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それぞれが慎太郎、レイラの目覚めたペルソナのタロットにおけるアルカナだ。真尋の危機を救うべく、そして己の危機を脱するべく、内側に秘めた“もう一人の自分”は寮の広いエントランスで己の中から溢れ出た。ヴァルキリーに馬乗りになるエンキドゥは覚醒直後と言うのにパワーでは完全に圧倒しており、エンキドゥの本体である慎太郎自身の身体能力もまたエンキドゥのそれによって引き上げられている。得物もなく、ただ己の肉体だけで伊原に立ち向かっている姿はやはり道場通いによって得たものが大きいのだろう、長柄の槍の穂先は妖しく輝き、慎太郎自身を捕らえようと伊原が突き出すが、慎太郎は伊原が槍を突き出して起きた僅かなタイムラグを利用し、懐へと飛び込んだ。
「武器を持ってるからって調子に乗るからだぜ、畜生め!」
『ッシャァッラァ!ブッ飛ばしてやんぜ、ァラァ!』
無慈悲に振るわれる、慎太郎の体重を乗せた拳は伊原の頬にのめりこみ、冷たい地面に倒れ伏させる。エンキドゥが原典でで獣人と言うこともあってか、慎太郎自身に敵であるとは言えども異性を殴るとの行為に抵抗を感じなかった。普段のレイラや真尋の前で見せ、軽口を叩く慎太郎はそこにはおらず、一人の戦闘者として敵を屠るように全力を尽くし、エンキドゥ自身も本体との繋がりから慎太郎の昂揚感が流れ込み、景気付けに吠えて鎧を纏う戦乙女に手厚い拳撃をお見舞いしている。エンキドゥの戦闘スタイル、その腰布だけを衣服とするエンキドゥのデザインが慎太郎の日常では少し垣間見える程度でしかない本質の『粗暴さ』を現しているかのようだ。
「……道場に通っている時から思っていたが、須藤はやはり唯のチンピラでしかないようだな、平坂?」
「……ハァ?」
ヘイムダルを従え、伊原と蹂躙と言う名の戦闘を繰り広げる慎太郎を、侮蔑するような口調でよろよろと立ち上がる真尋に向けて仁藤は溜息をついた。ヘルを伴い、レイラとエレキシュガルと戦闘を繰り広げている桐谷のほうへと僅かに視線を傾ける。使えない奴らだ、と呟いた仁藤からはカリスマらしきものを感じられず、むしろ小物にさえ思えた。威風堂々と立っていればいいものの、この男はその程度のこともこなせて見せないのか、と昼間のカリスマ性を見せない仁藤に呆れ、真尋はギルガメッシュの体勢を立て直させた。
「別に仁藤センパイがなんと言おうと、俺には関係ないことだ」
「な……ッ!?」
仁藤は表情を曇らせた。おそらく、格闘技においては才能に溢れ、周囲から尊敬と注目を集めてきた男のことだ、無視をされたり興味をもたれなかったことがないのだろう。昼間の驕る態度からしてそれは真尋の認識を確信させたし、仁藤の言葉には何も響くことがない印象を抱かせられた。ヘイムダルは原典のとおり、「見抜く力」でもあるんだろうか、しきりにこちらの様子を伺い、赤外線のようなモノをゴーグルを装着して発しており、ギルガメッシュと真尋の次の動作を窺っている。慎太郎とエンキドゥ、レイラとエレキシュガルと言った真尋の臨時のパーティーメンバーを警戒していないのは真尋の「底知れなさ」と「食えなさ」を警戒しているんだろうか。
「だってそうじゃないか。あんたが言うほど須藤は悪いやつじゃないし、ラインハルトはまわりがラインハルトを変人呼ばわりはするものの、綺麗でかわいいところがあると思う」
『ははは!言うではないか、我が半身よ。初対面の半身が友に対し、そこまで長所を上げられるとはなかなかのもの。王たるもの、臣下の能力、性格、人物像を把握するのは非常に重要なことである』
