肩の一つや二つくらい。騒々しい。しっしっ、しっしっ」

 

眼鏡の奴がシャドーボクシングをしてる。獲物が足りないようだ。

 

「なんだか、すごい場所だな」目が覚めたばかりで、どうにも疲れた。

 

「改めて、チューク諸島鎮守府へようこそケインさん」戻ってきた金剛に肩に包帯を巻かれながら。「昔はトラック諸島と呼ばれていましたがね」金剛にバケツを持って来るように言う。彼女は良く働くようだ、甲斐甲斐しく走り回っている。

 

「それよりあの子、痙攣してるけど大丈夫かよ」壁でぴくぴくしてる。

 

「ピラニアですからね、知ってますか?地球の噛みつく魚です。」何だか良くない顔でセーラー服の少女がピクピクと動いている。「水をあげると治りますよ?」ケインは頭が痛くなってきた。酷い冗談だ。

 

「てーとく。もってきたヨ」ああ。バケツか。確かに何か液体が入っているな。

 

「これを持って、ザバー」ドバーッと水をぶっかける。ホントにやったよ。

 

「なぁ、あんた。死体蹴りって知ってるか・・・」青ざめた少女がかけられた液体で髪と服を張り付かせてビクビクと動く。これには流石のケインも哀れに思った。

 

「ほんっと、じょーだんじゃないわ!」少女がずぶ濡れのまま勢いよく立ち上がった。

 

キズが全快している。

やはり、アンドロイドなのか?

あと、セーラー服から下着が透けている。

白か。

 

「プンスコ!」口で言いながら。ピラニアは医務室を後にした。

 

「僭越ながら、私から」艦娘の基本的なシステムの説明を受けた。

 

一通り説明を聞いた後「謎の敵ってのは、この前のような潜水艦か?」

 

山城が、砲撃で海面を洗いながら、航空機を海鳥のように飛ばしていたのを思い出した。

 

「それは一部ですね。水上タイプ。陸上タイプもいます」朝日でキラリ。「現状では未確認ですが航空タイプも想定だけはしています」

 

 

 

――全銀河に悪夢を。

 

 

「こちらが兵装です」7.7mm機銃を4丁展開した。二丁が両肩に乗り突き出て、もう2丁を脇で抱えるように持つ。

 

「ケインさんには、残念なお知らせがあります」金属音が鳴る。安全装置を外したようだ。「あなたは私のお眼鏡に適いました」彼女は不敵に微笑んでいる。

 

「どうしたんですか?撃ちますよ?」彼に、銃口をむける。

 

隣に立つ提督は冷静で、黙ったままだ。

 

「あんたからは、撃つ気が感じられないな」こちらも不敵に笑いながら、余裕の表情でベッドの横に掛けられていたマントをゆっくりと体に留める。

 

 

――銀河には静寂こそ相応しい

 

 

 

「見たいんだろ?別に隠すもんでも」ベッドから飛び下りると、鏡台からバンダナを取り頭に付けた。コンバーターからのコードを手早くつなぐ。

 

想像よりも動きが素早い。彼女の目が少し嬉しそうに彼を見つめる。

 

「ねーけどな!」銀色の筒から1mほど青白い光が出現した。

 

「それがあなたの艤装ですか」見たこともない兵器に口がほころぶ。彼女は常に強者を探している。彼は若くして、強者を思わせる。珍しく、高ぶる気持ちを抑えられない。感情が騒めく。終わりを求め蠢く。

 

「サイブレードってんだ」両手で構えた。輝きが太く強くなる。

 

「バンダナでエネルギーを増幅して、コンバーターを通し、サイブレードへ」

 

サイブレードを片手で持ち、指でなぞりながら説明する。所詮UG(宇宙軍)の、白兵部隊のおさがり品レベルのものだし。わざわざ隠す話でもない。もっとも、レーザー兵器に準ずるものは、まだここでは開発されていないようではあるが。

 

「理論上はサイブレードだけでも刃をだせるが、常人には土台無理な代物だ」ケインは大胆に笑う。「コードが切れればただの鈍器さ」さぁ、どうすると再び両手で構え直す。出力を上げると、ブレードの余波がマントを躍らせ、髪を逆立たせる。医務室のガラスがガタガタと音を立て始めた。

 

「まぁケインさん、続きは演習場ででもどうでしょう」ここへきて提督が割って入ってくる。こちらも余裕ぶってはいるが、医務室を壊せば、懐と、始末書が危ない。目が笑っていない。「そちらでしたら、存分に使っていただいて大丈夫ですから」

 

乾いた笑いを浮かべ、提案してくる彼を無碍には出来ないと了承した。どうやら、こちらの兵器の性能を見たかったわけではなく、純粋に、あの眼鏡が闘いたかっただけのようだ。ここは平和すぎてどうにも調子が狂うとサイブレードを腰に戻し髪をポリポリと掻く。

 

だとすれば、先ほどのバケツの件も、デモンストレーションでなくここの日常なのか。この星の軍はいったいどうなっているのか・・・

 

入口からこちらをのぞき込んでいる金剛が、何処かしょぼんとしていることに気付いた。視線の先を見て思い出す。「あっと、この食事はいただいでおくか」自称、宇宙一の料理人ほどの味ではないが、口に付けると美味しかった。

 

チョット サメチャッタケド、ノコシタラ、ノーナンダカラネ!

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