エスパー少年とオカルト少女   作:ジョン・N

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 お久しぶりです。
 実はコツコツ書いてます。


13. 仲間の話

 

 

 

 

 

 トウカジムに挑戦した翌日。

 

「……やっぱり仲間が必要かなぁ」

 

 無事にジムバッチをゲットできた俺、カズヤはポケモンセンターの玄関でひとり考える。

 

 

 

 

 トウカジムのジムリーダー、センリさんとバトルしたのは、つい昨日のこと。

 タイプ相性の有利もなく、二つ目のジムバッチをかけたバトルとあって、今回は前回よりもかなり苦戦した。

 センリさんの手持ちポケモンはナマケロ、ジグザグマ、ヤルキモノの三体。このポケモン達をラルトスひとりで相手してもらったわけだが、連戦はラルトスの負担が大きかった。

 三戦目のヤルキモノ戦なんて、最後の【きあいパンチ】が当たっていたら負けてたかもしれない。

 

 今回は運良く勝てたけど、今後もそううまくいくとは限らない。

 対策としては、ラルトスにもっと強くなってもらうか、新しい手持ちのポケモンを増やすかの二つがあるけど、ラルトスの修行は今もやってるわけで、これ以上はかえって身体を壊してしまう。

 よって、対策するなら新しい仲間を増やす方が無難だ。

 

 

 

 

 以上、昨日のジム戦の反省の末に出た結論が上記のセリフだ。

 

「ラルぅ?」

 

 足元にいたラルトスが気になった様子で顔を見上げる。

 それに気づいた俺は考えるのを止めて、ラルトスを抱き上げた。

 

「ラルトスは、仲間を作るなら、どんな仲間が良いと思う?」

「ルゥー、ラルラルぅラル」

 

 『んー、よく分からない』とラルトスは首を傾げた。先日、ヒトミが新しい仲間ができたところを目の当たりにしたとはいえ、まだ実感が沸かないか……。

 やはりここはトレーナーである俺が、ちゃんと考えるべきだろう。

 

 

 実戦的に考えるなら、次のジム戦はカナズミシティかキンセツシティだから、対策として、いわタイプかでんきタイプに有利なポケモンが良い。

 

 じめんタイプなら、ヤジロン。

 はがねタイプなら、ダンバル。

 みずタイプなら、ヤドン、もしくはスターミー。

 かくとうタイプなら、アサナン。

 

 そんなところかな?

 

「んー、迷うなぁ……」

 

 ホントに迷うなぁ、どのポケモンも良い!

 かわいい! カッコいい! かしこい!

 エスパー、サイコー!

 

「ラルラー!」

 

 ラルトスが頬をペチペチたたく。

 さっきまで足元にいたラルトスは、いつの間にか俺の肩に乗っていた。

 

「えっ、なに?」

『ヒトミが出てきたよ』

 

 ラルトスが手を向ける方へ顔を向けると、ポケモンセンターのエレベーターからヒトミがヒトモシとミミッキュを両肩に乗せて出てきた。

 

「おまたせ、カズヤ」

「よし、じゃあ行こうか」

「うん!」

「モシモシィ!」

「ミッキュ!」

「ラールー!」

 

 ヒトミの反応に合わせて、ヒトモシとミミッキュ、そしてラルトスが大きく頷いた。

 そして俺とヒトミは二人並んで、次の目的地であるミシロタウンを目指して歩き出した。

 

 

 

 ***

 

 

 

 トウカシティからミシロタウンまでは、102ばんどうろを行き、途中、コトキタウンを通る。舗装はされていないが、道を伝っていけばコトキタウンまでは一日もあれば歩いて行ける距離だ。

 道中、周りには見渡す限りの自然と元気な野生のポケモン達がいる。【ハスボー】や【タネボー】、【ケムッソ】、【キノココ】に【ナゾノクサ】と、皆それぞれ豊かに暮らしている。

 

「そっか。カズヤも二人目の仲間が欲しいのね」

「うん。これから先のジム戦を考えると、やっぱりラルトスひとりじゃ厳しいと思ってね」

 

 のどかな道を歩き、俺はヒトミと話しながら肩を並べて歩いていた。話題は、トウカシティで考えていた、俺の二匹目のポケモンについてだ。

 

「じゃあ、次のジムがある街に着くまでに、どこかでポケモンを仲間にしなきゃね」

「そうなんだけど、この辺りだとなかなかなぁ……」

 

 そう言って周りを目を向けるが、相変わらずいるポケモンは、くさタイプが主だ。環境的に仕方ないが、この辺じゃ、エスパータイプのポケモンを見つけるのは難しい。

 

「やっぱりカズヤは、仲間にするならエスパータイプのポケモンが良いの?」

「あぁ。他のポケモンがダメってわけじゃないけど、できればね……」

 