面食らった仁藤に対し、なんでもないように昨日今日会ったばかりの慎太郎やレイラの長所を上げていく真尋は実に考えるでもなく自然につらつらと述べている。それは『原初の王』であったギルガメッシュ自身も目を見張るものがあり、己の半身の持つ『王たる素質』を褒めずにはいられないといった様子。ペルソナとは自分自身であるのでよくよく考えれば自画自賛しているに他ならないわけだが、そんな細かいことを気にしている暇はなかった。
恥ずかしげもなく自分たちを褒める真尋に慎太郎らは頬が緩みそうになったが、戦闘の最中であるので頬を掻く暇すら彼らにはなかった。生徒会サイドで最も立ち回りに機転を要される仁藤を相手に足止めを行い、口八丁で『戦わせない』ように時間を引き延ばせば、この異空間が解除され、脱出も可能ではないか、と『幼少の経験』を活かして真尋は自然と頭を回転させていたのだ。
「……貴女のところの王子様、生徒会長を足止めするなんてなかなかやるわね。チョット短気なところがあるもんだから、すぐに戦闘に入ると思っていたのだけれど?」
「かかかっ。考えても見るがよいぞ、桐谷さとみ三年生。我が同胞、斉天の剣の使い手の秘策は覇拳の使い手如きに劣るものであろうか?いや、それはありえない話だ。余らが敗走するのはありえんことなのだよ、桐谷三年生?」
自然と湧き上がってくるレイラの厨二台詞は湧き水のようであったが、レイラがエレキシュガルを通じて放つ魔法はとても燃費が悪かった。一方、それなりに燃費の良い消費量で魔法を放つ桐谷は周囲を荒らしはしたものの、あまり疲れている様子は見られない。先ほどからオーディンのペルソナ使いが見当たらない、と視線だけを周囲に向けていたとき、桐谷の口元が僅かに歪んだように見えた。
「今だ、西園寺!」
「りょうかいっす!」
背後から青白く何故か発光しているペルソナ・オーディンを従えた、西園寺は桐谷の呼びかけとともに返事をした。そちらにレイラが振り向くと、ここぞとばかりに桐谷は仕込んでいた投擲用のナイフにペルソナの疾風魔法を纏わせ、切りつけるようなオーラを発しながら、レイラへと投擲した。桐谷自身も攻撃の手を止めたわけでもなく、前方からは桐谷、後方からは西園寺と言ったように完全に挟まれてしまっていた。
(先ほどのわざと大声を上げたのは桐谷三年生のフェイントだったのか。私にそちらに気を向かせるように。先ほど目覚めたばっかりだった、と言うのもあるが、場数が違いすぎる……!それにしても、なんなんだ?西園寺とやらのペルソナのオーディンが発する青白い光は……)
瞬時の解析はゲームにおける先読みで慣れていたレイラだったが、先ほどのオーディンのスキル、魔槍直進投擲のグングニルのような大技を繰り出そうとしているのではないか、と読んだ。
こちらのパーティーは真尋、慎太郎、レイラの三人。
対する生徒会メンバーサイドの人数は仁藤、桐谷、西園寺、伊原の四人で人数だけではレイラ達より数は多く、仁藤のペルソナのヘイムダルの物理系スキルの“ゴッドハンド”、西園寺のオーディンのスキル“グングニル”のように切り札となるスキルがないのが難点か。その分、攻撃力を本体の本来のものをペルソナが底上げしている須藤や“想像力”でエレキシュガルの魔法を引き出し、それをスキルへと変えている(最も、レイラが想像した魔法を直接使っているのではなく、レイラが想像した形でスキルである魔法を使用するイメージを浮かべている)。
「――――ペルソナチェンジ、暴れろ!酒吞童子」
『……ようやく、儂の出番かの?』
青白く発光するオーディンが掻き消え、カードとなった時、西園寺は新たに現れたカードを砕いてカードは身の丈もある金棒を持った鬼へと変貌する。吊りあがった口元から垣間見える牙、凶悪な面構えはかつて日本の伝承において対峙された鬼の名を持つに相応しい雰囲気とプレッシャーを放っている。僅かに見えたタロットカードのアルカナは逆位置の
のような凶悪さがあることから、仁藤となんらかの“かかわり”があの鬼のペルソナにはあるのだろうか?
