空軍パイロットのIS転生記   作:Su-57 アクーラ機

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第27話

ラウラに止めの一撃を放った後。

 

「ふぅ、やったか?」

 

少しやり過ぎたな・・・大丈夫か?

 

「ウィル!大丈夫か?」

 

「あぁ、なんとかな・・・。流石にあれだけ喰らったんだ。大丈夫だと思うが、試合終了の合図まで気を抜くなよ?」

 

「分かってるさ」

 

 

私は、負けられない・・・!負けるわけにはいかない・・・!

ラウラは忌々しい過去を思い出す。

 

『遺伝子強化体C-0037、君の新たな識別記号は“ラウラ・ボーデヴィッヒ”』

 

私はただ、戦いの為に造られ、生まれ、育てられ、鍛えられた。

私は優秀だった。

最高レベルを維持し続けた。

しかしそれは世界最強の兵器、ISの出現までだった。

直ちに私にも、適合性向上の為に、肉眼へのナノマシンの移植手術が行われた。

しかし、私の身体は適応しきれず、その結果、出来損ないの烙印を押された。

そんなとき、あの人に出会った。

彼女は極めて有能な教官だった。

私はIS専門の部隊で、再び最強の座に君臨した。

 

『どうして、そこまで強いのですか?どうすれば強くなれますか?』

 

『私には弟が居る』

 

微笑みながら彼女は答える。

 

『っ!!』

 

・・・違う。

どうして、そんなに優しい顔をするのですか?

私が憧れるあなたは、強く、凛々しく、堂々としているのに・・・!

ラウラの胸にドス黒い感情が芽生え始める。

・・・だから、許せない、教官をそんなに風に変える男を!そして私の邪魔ばかりする、目障りなあの男も・・・!!

 

・・・力が、欲しい。

 

『願うか?汝、より強い力を欲するか?』

 

寄越せ、力を、比類なき最強を!!

 

Damage Level・・・・・・D.

Mind Condition・・・・・・Uplift.

Certification・・・・・・Clear.

 

《Valkyrie Trace System》・・・・・・boot.

 

 

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!

 

「「!?」」

 

突如ラウラの叫び声がアリーナに響いた。

彼女のISからはスパークが発生し、みるみる形状が変化していく。

 

「な、何だ!?」

 

あまりに突然の事態に一夏が慌てる。

 

「俺が知るかよ!って、おいおいおい・・・!何なんだあれは!?」

 

そう言いながら、俺も思わず後退りしてしまう。

ラウラのISはまるで意思を持った液体の様に蠢き、肥大化して行き、もがき苦しむ彼女をも呑み込んでしまった。

 

「っ!!」

 

彼女が呑み込まれる寸前、俺と目が合った。その目は酷く寂しそうと言うべきか・・・言葉では言い表せないものだった。

ソレは段々と巨大な人の形へと成りはじめる。

アリーナの警報が鳴り始める。

 

『非常事態発生!全試合は中止、状況はレベルDと認定。制圧の為、教師部隊を送り込む!』

 

観客席と特等席のシャッターが閉鎖する。

 

「あの剣・・・?千冬姉と同じじゃないか・・・!」

 

一夏がそう呟く。

 

「おい、何を言っているんだ?」

 

俺は箒をISから降ろしながら一夏に聞く。

だが一夏は、「俺がやる」

そう言ってブレードを構える。

 

「おい、待て!一人で言ったら━━」

 

言葉を続ける間は無かった。

奴がとんでもない早さで一夏に斬りかかったのだ。

 

「がっ・・・!?」

 

対処しきれず、ブレード落としてしまった。

だが、そんな事相手はお構い無しに巨大なブレードを振り下ろした。

 

「ぐぁっ!」

 

一夏は吹き飛ばされた。

腕に諸に命中したのか、血が出ている。

ISの装甲に救われたようだ。

一夏は怒りと悔しさの入り交じった顔で敵を睨む。

 

「この野郎ぉぉ!!」

 

あの馬鹿っ、生身で・・・!

