実習後、学園の屋上。
「どういうことだ?」
箒が不機嫌そうに言葉を発する。
そこには箒の他に、一夏、シャルル、俺、セシリア、鈴が集まっていた。
「大勢で食った方が美味いだろ?それに、シャルルは転校して来たばかりで右も左も分からないだろうし」
「そ、それは、そうだが」
箒、セシリア、鈴がお互いに睨み合う。
スゲェ、本当に火花が見える。
「え、えぇと、本当に僕が同席して良かったのかな?」
「あぁ、俺も居て良いのか?」
「いやいや、何を言ってるんだよ。折角の男子同士、仲良くしようぜ?シャルルとは今日から部屋も同じだし」
一夏、お前って良い奴だな・・・。
「ありがとう、一夏って優しいね」
「っ!?」
一夏が少し顔を赤くする。
無理も無い、俺も少しドキッとしてしまった。
言っておくが、俺に男色は無い。
「なぁに照れてるのよ」
ジト目で一夏を睨む鈴がタッパーを取り出す。
「べ、別に照れてねぇぞ?」
ギクッとした一夏が慌てて否定した。
「ん?おぉ!酢豚だ!」
「そう、今朝作ったのよ。食べたいって言ってたでしょ?」
あぁ、あの時の会話か。
「コホン。一夏さん、わたくしも今朝は偶々、偶然、早く目が覚めまして、こういうものを用意してみましたの」
そう言いながら、バスケットの中を見せる。
そこにはサンドイッチが綺麗に詰められていた。
「イギリスにも美味しいものがあることを納得していただけませんとね」
「へぇ、言うだけあるな。それじゃあこっちから」
そう言いながら、サンドイッチを手に取る。
「よろしければウィリアムさんも」
「ああ、ありがとう。それじゃあ頂くよ」
そう言って、俺も一つ取り出す。
そして一口食べ、ゆっくりと咀嚼した。
「━━うっ!?」
な?何だこれ!?これは・・・!
記憶を遡る。
つまり、滅茶苦茶不味い・・・。
横を見ると、一夏も顔を真っ青にしていた。
「いかが?どんどん召し上がってくださって構いませんのよ?」
笑顔でそう言われる。
「い、いや、後で貰うよ・・・」
一夏が真っ先に脱出した。
流石に二人同時に断ると勘づかれそうだ。
おのれ、一夏ぁ・・・。
無言で彼を睨むと、「スマン」と目で謝られた。
「どうかいたしまして?」
「な、何でも無いぞ?」
「?」
ハァ・・・やるしかない!
「よ、よし!なら早速もう一つ・・・」
耐えてくれよ、俺の胃!
無心になってひたすら食べ続ける。
一度一夏を見ると、箒の口に箸で唐揚げを運んでいた。
それを箒は顔を赤くしながら口に含む。
そして、それを横目に俺はサンドイッチを食べ続ける。
な、なんとか半分まで来れた・・・。
「これってもしかして、日本ではカップルがするっていう、はい、あーん てやつかな?仲睦まじいね」
サンドイッチの爆食いによって意識が朦朧としていたが、なんとか正気に戻ってきた。
「ふむ、成る程。これが、はい あーん と言うやつか。初めて生で見たな」
そうか、これがなぁ。
「何でコイツらが仲良いのよ!」
「そ、そうですわ!やり直しを要求します!」
そこで、この場を収める為にシャルルが提案をした。
「それならみんなで一つずつおかずを交換しようよ。それなら問題無いでしょ?」
シャルル、グッジョブ。
「お?まぁ、俺は良いぞ」
「あぁ、俺も問題無いぞ」
と言うことで、承諾したのだが・・・。
「はぁい、酢豚食べなさいよ、酢豚!」
「一夏さん、サンドイッチもどうぞ!」
彼に迫る二人の少女。
一夏、頑張れよ。
▽
その日の夜 一夏の部屋
「はぁ、同居人が男同士ってのも良いものだなぁ」
彼は今シャルルと二人でお茶を飲んで寛いでいた。
「紅茶とは随分違うんだね、不思議な感じ。でも、美味しいよ」
そう言って緑茶を啜り、ほぅ、と息をつくシャルル。
「一夏は放課後、いつもウィルと一緒にISの特訓をしてるって聞いたけど、そうなの?」
「あぁ、俺は他の皆より遅れてるからな・・・。ウィルと一緒に特訓してるんだ」
「僕も加わって良いかな?専用機も有るから、役に立てると思うんだ」
「あぁ、是非頼む!二人より三人の方が楽しいしな」
「うん、任せて!」
こうして一夏とウィリアムの特訓に新たなメンバーが加わった。