俺はあの日死んだ筈だった。
忘れようのない記憶・・・。
敵の巡洋戦艦に体当たりを行い確かに死んだ筈だ。
なのに
何故?
未だ理解が追いつかない。
「ほーら、あんよは上手♪あんよは上手♪」
何故、俺は二人の男女に囲まれながら、
時は遡り、一年と半年前━━
「どこだ?ここは・・・」
辺りを見回してもあるのはどこまでも続く地平線。
何も無い・・・。そう言えば昔、自分の命を粗末に扱う奴は地獄行きになると同僚から聞いたことがあったな・・・。ならここは地獄か?
と自嘲気味に一人で考える。
「いえ、ここは天国でも地獄でもありません」
声が聞こえた。いや、返答された。
「っ!?誰だ!?」
突然、何も無いところから人が現れて、自分の疑問に答える。
結構ビビった。
「そんなに警戒しないで下さい。別に捕って食おうと言うわけじゃありませんよ」
目の前の少年は苦笑いしながらそう言う。
「・・・君は?」
「何でも有りません。強いて言うなら、あなた方が言う神・・・ですかね」
驚いた、こんな少年が神とは・・・。
「この姿は仮の姿です。僕たちに明確な姿形は有りません、話しやすいようにしているだけです」
・・・また思考を読まれた。プライバシーと言う概念は無いのか?
「おっと、話がそれましたね。あなたは前世で敵の戦艦に体当たりを行い戦死した・・・これで合っていますね?」
「あ、あぁ、それで合っt!そ、そうだ!敵旗艦は!?隊は無事か!?」
思わず目の前の神に掴み掛かりそうになるのを耐える。
「安心してください。敵旗艦は撃沈。隊は無事です。主力を失った敵国はもうじき降伏するでしょう」
「そうか・・・良かった・・・」
一先ず心配事は去った。
「さて、本題です。あなたにはこのままあの世に逝くのではなく、別の世界で新たな人生を送ってもらいます」
「・・・は?」
別の世界?ナニソレ?
「ちょ、ちょっと待t」
「それでは、良いセカンドライフを!」
唐突な浮遊感。
「うわぁぁぁああぁぁ!!?」
そこで、また俺の意識は途絶えた。
▽
ん?ここは・・・どうやらまた別の所に飛ばされたようだな・・・?
視界が真っ暗だ。
手足に力が入らない。
ちょっと待て、一体何が起きている!?おい、誰か居ないのか!?
「おぎゃぁぁ!おぎゃぁぁ!」
ん?おぎゃぁぁ?赤ん坊が近くに居るのか?
「あらあら、どうしたの?」
見知らぬ女性に抱き抱えられ、そこでようやく脳内処理が追い付いた。
も、もしかして俺が赤ん坊に?
つまり、あの神様が言ったセカンドライフって・・・。
ここから始まるのかよぉ・・・。
ここに、鮫と呼ばれたウォーバード隊1番機 ウィリアム・ホーキンス“元”空軍中佐のセカンドライフが始まった。
━━そして今に至る。
「キャー!あなた、見て!ウィルが一人で歩いているわ!」
「おぉ!スゴいぞ~ウィル!」
まさか、記憶を保ったまま転生するとは・・・。まあ、その方が色々と有利ではあるが。
っと、ここでこの二人を紹介しておかないとな。
二人ともアメリカ?人で、女性の方は“バージニア・ホーキンス”俺の母親だ。どこかの会社の社員らしいが、別に知っておかなくても問題は無いだろう。
男性の方が“ジェームス・ホーキンス”彼は大手航空機メーカー『ウォルターズ・エアクラフト』の航空開発部の責任者らしい。ちなみに兄がいて、名は“トーマス”。軍の将校らしい。すごい家系だな。
二人共、とても俺に良くしてくれている。
前に偶然知ったのだが、俺は捨て子らしい。
家の玄関に籠の中にいた俺と置き手紙に『この子の名前はウィリアムです』とだけ、書いてあったそうだ。
前世では家族を早くに失っていた俺は、この家族に愛情を持っていた。
それにしても、まさかこっちに来ても“ウィリアム・ホーキンス”とはすごい偶然だな。
まぁ、せっかくチャンスを与えられたんだ、こっちでもパイロット目指そうかな・・・。
まぁ、しばらく先の話だがな。
まだ、このサイトで書き始めたばかりなので右も左も分からない状態ですので、何か間違いが有れば是非、指摘してください。今後ともよろしくお願いいたします。