「……“今回”は、成功したようね?西園寺」
「手酷いなぁ。いつでも失敗するモンじゃあないですって……」
「お叱りは後で。今は目の前の虫けらを踏み潰すわよ、西園寺。貴方の特別なそのペルソナ能力、私たちのように固定型じゃないから器用貧乏と言うべきなんだろうけれど、手数を増やせる将来を考えてみれば重要な武器になるわねぇ?そう思わない?西園寺」
「そうだと良いんですけどね……」
金棒を振り回し、風圧をこちらに飛ばす酒吞童子を背後に従え、西園寺は桐谷の手酷い言葉に苦笑いを浮かべる。向こう二人の会話の中、あのペルソナが物理タイプで魔法を発することがなさそうなのはペルソナのデザインで判断するに十分だ。一般的な鬼のイメージに腰にぶら下げた酒瓶、そして腰蓑は童話での鬼のソレであり、RPGや剣と魔法の世界を好むレイラにとっては好ましくないものに映った。彼女にとってファンタジーや魔法とはかっこいいもの、であり特に魔法と剣を使いこなす魔法戦士はお気に入りであった。魔王やドラゴン、暗黒四天王と言ったワードを愛する彼女としてはゴブリンやオーク、トロールを連想させる鬼をそうよく思っていなかったことだとか、桃太郎くらいしか知らない、この国の昔話への偏見のせいで新たに西園寺が召喚したペルソナを甘く見ていた。
「……それが、桐谷三年生の秘策と言うやつか?」
「ええ、私達がそちらに対して優位に立てる点、というのでもあるわね。この西園寺のペルソナ能力は先ほどに見せた高い攻撃力を誇るスキル、グングニルを使えるオーディン以外にもアルカナの違うペルソナに付け替え「おっと、悪いな、手が滑っちまったぜ」
酒吞童子の金棒を振り回すだけの風圧によって、レイラのドレスは引き裂かれ、箇所箇所に見える肌色は切れて赤く血が滲んでいた。風圧だけでこれほどの威力とはヘイムダルのゴッドハンド以上の攻撃力を実際に本気で戦えば叩きだせるだろうし、ゲーム脳で考えれば、これほどに凶悪な召喚獣をノーリスクで
そのときに唐突に突っ込んできたのは毛むくじゃらの拳であった。既にノックアウトしている伊原を尻目に慎太郎は非常に生き生きとしている様子で、その様子からはとても西園寺が過程としてペルソナチェンジと呼べるペルソナの付け替えを行なったのを見た様子はなかった。用心深いのかそうでないのか分かりにくい慎太郎であるが、レイラの推測からして軽率な行動をするタイプではなかった。むしろ、武術を齧っていただけあって鋭いほうだとは思っているが、今回の突進は本当に動きを見ていなかったのだ、と言い聞かせた。
「……不用意に敵の懐に飛び込むのは無謀だとは習わなかったのかしら?実家の道場で」
「はぁ?一体、何を?」
『このように、儂が暴れる機を想定しておらなんだことだよ!』
腕組みをして憂鬱そうに溜息をつく桐谷は年齢不相応の色香があるように見えたが、慎太郎は桐谷の言葉の真意が悟れなかった。身のこなしは素早い方ではあったが、慎太郎はあくまでも人間、それもペルソナに目覚めた人間とあれば急な奇襲は完全には反応できないわけで、後ろから降ってきた酒吞童子の金棒による殴打をギリギリのラインで避けることしかできなかった。そのときになってようやく、慎太郎は異変に気づく。ヘイムダルの拳とその剣を交えるギルガメッシュ、そしてその本体の仁藤と真尋はこちらの変化に気づいていないようだが、あの仁藤のことだ、とっくに気づいていてもおかしくはない。ただ、得物である金棒を振り下ろしただけで壁に亀裂が走り、備品は砕けて天井は夜風が吹き込む。赤い月の月明かりが差し込み、慎太郎らを照らし、酒吞童子の瞳を紅く妖しく照らした。