止めようとした時、箒が彼の腕を掴んで引き留めた。

 

「馬鹿者!何をしている、死ぬ気か!?」

 

「生身で突っ込むなんて、正気の沙汰じゃねぇぞ!?」

 

それでも彼は振りほどこうとする。

 

「離せっ!あいつ、ふざけやがって!ぶっ飛ばしてやる!!」

 

一夏は完全に頭に血が昇ってしまっていた。

 

「離せっ、箒!邪魔するなら━━━」

 

「ぶっ飛ばされるのは、お前だ!」

 

「ぐっ!」

 

一夏は俺に殴られ、目を白黒させている。

俺は一夏の胸ぐらを掴み、怒鳴った。

 

「いい加減にしろ!何がお前をそこまで怒らせたかは知らんが、作戦は!?勝算は!?それでお前が死んだらどうする気だ!?」

 

「っ・・・・・」

 

どうやら、少しだけ冷静になったようだ。

 

「・・・あの技は、千冬姉だけの技なんだ・・・!」

 

「今のお前に何が出来る?白式のエネルギーも残っていない状況でどう戦う!?」

 

箒が一夏を説得する。

・・・教師部隊が到着したようだ。

 

「見ろ、お前がやらなくても、状況は収拾される」

 

「・・・違うぜ箒、全然違う。俺がやらなきゃいけないんじゃない、これは俺がやりたいからやるんだ!」

 

「っ!ではどうすると言うのだ!」

 

箒が一夏の言葉に声を荒げる。

 

「そうだぞ一夏。IS無しじゃ余りにも無謀だ」

 

そこへ別の声が掛かった。

 

「エネルギーが無いなら、持って来れば良いんだよ」

 

そこにはシャルルが立っていた。

 

「・・・持って来る?どう言う意味だ?」

 

「大丈夫、任せといて」

 

そう言いながら彼女はISからコードを取り出し、一夏のブレスレットに接続する。

 

「リヴァイヴのコアバイパスを解放。エネルギーの流出を許可」

 

「成る程、そんなことが出来たのか」

 

戦闘機同士のバディ給油と同じだ。

彼女の言葉の意味を理解した。

 

「なら、一夏一人に任せる訳にもいかないな」

 

俺は一夏に向き直り、ニッと笑う。

 

「ウィル・・・」

 

「友人を一人で危険に向かわせるなんて、男が廃るぜ。それに、ボーデヴィッヒも助けてやらないとな?」

 

「約束して、絶対に勝つって!」

 

シャルルが俺達に言ってくる。

 

「勿論だ、負けたら男じゃねぇよ」

 

「ああ、まったくだ」

 

俺達は自信満々に答える。

 

「ふふっ、じゃあ、負けたら明日から女子の制服で通ってね?」

 

「え゛!?」

 

シャルルのえげつない一言に箒が若干引く。

 

「い、良いぜ」

 

「お、おぅ、ノープロブレムだ」

 

・・・言質は録られた、負けられないな。

 

 

「・・・これで完了だ」

 

「ありがとよ」

 

一夏が白式を展開する。

教師部隊が突然後方に下がり始めた。

 

「織斑先生か・・・」

 

どうやら彼女が指令を飛ばした様だ。

 

「一夏、ウィリアム、絶対に死ぬな!」

 

箒からの激励が贈られる。

 

「信じろ」

 

一夏が箒に言葉を返した。

 

「俺を、ウィルを、信じて待っていてくれ。必ず勝つ」

 

「ふっ、何だかテンションが上がるな」

 

俺達は敵ISの前に立つ。

 

「で、作戦は?」

 

「あぁ、俺が零落白夜でアイツを斬って、ラウラを引っ張り出す。その間、ウィルは気を惹いてくれないか?」

 

「単純な作戦だが、乗った!下手に複雑なのよりよっぽど良い」

 

「行くぜ、偽者野郎!」

 

「よっしゃあ!やったろうぜ!」

 

敵ISに向けて攻撃を開始した。

 

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