空軍パイロットのIS転生記   作:Su-57 アクーラ機

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第10話

放課後 食堂

 

 

「織斑君、クラス代表決定、おめでとう~!」

 

クラッカーが鳴る。

 

「「「おめでとう!」」」

 

拍手の音と祝福の声が食堂を埋め尽くす。

だが、一夏は疑問を口にする。

 

「何で俺がクラス代表なんだよ」

 

確かに、彼はセシリアとの決闘に負けた。疑問に思うのも当然だろう。俺だって分からない。

 

「それはわたくしが辞退したからですわ。まぁ、勝負はあなたの負けでしたが、それは考えてみると当然の事、何せわたくしが相手だったのですから」

 

一夏がムッとする。

 

「それで、まぁ、大人げない態度をとったことを反省しまして、一夏さんにクラス代表を譲ることにしましたの」

 

成る程、あの授業中の態度はそれが理由か・・・。

けど、それだけが理由ではないような気がする。何だろうか?

 

「良かったな、一夏。確かに負けはしたが、お前の力が認められたようだぞ?代表候補生を相手にあそこまでやれたんだ。俺は文句は無いぞ?」

 

「それで、その・・・あの時は失礼な事を言って、すみませんでした・・・」

 

セシリアが謝ってくる。

どうやら、高飛車ではあるが、根は優しいようだ。

 

「あぁ、俺もあの時は頭に血が昇っててな、悪かったよ」

 

「俺も、流石に言い過ぎた。すまなかったな」

 

一夏、俺の順に謝る。

良かった、なんとか和解出来た・・・。

 

「・・・人気者だな、一夏」

 

「そう思うか?」

 

「ふんっ」

 

「何でそんなに機嫌悪いんだよ・・・」

 

箒は面白く無さそうだが。

パシャッ

うおっ、何だ?カメラのフラッシュか?

 

「はいは~い、新聞部で~す!あ、私は2年の黛薫子(まゆずみ かおるこ)。よろしくね。はいこれ名刺」

 

うわぁ、随分と難しそうな漢字だな。

 

「あ、セシリアちゃんとホーキンス君も一緒に写真良いかな?」

 

「え?俺も?」

 

「そりゃ、注目の専用機持ちだからね」

 

「まず、織斑君とセシリアちゃんで握手してもらえるかな?」

 

「あ、あの!撮った写真は貰えますわよね!?」

 

「そりゃ勿論!あ、ホーキンス君は後で取材良いかな?セシリアちゃんとの闘いに勝った時の事とか聞きたいなぁって思って」

 

そう言いながら、ハイテンションで聞いてくる。

 

「え、ええ、良いですよ」

 

「ありがとう!じゃあまずは織斑君とセシリアちゃんからね━━」

 

 

 

結局、取材は長々と続いた。

ようやく解放された俺は部屋に戻ってシャワー浴びて、歯を磨いて・・・そこからは記憶が曖昧だ。

 

 

翌日

 

 

「ふわぁ~あぁ・・・」

 

「おはよう、ウィル。随分と眠そうだな」

 

「おぉ、一夏か、おはよう。昨日は遅くまで取材に付き合わされてな・・・」

 

「御愁傷様だな」

 

そんな会話をしていると、他の生徒の話が聞こえてきた。

 

「クラス対抗まで後少しだね」

 

「そう言えば、2組のクラス代表が変更になったって、聞いてる?」

 

「あぁ、何とかって転校生に変わったって話ね?」

 

その、“何とか”って所が気になる・・・。

 

「転校生?今の時期に?」

 

「確かに、こんな時期に転校なんて俺も聞いたことが無いぞ?」

 

「うん、中国から来た娘だって」

 

「ふふん、わたくしの存在を今さらながら危ぶんでの転校かしら?」

 

「どんな奴だろ?強いのかな?」

 

「ううん、今のところ専用機を持ってるのって、4組だけだから余裕だよ」

 

「いや、楽観は出来ないぞ?」

 

なんて話をしていると、入口から声が掛かる。

 

「その情報、古いよ!2組の代表も専用機持ちになったの。そう簡単に優勝出来ないから!」

 

振り返ると、そこには小柄で髪をツインテールにした、いかにも活発そうな少女が自身満々に立っていた。

 

「・・・鈴?お前、鈴か!?」

 

一夏が驚き立ち上がる。

 

「一夏、知り合いか?」

 

「あ、あぁ」

 

「そうよ!中国代表“凰鈴音(ファン リンイン)”今日は宣戦布告に来たって訳!」

 

教室中がどよめく。

 

「だ、誰ですの?一夏さんと親しそうに・・・!」

 

「鈴・・・お前なに格好着けてんだ?すっげぇ似合わねぇぞ?」

 

一夏・・・いきなり失礼な事を・・・。

 

「なっ!何て事言うのよ?!あんたはぁ! あうっ」

 

鈴が怒鳴った瞬間、織斑先生が彼女の頭頂部に拳骨を落とす。

 

「暴力装置だ・・・」

 

無意識にそう呟いてしまう。

 

「痛った~何すんのy・・・!」

 

抗議しようと振り返り、その存在に気付く。

 

「もうSHRの時間だぞ」

 

「ち、千冬さん・・・」

 

「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ、邪魔だ」

 

「す、すいません。・・・また後で来るからね!逃げないでよ一夏!ふんっ」

 

そう言い残し、帰って行った。

 

「あいつが代表候補生・・・」

 

一夏は驚いたように呟く。

 

「ああ、ホーキンス」

 

「はい、何でしょう?」

 

「さっき、何か言わなかったか?」

 

「」

 

ジトーッと睨まれる。

聞かれてた!?て言うか、口から漏れてた!?

 

「い、いえ、気のせいでは?」

 

「・・・そうか」

 

あ、危なかった・・・!

午前の授業の用意をしながら、冷や汗を流すのだった。

 

 

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