「な、なんだ……?あの月は……」
『オイオイ、もう一人のオレ!余所見をしている暇は……ねぇぜッ!』
『ほう、やるではないか。どうだ?儂の配下に下らんか?貴様ほどの腕ならば、小僧の手駒としてもやっていけるだろうて』
『悪いが、その話はお断りだ。めんどくせえんだよ、そっちはなにかとな。それともう一人のオレを裏切るわけにはいかねー。……あんたも知ってんだろ?』
紅い月に目を奪われている半身に檄を飛ばしながら、エンキドゥは紅い鬼の総大将と取っ組み合う。互いの爪は長く伸び、得物を持ち、その凶悪さからヒトから鬼へと変化した酒吞童子に対し、髪が泥から作り出した存在でまさしく『神』でもあったエンキドゥにとっては当然の返答といえようが、エンキドゥ自身がつまるところ慎太郎が仁藤との受け答えで見せたように悪感情しか抱いてなかった為、慎太郎でもあるエンキドゥにとってはフツウのことだった。
『……気に食わんな、その態度。この大江山の酒吞童子、忌々しき人間により手にかけられる前までは絶頂にあった!出会うもの全ては儂に恐怖し、我が手駒は儂を恐れ、人間どもは儂の美しさや強さに恐れたものだ……。だが!貴様と貴様の半身、そして貴様のその仲間も!何故、畏れぬ?何故、退かぬのだァッ!?』
「うっ、ぐっ……!」
西園寺は胸を押さえた。オーディンは西園寺と相称の『良い』ペルソナであるから、外してしまったもののグングニルのような強力なスキルを使用することができた。
酒吞童子を完全に意識下に置けていない、現在の西園寺の状況は原付に飛行機のジェットエンジンをつけたようなもの、と考えてみればいい。
『潰れろ!儂によって殺されろ!貴様らは儂にとっては羽虫でしかないのだ!』
『クソッ、まだ、まだオレの
「結構、でっけえダメージが来ちまったな……。手がつけらんねえ暴れん坊、ってところかよ。ただでさえ、こっちは向こうと差があるってのに、これじゃますます勝ち目がねえ」
「マヒロはヘイムダルとあちらの
酒吞童子が暴れるたび、寮が崩壊し、夜風が吹き込んで未だに肌寒さが残る為、少し肌が震える。
エンキドゥを吹き飛ばし、慎太郎がフィードバックを受けて血をぺっ、と吐き出せば口元についた血を拭き取る。エレキシュガルの回復魔法、ディアによって緑色の暖かい光を患部に受けて応急処置を受けた慎太郎だったが、流石にレイラともども精神も体力も磨耗しきっている。今、二人にとって重要な事は酒吞童子の攻撃を回避して身を守ること、そして第一の目的である真尋と崩壊する寮から脱出することだ。
「西園寺!酒吞童子を戻して!このままだと寮が崩壊し、会長の方にも被害が行ってしまう!」
「そうはしたいんですけど、ね……」
『
弱弱しく肩で呼吸をしながら桐谷の言葉に取り繕って返す西園寺だったが、却ってそれが酒吞童子に火を点けた。手当たり次第に周囲を破壊し、“半身”の西園寺の体調をお構い無しにヘイムダルが使用していたスキル、ゴッドハンドの前動作に力を溜め、それを一気に得物に乗せて放出した。
「うわぁっ!」
「きゃっ!」
「ギルガメッシュ!あいつらを助けてくれ!」
地面をその赤い足で蹴り、猪突猛進、獲物へと狙いを定めてぐるりと一回転しながら金棒をたたきつけた。すると、建物の倒壊がはじまり、真尋はギルガメッシュをヘイムダルと取っ組み合わせるのをやめさせ、慎太郎とレイラの救出へと向かわせた。建物の倒壊がはじまると、消耗している二人の今の状況ではペルソナを使うのもままならないだろう。拮抗状態が多く続き、僅かではあるが精神面の回復が行なえた真尋くらいしか今はパーティーで動けるメンバーはいなかった。
