空軍パイロットのIS転生記   作:Su-57 アクーラ機

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第21話

アリーナ 競技場

 

 

「だから、こう、ズバァ!とやってから、ガギッ!ドカ!と言う感じだ」

 

 

「何となく分かるでしょう?感覚よ感覚、はぁ!?何で分からないのよ!馬鹿!」

 

 

「防御の時は、右半身を斜め上、前方へ5゜!回避の時は後方へ20゜ですわ!」

 

放課後、俺達はアリーナにてIS訓練に勤しんでいた。目的は一夏のレベルアップだ。

その為、箒、セシリア、鈴に加え、俺も訓練に付き合っていたのだが・・・。

 

「率直に言わせてもらう・・・全然分からん!」

 

「何故分からん!」

 

「ちゃんと聞きなさいよ!ちゃんと!」

 

「もう一回説明して差し上げますわ!」

 

「んな事言われたって、ウィルは分かるのか?」

 

「うーん、言いたいことは多少は分かるが、些か内容に欠けるな・・・。正直、俺も分からん」

 

「ほら見ろ、ウィルだってそう言ってるぞ?」

 

「「「なんで!?」」」

 

「いや、そもそも箒は擬音だらけ。鈴は・・・まぁ、感覚ってのは人それぞれだが具体性に欠けているな。そしてセシリアは細か過ぎる。一夏にそんな事言って分かると思うか?」

 

「「「確かに・・・」」」

 

「今、然り気無くdisられた様な・・・」

 

と話していると

 

「一夏、ウィル」

 

シャルルがこちらにやって来た。

 

「おぉ、シャルル」

 

「一夏、ちょっと相手してくれる?白式と戦ってみたいんだ」

 

「あぁ、分かった。と言う訳だから、また後でな?」

 

そう言いながら、競技場の真ん中に移動して行く。

 

 

結果は一夏の負け。

見ていて分かったが、セシリアの時と同じく射撃兵器を扱っていないのが原因の一つだろう。

 

「つまりね、一夏が勝てないのは、単純に射撃武器の特性を把握出来ていないからなんだよ」

 

シャルルもそう言っている。

 

「うーん、一応分かっているつもりだったんだが・・・」

 

「この白式って後付武装(イコライザ)が無いんだよね?」

 

「あぁ、拡張領域(バススロット)が空いてないらしい」

 

「多分だけど、それってワン・オフ・アビリティの方に容量を使っているからだよ」

 

「ワン・オフ?」

 

「ISが操縦者と最高状態の相性になった時に自然発生する能力。白式の場合は、零落白夜がそれかな?」

 

「ははぁ、お前の説明って分かりやすいな!」

 

楽しそうに、シャルルと話す一夏。

それを隠れて見る、三人の少女+とばっちりを受けた俺。

 

「私のアドバイスは聞かない癖に」ボソッ

 

「あんなに分かり易く教えてやったのに」ボソッ

 

「わたくしの理論整然とした説明に何の不満が・・・」ボソッ

 

「何で俺まで?俺も練習に混じりたいんだが・・・」

 

「お前は同じ男として、あの説明をどう思う?」

 

「いや、普通に分かり易いんじゃないか?と言うことで、俺も向こうに行かせてもらうよ。スィーユー」

 

そう言って、ISを展開してウィリアムは物陰から出て行ってしまった。

 

「よう、お疲れさん」

 

「あぁ、ウィルか。一体どこに?」

 

「いや、ちょっとな」

 

横目で物陰を見る。

 

「?そうだ、話を戻すけど、零落白夜ってシールドエネルギーまで攻撃に使う、滅茶苦茶な技だぜ?」

 

「あぁ、あの時もそれで負けちまったもんな。威力は申し分無いんだけどな・・・」

 

「うーん・・・確かにそれに依存しきるのも危険だよね・・・」

 

シャルルが顎に指を当てて考える。

 

「じゃあ、ちょっと練習してみよう」

 

そう言って、一夏に自分のアサルトカノンを差し出した。

 

「他の奴の装備って使えないんじゃなかったのか?」

 

「普通はね。でも所有者がアンロックすれば登録してある人全員が使えるんだよ?」

 

「へぇ、そうだったのか。なら一夏、後でこいつも使って見ないか?」

 

そう言って取り出したのは、以前にパットン准将に無理矢理送り付けられた、40mm機関砲。

 

「こいつは?」

 

「あぁ、前に本国が送ってきた武器でな、航空機搭載型の40mm砲をIS用に改造したものだ。一応、試射はしてある。当たればとんでも無い威力だぞ?色々な武器を試してみると良い」

 

「あぁ、ありがたく使わせてもらうよ」

 

そう言って射撃練習に入る。

 

「えぇ、構えはこんなんで良いのか?」

 

「えっと、脇を締めて。それと、左腕はこっち。分かる?」

 

端から見れば、シャルルが一夏に後ろから抱き着いているようにしか見えない。

・・・そこ、「一×シャルも・・・ウヘヘ」とか言わない。

そして、ダンッ、ダンッ、ダンッ、ダンッと次々に的を撃ち抜いて行く。

シャルルの支援が有ったとしても、良いセンスだ。

 

「おぉ~」

 

「どう?」

 

「なんかあれだな、取り敢えず『速い』って言う感想だ」

 

「ナイスショットだ一夏、やるじゃないか。なら次はこの40mmを━━━」

 

「ちょっと、あれ・・・」

 

彼に機関砲を渡そうとした時、一人の女子生徒の声によって遮られる。

視線の先には、真っ黒なIS。

操縦者は━━

 

「ボーデヴィッヒか」

 

ラウラがこちらを向く。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ・・・!」

 

「何?あいつなの?一夏をひっぱたこうとしたドイツの代表候補生って!」

 

「っ・・・!」

 

セシリア、鈴、箒が警戒心剥き出しで彼女を見上げる。

すると、ラウラが口を開いた。

 

「織斑一夏」

 

「・・・何だよ」

 

「貴様も専用機持ちらしいな?ならば話は早い。私と戦え」

 

「嫌だ、理由が無ぇよ」

 

そう言って相手にしない。

 

「貴様には無くても、私にはある」

 

「今で無くとも良いだろ?もう直ぐクラスリーグマッチだから、その時で」

 

「・・・ならば」

 

ラウラのIS『シュヴァルツェア・レーゲン』の右肩に搭載されたレールカノンの砲身が一夏の方を向き、何の躊躇いも無く砲弾が発射された。

 

「なっ!?」

 

しかし、間一髪のところでシャルルが一夏の前に出て砲弾を弾いた。

本当にギリギリだ。みんなが胸を撫で下ろす。

だが、それと同時に俺はラウラに対して怒りが沸き上がった。

無抵抗な人間に対して発砲?周りにいる奴もお構いなしかよ。ふざけやがって・・・!

 

「おい、ボーデヴィッヒ!!」

 

「?また貴様か、今度は何だ?」

 

「何だ、だと?」

 

俺は彼女の後ろのスペースに着地し、両手に持つ30mm機銃と40mm砲を向ける。

 

「お前はその歳でまだやって良い事と悪い事の判別が付かないのか?もしそうなら、幼児教育からやり直してこいっ!!」

 

「何だと貴様・・・」

 

ラウラがスッと目を細める。

その時、スピーカーから先生の怒鳴り声が響いた。

 

『そこの生徒!何をやっている!クラスと出席番号を言え!』

 

「・・・ふん、今日の所は引いてやる」

 

そう言って、ISを解除し去ってしまった。

 

「言ってろ・・・!」

 

しばらくしてから、俺も頭を冷やし一夏の元に戻った。

 

 

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