昼休み 食堂
「お前が2組の転校生だったとはな。連絡くれりゃ良かったのに」
因みに、俺達は今、食事を取りに行くために、列に並んでいる最中だ。
「そんな事したら、劇的な再会が台無しになっちゃうでしょ?」
成る程サプライズか・・・。
「なぁ、お前ってまだ千冬姉のこと苦手なのか?」
「そ、そんなこと無いわよ。ちょっと、その、得意じゃないだけよ・・・」
そう言いながら昼食を手に取る。
「相変わらず、ラーメン好きなんだな。ちょうど丸一年ぶりになるのか。元気にしてたか?」
「げ、元気にしてたわよ。あんたこそ、たまには怪我、病気しなさいよ!」
「どういう希望だよそりゃぁ・・・」
そんなことを言いながら先に席に向かう二人を眺めながら、俺もメニューを選ぶ。
さっきから、箒とセシリアがあの二人をめちゃくちゃ睨んでるな・・・。
正直少し怖い位だ。
今日の、メニューは焼きサンマ定食だ。
再会を喜び、積もる話をする一夏と鈴を横目に魚料理に舌鼓を打つ。
聞こえてきた話だと、そもそも一夏がISを動かしたのは丁度、受験シーズン。会場で道に迷い、そこで偶然ISを発見、興味本意で触れたら動いてしまったらしい。
苦労するな・・・。
なんて思っていると、とうとう痺れを切らした箒とセシリアがつかつかと彼等のテーブルに歩いていく。
「一夏、そろそろどういう事か説明しろ」
「そうですわ一夏さん、まさかこの方と、つ、つつつっ!付き合ってらっしゃいますの!?」
昼食を手早く済ませて、俺も一夏の元に向かう。
「まぁ、付き合う云々はどうでも良いとして━━」
「どうでも良くないっ!」
「どうでも良くありませんわっ!」
「お、おう・・・ま、まぁ二人がどういう関係なのかは俺も気になるな」
箒とセシリアの剣幕に気圧されてしまった。
「つ、付き合ってなんて・・・」
「そうだぞ、ただの幼なじみだよ」
鈴が何か言いたそうに一夏を睨む。
「ん?どうかしたか?」
「な、何でもないわよ・・・」
プイッと頬を軽く膨らませ、顔を反らす。
あ、今の少し可愛かったかも・・・。
「お、幼なじみ?」
「そうか。丁度お前と入れ違いで転校してきたからな・・・。篠ノ之箒。前にお前に話しただろ?箒はファースト幼なじみでお前はセカンド幼なじみってところだ」
「成る程、そう言う訳だったのか」
一夏の説明に、ウィリアムは納得したようにゆっくりと頷いた。
「ファースト・・・」
箒が嬉しそうに呟く。
「ふーん、そうなんだ。初めまして、これからよろしくね?」
「ああ、こちらこそ」
箒と鈴が握手する。
「ウィリアム・ホーキンスだ。気軽にウィルで良い。よろしくな」
「アンタがもう一人の男の操縦者ね?アタシも鈴で良いわ。よろしく」
「コホン、わたくしの存在を忘れてもらっては困りますわ。わたくしはセシリア・オルコット。イギリスの代表候補生ですわ。一夏さんとは先日、クラス代表の座を賭けて━━」
「アンタ、一組の代表になったんだって?」
「あ、あぁ。成り行きでな・・・」
セシリアの話そっちのけで、また一夏と話始める。
「良かったら、アタシが練習見てあげようか?ISの操縦の」
「ハハッそりゃぁ助かる」
「━━って、ちょっと!聞いていらっしゃるの!?」
無視されたことに気付き、声を荒げるセシリア。
「ごめん、アタシ興味無いから」
ワオ、バッサリと言ったな・・・。
「言ってくれますわね・・・!」
そこへ箒が乱入する。
「一夏に教えるのは、私の役目だ!」
「あなたは2組でしょう?敵の施しは受けませんわ!」
「アタシは一夏と話てんの。関係無い人達は引っ込んでてよ」
止めるんだ鈴、それ以上火にガソリンを注ぐな。
「あなたこそ、後から来て何を図々しい事を!」
ほらぁ・・・こうなるだろ?
「後からじゃないけどね。アタシの方が付き合い長いんだし」
「っ!?それなら私の方が長い!一夏は何度も家で食事している間柄だ!」
しかし鈴はここで油どころか、今度は
「それなら、アタシもそうだけど?」
「「え?」」
「一夏はしょっちゅう家に来て食事してたのよ?小学校の頃からね」
二人がプルプルと震える。
いつの間にか自慢大会みたいになってるし・・・。
俺は蚊帳の外だ。
おのれ、一夏!羨ましい、妬ましい・・・!
話がどんどんヒートアップしてい行き、一夏がこちらに助けを求めるように目を合わせて来た。
友達の危機だ。どうするかって?
もちろん
最高に良いエガオをしながら親指で首を掻き切る仕草をして食堂を後にした。