空軍パイロットのIS転生記   作:Su-57 アクーラ機

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第26話

学年別トーナメント当日

 

一夏、俺、シャルルは、更衣室で着替え中だ。

 

「へぇ~、しかし凄いな、こりゃ」

 

壁のテレビを見ながらそう呟く一夏。

 

「3年にはスカウト、2年には一年間の確認にそれぞれ人が来ているからね」

 

「ふーん、ご苦労なこった」

 

「さっきからお偉いさんが来てたのはそれが理由か。俺もついさっき、ジョーンズさんに会ったよ」

 

あの人も大変だな。と言って俺もテレビを見上げながらスーツの装備を整える。

 

「一夏とウィルはボーデヴィッヒさんとの戦いだけが気になるみたいだね」

 

「あ、ああ、まあな?」

 

「そりゃあ、なぁ?」

 

「感情的にならないでね?」

 

シャルルが念を推してくる。

 

「ボーデヴィッヒさんはおそらく、一年の中では最強だと思う・・・」

 

「あぁ、分かってる」

 

「その忠告、肝に命じておくよ」

 

シャルルの真剣な眼差しに俺達も気合いを入れ直す。

そんなやり取りをしていると、するとテレビの画面が変わり、トーナメント表が表示された。

 

「対戦相手が決まったね」

 

「・・・ああ」

 

「さて、誰が初戦だ?」

 

俺達は画面に集中する。

 

「え!?」

 

「は!?」

 

「おいおい・・・!こりゃあ何のジョークだ?」

 

 

同時刻、女子更衣室

箒はトーナメント表が映し出された画面を睨んでいた。

・・・何と言う組み合わせだ。

横にいる人物を見る。

そこにはラウラが画面を無表情で見つめていた。

最悪だ・・・。

映し出されたトーナメント表。箒のペアはラウラ・ボーデヴィッヒ。

それも初戦で、一夏とウィリアムのペアとの戦闘だった。

 

 

アリーナ競技場

 

そこにはISを展開した、一夏とウィリアムが立っている。

対するは同じくISを展開したラウラと学園のIS『打鉄』を纏った箒。

両チーム共に睨み合う。

 

「一戦目で当たるとはな、待つ手間が省けたと言うものだ」

 

「そりゃあ、何よりだ。こっちも同じ気持ちだぜ」

 

試合開始のカウントダウンが始まる。

 

「やるぞ一夏!マスターアーム、オン!」

 

搭載兵装の安全装置を解除。

 

『試合開始!!』

 

「「「叩きのめす!!」」」

 

試合開始と同時に、俺は少し高度を上げてから相手に接近する。

 

「うおぉぉおお!!」

 

一夏が雄叫びと共に突撃する。

━━が、早速ラウラのAICによって動きを止められた。

 

「開幕直後の先制攻撃か?分かり易いな」

 

「そりゃあどうも。以心伝心で何よりだ」

 

「なら次に私が何をするのかも分かるな?」

 

ラウラの右肩の砲が一夏を正面に捉える。

砲弾が発射される瞬間、俺がラウラに対し機銃を掃射し、妨害した。

 

「くっ!」

 

ラウラはなんとかそれを防御し、回避行動に移る。

 

「逃がさん・・・!」

 

俺は右手の30mm機銃と、主翼ハードポイントに装備した『無誘導ロケット(RKTL)』を発射した。

上空から毎分1800発の砲弾と大量のロケット弾の雨が彼女に殺到する。

しかし、そこに箒が現れ、機銃弾の幾つかを弾き、ロケットを両断してしまった。

 

「な、何・・・!?」

 

まさか両断されるとは・・・。

 

「私を忘れてもらっては困る!」

 

今度は一夏と箒のブレードがぶつかり合う。

俺は隙を見て兵装を変更。箒に30mm機銃と今度は40mm砲を向けた。

 

「しまった!?」

 

箒が俺の意図を察するも一夏が逃がさない。

 

「ナイスだ一夏、もう少し耐えてくれよ?」

 

俺が引き金を引こうとしたその時、箒のIS脚部にラウラのワイヤーブレードが絡み付き、そのまま引っ張り上げた。

 

「うわっ!?」

 

箒が宙に投げ飛ばされる。

 

「・・・助けた、のか?」

 

「いや、あれは助けたんじゃない。退けたんだ(・・・・・)

 

「ぐああっ!!」

 

箒が地面に叩き付けられたが、ラウラは気にも留めず、一夏に攻撃し始めた。

なら、俺の相手は・・・

叩き付けられた箒はめげずに立ち上がり、突撃してくる。

相手がブレードのみなら、攻撃の隙は幾らでもある。

俺は箒に向かって弾幕を展開した。

 

「一夏がボーデヴィッヒと戦ってるなら、俺の相手はお前だな。正直、お前の剣術はかなりの脅威だと身に染みたからな。先に倒させてもらう!」

 

「くっ!近付けない・・・!」

 

 

アリーナ コントロールルーム

 

 

「先に篠ノ之さんを倒す作戦でしょうか?」

 

山田先生が織斑先生に問い掛ける。

 

「賢明だな、ボーデヴィッヒは自分側が複数での戦いを想定していない、パートナーの事は端から数に入れていない」

 

「それに比べて、織斑君とホーキンス君の連携は、素晴らしいの一言ですね?」

 

「・・・このくらいは、出来て当然だ」

 

相変わらず辛口である。

 

 

やはりと言うか、箒が弾幕を抜けて、ブレードを振り下ろして来た。

 

「くっ!お返しだ!」

 

手に持っていた機銃で斬撃を防ぎ、お返しに40mm砲を三連発。

 

「っ!?」

 

弾は全弾命中し、箒は戦闘不能になった。

 

「ターゲットダウン」

 

「ここまでか・・・!」

 