「西園寺のペルソナ能力……、トランプで言う“
重量を乗せた、仁藤の右拳によるストレートを受け止める真尋の手は震えていて、その身体もまた同様の震えが身体にも起きていた。ギルガメッシュが消耗しきって既に消えてしまい、まともにエンキドゥやエレキシュガルを召喚できなくなった、慎太郎やレイラに降り注ぐ瓦礫をその無銘の剣の刃で切り捨てていた。戦闘開始時ならば、その心配も要らなかっただろうが、今の真尋は慎太郎らに刃を向けさせないよう、気をつけるのに精一杯で仁藤の拳撃をギリギリのところで回避するのを続けた後、ついにはスタミナが完全に切れて必殺の一撃を受けてしまった。地面に伏せ、その冷たい感触を味わいながら、仁藤が高らかに笑う声が聞こえる。既に瓦礫は切り伏せ済みで桐谷ら生徒会側は酒吞童子の起こしたプレッシャーで戦闘不能でうんともすんとも言わない。
「よくやってくれた、酒吞。特別にお前にはこいつを処刑する権利をくれてやろう」
『ああ?儂が欲しいのは銀髪の娘と貴様の配下の旨そうな女くらいだ。儂に命令、するなッ!』
「畜生、西園寺のペルソナならば俺に従うはずだろう!防げ!ヘイムダル!」
真尋の頭部をヘイムダルに掴ませながら、酒吞童子に仁藤は両手を広げて近づいていくと、瓦礫の山に座る酒吞童子が無視を払うように片手を振ると、真尋は受身も取れずに地面を転がった。その衝撃で頭部からは血が垂れ、先ほどの臓器破壊のダメージが今になってやってくる。思えば、ペルソナのお陰で身体能力が上がった、と言うことは治癒力も上昇しているわけで内臓は破壊されていなかったんではないか、と仮説が膨れ上がってきた。自らの
『無駄無駄!その程度、蚊に刺された程度でしかないわ!』
「クソッ、頑丈すぎるだろ、こいつ……!それにアナライズでも確認したが、レベルがおかしい……!」
『儂の強度がオカシイ、だと?それは、貴様が未熟で儂にまで至らないからだッッ!』
身体が、重い。ギルガメッシュに目覚めた時は巨大な獣のような怪物と相対していた時だったろうか。ギルガメッシュが自分の中に戻っていくのを感じながら、真尋は死していく己の命を感じた。
怖ろしい敵として認定していた仁藤が酒吞童子から受ける、一方的な蹂躙は真尋達にとっては強大な存在に思えても、所詮は初の実戦のボスでしかないのだった。現に彼は半身である西園寺が気絶した今もなお、自らの意志で動いて暴走状態にある。デタラメに腕を振り回すだけで身を切裂くような
最後に視界に映ったのは仁藤の顔が恐怖に歪む様子、そして硬球のように真尋の身体を金棒で投げて打つ酒吞童子の勝利を確信し、蝿を殺すかのような面倒くさそうな顔。
『……またね、“マヨイゴ”君』
『お客人、まだ眠るには早いよ。死を享受するにはあまりにも早すぎる』
意識を完全に失うときに聞こえた、二種類の声は鳴麓市にやってくるときに乗った電車で出会った少女とベルベットルームで出会った青年“イゴール”の物静かな声だった。“フリータロット”を得る前に見た、あの夢を見る直前のように真尋は気を失った。
お盆と言うことですが、皆様、いかがお過ごしでしょうか?
私はですね、木場君をTSさせてトールが転生した存在とイチャ×2させたりとか、ロスヴァイセさんと絡ませたりとか、一夏が稲羽でコミュニティを築くとか、そんなやつを書きたいなーなんて思ってます。
いつになるかは分かりません。
さて、次回は王の宝蔵その2です。名前の由来はモチロン、我様の宝具です