空軍パイロットのIS転生記   作:Su-57 アクーラ機

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第13話

クラス対抗戦当日 ピット内

 

 

「初戦から鈴が相手か・・・」

 

一夏がそう呟くと、彼のISのモニターに別のISが投影される。

 

「あちらのISは『甲龍(シェンロン)』。織斑君の白式と同じ、近接格闘型です」

 

山本先生が説明する。

成る程、デカイ図体して近接戦が得意なのか・・・見た目に依らないな。あの肩の部分のパーツは飾りではないな。何かの武装か?

 

「わたくしの時とは勝手が違いましてよ?油断は禁物ですわ」

 

「固くなるな。練習の時と同じようにやれば大丈夫だ」

 

「あぁ、冷静に対処すればいけるだろう。ただ、あの肩の兵装には気を付けろよ?何かは分からんが大人しくはやられてはくれないはずだ」

 

「あぁ、分かった。けど・・・あれで殴られたらすげぇ痛そうだな・・・」

 

鈴ISに装備された巨大な近接武器を見て身震いする。

アリーナの天井が開き、青い空が現れる。

 

『それでは、両者規定の位置まで移動して下さい』

 

全体放送でそう伝えられ、一夏がアリーナ中央の競技場に飛び出した。

 

 

一夏が出た後、鈴と二人で何か話しているようだが・・・。

 

『それでは、両者試合を開始して下さい』

 

二人が各々の武装を取り出す。

先に動いたのは一夏だ。

鈴に突撃する。

対する鈴は余裕そうだ。

空中で両者ががぶつかり合う。

 

「一夏、初撃はなんとかかわせたか・・・」

 

今度は鈴が二刀流になって、一夏に迫る。

今度は少し押され気味だ。

 

「一夏・・・」

 

「あぁ、もう!何をしてらっしゃいますの?!わたくしの教えて差し上げたクロスグリッドターンを使いなさい!」

 

「おいおい、落ち着けセシリア。まだこれからだ」

 

そう言いながら彼女を嗜める

だが状況は一夏が劣性だ。彼は攻撃すら出来ず、鈴の猛攻を防ぐのみ。

そして一夏が一端距離を置こうとした、その時、鈴のISの肩部が光り、彼の後ろで爆発が起きた。

 

「ワッツ!?何が起こった!?」

 

何が起こったのか分からない。

箒も同じの様だ。

 

「衝撃砲ですね。空間自体に圧力を掛けて砲弾を打ち出す武器です」

 

山田先生がそう説明する。

 

「わたくしのブルーティアーズと同じ、第3世代兵器ですわね」

 

「しかも、あの衝撃砲は砲身の射角が、ほぼ制限無しで撃てるようです」

 

「射角制限無しの見えない砲弾・・・。反則級だな」

 

思わずひきつった笑いが出る。

ん?向こうでも動きがあった様だな。

 

「織斑君、何かするつもりですね・・・」

 

「・・・イグニッションブーストだろう。私が教えた」

 

先程まで無言で画面を見ていた織斑先生が口を開いた。

全員が彼女に注目する。

 

瞬時加速(イグニッション・ブースト)?」

 

セシリアがおうむ返しする。

 

「一瞬で、トップスピードを出し、敵に接近する奇襲攻撃だ。出し所さえ間違えなければ、あいつでも代表候補生と互角に渡り合える。ただし、通用するのは一回だけだ」

 

「成る程、つまり一夏はそれで、一気に肉薄して片を着けるつもりか・・・」

 

いくら射角無限でもゼロ距離なら簡単には使えない。ということか。

織斑先生は「そうだ」と言って、また画面に目を戻す。

そして一夏が鈴の一瞬をついて、瞬時加速(イグニッションブースト)を行い、一気に肉薄しようとした刹那━━

 

 

別の攻撃によって、地面に巨大な爆発が起きた。

会場が騒然となる。

さっきから、会場全体が揺れている。

 

「何?何が起きましたの!?」

 

「一夏・・・!」

 

「何だ?何か他の兵装を使用したのか?」

 

「システム破損!?何かがアリーナの遮断シールドを貫通して来たみたいです!」

 

と言うことは、外からの攻撃か?!

俺は何か嫌な予感がしてコントロールルームを離れる。

行き先はもちろん競技場だ。

ピットに入ってISを展開。

時間が無いので、APUを作動させながらPICで飛行し、競技場に侵入する。

やっとジェットエンジンが回り、戦闘準備が完了した。

その時、アリーナの観戦席への出入口が一斉に閉じ始めた。

侵入して来た“何か”から生徒達とお偉方を守る為だろうか。

どうやら既に一夏と鈴はソレの存在に気付いているようだ。無線越しに「逃げろ」とか「置いていけない」とか言い合いしている。

そんな言い合いをしていると、煙の中からビームが放たれた。

狙いは鈴だ。

それを一夏が間一髪で助ける。

 

「危なかった・・・」

 

だが、攻撃は尚も続く。

俺は上空を旋回しながら、煙の中心を睨む。

 

「いやがった・・・!」

 

煙の中から現れた“ソレ”は腕が長く頭部は体と同化し、首関節が無く、歪な複眼を持っていた。

正直とても悪趣味だ。

 

「お前、何者だ!?」

 

一夏が襲撃者に問う。

だが相手は答えない。

 

「答えろ!お前は何者だ?何が目的だ?」

 

それでも答えない。

 

「一夏、聞こえるか!?」

 

「ウィル!?どこだ?」

 

「上だ」

 

一夏が上を見上げる。

 

「いつの間に・・・」

 

「ついさっきだ。それより、大丈夫か?敵はこっちでも確認出来たが・・・。悪趣味な機体だぜ。設計者は変態だな」

 

「ああ、こっちはなんとか無事だ。それよりもアイツの目的がさっぱりなんだ。呼び掛けにも応じない」

 

「ああ、こちらでも確認した」

 

その時、山田先生から無線が入る。

 

「織斑君、ホーキンス君、鳳さん、今直ぐにアリーナから脱出して下さい!直ぐに先生達が制圧にむかいます!」

 

一夏が異論を唱える。

 

「いや、みんなが逃げるまで食い止めないと」

 

「一夏の言う通りです。それでは間に合いません!俺達は戦えます!」

 

「で、ですが・・・。でも、いけません!三人とも早く!」

 

無線越しに、悲鳴にも似た声が脱出を催促する。

 

「・・・良いな?鈴、ウィル」

 

「だ、誰に言ってるのよ。それより、離しなさいってば!」

 

因みに現在、一夏は鈴にお姫様抱っこ、と言うのをしている。

まぁ、咄嗟の事だったから仕方ない。

無人機がこちらを向く。

 

「よし、やるぞ!せっかくのお客様だ、盛大に持て成してやろうぜ!」

 

「あぁ!」

 

「分かったわ!」

 

こうして、無粋な来客者に対する持て成しが始まった。

 

 

 

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