箒が悔しそうに呟く。

脅威の排除に成功した俺は次のターゲット、ラウラに向けて、40mm砲を続け様に発砲。

数発が命中し、一夏とラウラは一端距離を取る。

 

「待たせたな」

 

「助かったぜ、ありがとよ。箒は?」

 

「あっちでお休み中だ」

 

親指をクイッと箒の方に向け、撃破報告をする。

 

「流石だな」

 

「サンクス。でも、なかなか手強かったよ」

 

「それじゃあ、俺はこれで決める!」

 

一夏が零落白夜を発動し、突撃。俺も機銃を撃ちながら、ラウラの周囲をすり鉢状に旋回した。

途中ラウラのAICに捕まるも、一夏の攻撃によって妨害され、レールカノンの一撃を浴びる直前で解放された。

 

「・・・?もしかして!」

 

一夏が何かを察して再度ラウラに攻撃をする。

 

「ふっ、無駄なことを」

 

AICで一夏を拘束する。

ラウラが一夏に攻撃をしようとした瞬間。

 

「忘れているのか?俺達は、二人なんだぜ?」

 

「っ!?」

 

直後、一夏の背後からウィリアムが突然現れ、機銃を発砲。

 

「くっ!」

 

見事、ラウラのISのレールカノンを破壊した。

 

「やっぱり!思った通りだ!」

 

「思った通り?」

 

俺は一夏に質問する。

一夏の予想、もしかしてAICは複数相手に使用は出来ないのでは?と言うものだったらしい。

結果はビンゴ。これで戦闘が楽になる。

 

「一夏、お前やるじゃねぇか!ナイスだ!!」

 

「おう!サンキュー!一気に畳み掛けるぞ!」

 

黒煙を上げながら、離脱しようとするラウラを追撃する。

さっきの事で戦いのペースを崩されたラウラの被弾が増える。

よし、止めだ!やってやれ一夏!

 

「うおおおお!!」

 

一夏がラウラに斬りかかる。

しかし━━

 

「・・・え?」

 

ブレードの青白い光が失われた。

言わずもがな、エネルギー切れだ。

 

「・・・マジか・・・」

 

動揺する一夏をラウラは見逃さない。

 

「限界までシールドエネルギーを消耗しては、もう戦えまい!」

 

「うわっ!?」

 

まずい、今度は一夏のペースが崩れた!

一夏が地面に叩き落とされ、それを空かさず追撃しようとするラウラを俺は援護射撃で妨害する。

 

「邪魔だっ!!」

 

ラウラのISからワイヤーが飛んでくる。

 

「ヤバッ・・・!」

 

それが脚に絡み付き、捕縛された。

 

「やはり、貴様も所詮敵では無かったか。織斑一夏に前に邪魔な貴様から潰してやる」

 

そう言いながら、ラウラが腕からブレードを出して近づいてくる中、俺は咄嗟に主翼からミサイルを発射した。

 

「・・・どこを狙っている?」

 

どうやら、俺の意図に勘づいてはいないようだ。

その言葉を聞いて、俺はニヤリと嗤った。

 

「ふっ、それはどうかな?」

 

「どうした?苦し紛れの一言がそれか?」

 

「余裕こいてる暇があるんなら、さっさと離れたらどうなんだ?」

 

「貴様、何を言って━━」

 

「━━なぁ、LOALって知ってるか?」

 

突如、ラウラのISからロックオン警報を鳴り響く。

そして━━

ボォンッ!

 

「ぐあっ!?」

 

突如、彼女の背中で爆発が起きた。

 

LOAL━━Lock On After Lunchの略。

日本語では『発射後ロックオン』と言う。

これはミサイルに予め簡単な座標を覚えさせ、発射。

発射されたミサイルは座標に従い飛行し、目標を自ら発見、撃破する。

 

IS用のミサイルは小さいので、明後日の方向に飛ばしてもなんとか命中させることが出来た。

まさにIS様様である。

と言うより、あのサイズで通常の戦闘機のミサイル並みの威力を持ってる事にも驚きだが・・・。

ラウラがなんとか態勢を立て直す。

 

「まだ終わって無いぞ!」

 

俺はラウラに向かって発砲しながら、アフターバーナーをフルにして突撃する。

 

「速い・・・!その大きさで何故!?」

 

「俺のISがデカイのはメインとは別にジェットエンジンを積んでるからさ!」

 

「なっ、ISにそんな物を積んでいたのか!」

 

「この搭載量で速度を出すには、こっちが断然良いからな!」

 

「だが、幾ら速くてもこの私の停止結界の前では━━ぐっ!?」

 

また、背中で爆発。

ラウラが今度は何事だ?と振り返ると、俺の40mm砲を構えた一夏が立っていた。

 

「こ、の・・・!死に損ないがぁぁぁ!!」

 

ラウラがワイヤーを一夏に発射。

 

「ぐあっ!?」

 

ワイヤー先端のブレードが一夏に直撃した。

 

「どこを見ている!」

 

「し、しまった!」

 

一夏、ナイスだ。お陰で隙が出来た・・・!

俺は、ラウラを強引に掴んでフルパワーで急上昇して行き、ある程度の高度に到達すると縦に回転して彼女を振り回し、壁に叩き付けた。

そして、止めの一撃を放つ準備をする。

 

「この距離なら目を瞑ってても当てられるな」

 

そう言いながら、エアインテーク下のウェポンベイを開放。中から黒光りする何か━━空対地ミサイル(AGM)が顔を覗かせる。

 

「これで最後の仕上げだ!」

 

空対地ミサイルを切り離した。

ミサイルは誘導に従いラウラに吸い込まれるようにして命中する。

黒煙が晴れると、そこには満身創痍のラウラが壁に寄り掛かっていた。

 

 

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