真・仮面ライダー 〜仮面ライダープロトシン〜   作:垣内 界人

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プロローグ

2019年4月1日、午前11時41分。S官房長官は神妙な面持ちで発表の場へと立った。

日本中の民衆がその瞬間を今か今かと待ちわびる中、S官房長官はゆっくりと……口を開いた。

「新しい元号は……」

 

コッコッコッ ガチャッ

ズダダダダダダ

パァーン パァーン

ドドドドドドド

キャアァァァァァ

ウワァァァァァァ

 

「ミュータント襲来……天皇が人質……」

学校の帰りにビルディングの大型ビジョンに映されているニュースを目にし、蚊の鳴くような声でそう言ったのは、山澄 真(やまずみ しん)。顔も普通、成績も普通、運動神経も普通という、正直どこにでも居るような高校生だ。

「ゾンビ来るの!?なんか楽しそう!」

こちらは真の幼馴染の那須野 千彩(なすの ちさ)。

真とは真反対の性格で、そしてとんでもなく能天気だ。

しかし…2人ともこれから彼らに降りかかる惨事のひとつさえ、その時は知る由もなかった。

 

山澄家は真、妹、母の3人家族。

父は真が産まれる前に離婚したらしい。

玄関の扉を開けるや否や、母と妹が飛びついてきた。

「真!良かった、生きてた……」

「ニュータンス……だっけ?とりあえず兄ちゃんテレビ見てよ!」

真はテレビの電源を付けた。そして3人は直後に戦慄を覚えた。

画面には人々がミュータントに襲われ、殺されてゆく、まさに地獄絵図のような光景が、まざまざと映し出されていた。

真は漸く事の重大さに気づいたのか、この世が終わるかのような顔でただただ呆然としていた。……その時であった。

 

突如として1体のミュータントが建物の壁を突き破り出現したのだ。

母と妹は運悪く捕まり……声を上げることも無く……真の目の前で喰われて……果てた。

真は何故か悲しみを感じなかった。それよりも怒りが込み上げてきた。

そして「家族を殺したミュータントを、必ず殺してやる」と決意したのだった。

それは今まで彼が一度も感じたことのなかった、「憎悪」という感情であった。

 

それから数日、あれほど憎悪に燃えていた真もほとぼりが冷め、これからどうしようか考え始めたのだった。

「まずはお金がいるな……」

何か短期間で稼げる仕事……あ、これなら出来そうだ。

真の目にとまったのは「新薬の治験」のチラシ。

報酬は……25万か。これだけあれば数ヶ月は生活できそうだ。よし、申し込むか。

 

数日後、真がやってきたのは町外れの病院だった。

「へぇ……ISSってまだ残ってたんだな。」そう独り言を呟きながら病院に入っていった。

これが全ての始まりとなる事も知らずに……

 

治験では一日に数え切れない程採血の注射を受け、そして新薬を服用し寝る。こんな生活が一週間続いた。

治験は楽だと言う人間の気が知れなかった。

7日後、治験を終えた真は報酬を受け取り病院を後にした。

「よし、これで当分お金には困らないな……」

そう言って家路を急いでいた時であった。

 

……ミュータントだ。

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