 オカルトマニアのヒトミがゴーストポケモンを仲間にしているように、サイキッカーの俺もエスパータイプのポケモンを仲間にしたい。

 これは理屈がどうのというよりも、サイキッカーとしての性分……いや、本能だ。

 

「はぁぁ、やっぱり【いしのどうくつ】で【ケーシィ】を仲間にしとくんだったなぁ」

「ふふっ」

 

 俺が悔しげに頭を掻くのを見て、ヒトミがクスクス笑う。

 

「そういえば、トウカシティで聞いた話だけど、この辺りでは野生の『ラルトス』がよく見つかるんだって」

「ラルぅ?」

 

 名前を聞いて、頭にいるラルトスが反応する。

 確かに、ラルトスが二匹目っていうのも夢があるな。

 トクサネシティのトレーナーの中にも、サーナイトとエルレイドの構成を目指して、ラルトス二匹を仲間にしている人もいた。

 けど、野生のラルトスかぁ。

 

「悪くないけど、運と相性次第かなぁ」

 

 野生のラルトスが出会うのが難しいというのもあるけど、俺のラルトスはタマゴからずっと手持ちなのもあって、育った環境の違いから相性が良くない可能性もある。

 まぁ、その相性の中を取り持つのもトレーナーの腕の見せ所であるわけだけど、今の俺にはハードルが高い。

 

「ラルラル、ラルルララルラルルーラル」

「そっか」

「ラルトス、なんだって?」

「『私は、どんな子でも大丈夫だよ』だってさ」

「そう……ふふっ、ラルトスもはやく仲間が欲しいのね」

「ラールー!」

 

 期待とやる気のこもった声で鳴くラルトスに、俺とヒトミは揃って笑みを浮かべた。

 

 

 

 ***

 

 

 

「ねぇ、そこの君」

「ん?」

 

 しばらく歩いていると、ふと背後から声をかけられた。振り替えると、そこには一人の男の子が立っていた。

 見知らぬ少年に、ヒトミは驚き、ゆっくりと俺の後ろに隠れるように後退りした。そして、物陰から覗くように俺の腕をつかんで少年を見る。ヒトモシとミミッキュも彼女の真似をしている。

 しかし、そんなヒトミに全く興味を示さず、少年はまっすぐ俺に目を向けていた。

 

「君のラルトスと、僕のポケモン、交換してくれないかな?」

「えっ!」

「ラル!」

 

 少年の言葉に、思わず俺とラルトスは揃って声を洩らす。

 トレーナー同士でポケモンを交換するというのは良くあることだから、その依頼そのものに驚きはしないが、初対面の第一声、しかも街の外の道中で言われるとは思わなかった。

 しかし、その驚きも束の間。俺はその依頼にすぐ首を横に振った。

 

「ごめん、ラルトスは俺の大事な相棒だから」

「即答だね……でもそっか。残念だなぁ」

 

 意外にも少年はあっさり諦めた。

 しつこくお願いされたらどうしようかと内心で警戒していたので、少しホッとした。

 どうやら悪い子ではなさそうだ。

 

「ラルトスが欲しいなら、この辺りにいる野生のラルトスをゲットしたら良いんじゃないか?」

「実は、僕もそう思ってここに来たんだけど、なかなか見つからなくて……。もう一週間も、トウカシティとこの辺りを行ったり来たりしてるんだ」

「へぇー。よっぽど【ラルトス】が欲しいんだな」

「うん。でもどちらかと言えば【ラルトス】よりも【エルレイド】が好きでね。小さい頃、ポケモンコンテストで見たエルレイドがカッコよくて、いつかゲットしたいって思ってたんだ」

 

 なるほどねぇ。

 良い趣味してる。この子とは気が合いそうだ。

 

「ゲットできないなら、誰かと交換しようかなと思って声をかけたんだけど……」

 

 そう言って、目の前の少年は俺とラルトスを羨望の眼差しで見つめる。

 

「気持ちは分かるが、いくらお願いされても俺のラルトスは絶対ダメだからな」

「そっか……はぁぁ、残念」

 

 俺が断固として拒否する姿勢を示すと、少年は肩を落として大きなため息を吐いた。

 

「まぁ、頑張って野生のポケモンをゲットするんだな」

 

 あるいは、俺みたいにタマゴから孵すか。

 

「それができないから困ってるんだよぉ」

 

 少年はまた大きなため息をつく。

 

「はぁぁ……一応、交換してもらうために、おじさんから珍しいポケモンも用意してもらったのになぁ」

「へぇ、そのポケモンって?」

 

 交換する気はサラサラ無いが、珍しいポケモンと言われると少し興味がある。

 

「【ケーシィ】だよ」

「よし、ゲットしよう!」

「ラルっ!」

 

 俺の決断は早かった。

 

 

 

 

 

 ーーつづく。

 

 

 

 

 

 







人の後ろから覗き見るオカルトマニアが可愛いだけの回です。

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