空軍パイロットのIS転生記   作:Su-57 アクーラ機

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第30話

翌日 

 

 

「おい一夏、シャルルはどうした?」

 

いつも彼といるはずのシャルルが居ない。

 

「さぁ?何か朝起きたらそのままどこかに行っちまったんだよ」

 

「どこかって・・・」

 

一体何が遭ったのか。

 

「席に着け。HRを始める」

 

織斑先生が号令を出し、俺達は各々の席へ着席する。

 

「山田先生」

 

「はい・・・」

 

どうしたんだ?先生が何時もより元気無いぞ?

 

「・・・今日は皆さんに転校生を紹介します」

 

Oh・・・またかよ、どんだけ転校生来るんだよ。

そんな事を考えていると、転校生が教卓に向かう。

ん?あの顔どこがで・・・って!

 

「“シャルロット・デュノア”です。皆さん、改めてよろしくお願いします!」

 

なんと、女子の制服に着替えたシャルルだった。

 

「えぇ~と、デュノア“君”はデュノア“さん”と言う事でした。はぁ、また部屋割りの組み直しです・・・」

 

疲れた様にそう説明する山田先生。

そうか!一夏や俺、シャルルが考えた、彼女が安全に学園生活を送れる方法。

それは、間違って男としてこの学園に転入して来た(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)事にすれば良かったのだ。

つまり、シャルロットが彼女の本名か。

 

「・・・は?」

 

箒の声を皮切りに教室がざわめく。

 

「デュノア君って女?」

 

「おかしいと思った。美少年じゃなくて、美少女って訳だったのね!」

 

「って織斑君!同室だから知らないってことは・・・ホーキンス君もよく一緒に居たのに気付かなかったの?」

 

段々と雲行きが怪しくなって来たぞ?

そこへ、とうとうバンカーバスター(地中貫通爆弾)が投下される。

 

「待って!そう言えば、昨日って男子が大浴場使ったわよね?」

 

バキィッ!

何者かが教室の壁を粉砕して侵入して来た。

 

「いぃちかぁぁああ!!」

 

ISを展開した鈴だ。

彼女は髪を逆立てながら、衝撃砲の発射態勢をとる。

 

「死ねぇぇええ!!」

 

「ちょっ!?待て待て!ウィル、た、助けてくれ!!」

 

俺の後ろに隠れる一夏。

 

「待て!何で俺の所に来るんだよ!?って違う!鈴、落ち着け!クールになろうぜ?な?そんなもんぶっ放したら他の奴らにも被害が・・・っていねぇ!?」

 

既に退避済みの様だ。

 

「アンタも同罪よ!」

 

「理不尽!?待て。いや、待って下さい!ブルー・オン・ブルー(俺は味方だ)!こんなの喰らったら俺絶対に死ぬってぇぇええ!!」

 

爆発音が聞こえる。

 

あぁ、俺死んだのか?一度体験はしているが、案外痛くないものだなぁ・・・。

そう呑気に思いながら自身の身体をペタペタと触って、ゆっくりと瞼を上げる。

ん?感覚がある?俺、死んでないのか?

生きてる?・・・俺生きてる!!

視線の先にはISを展開したラウラが立っていた。

よく見ると、右肩のレールカノンが無い。

まぁ、壊したのは俺なんだが・・・。

 

「ら、ラウラか?お前そのIS・・・と言うより、身体はもう大丈夫なのか?」

 

「ああ、コアは辛うじて無事だったからな、予備パーツで組み直した。身体の方は問題無い」

 

こちらを振り向いてそう告げる。

 

「そうか、それはよかった。スマンな、助かっ━━━んむぅ!?」

 

言葉は最後まで言えなかった。

なんと、彼女が俺の胸ぐらを掴んでキスをして来たのだ。

頬にじゃねぇぞ、唇にだ。しかもたっぷり5秒。

 

「!?!?!?」

 

しばらくしてから解放される。

 

「ら、ラウラ?何を・・・?」

 

ダメだ、混乱して言葉を上手く発っする事が出来ない。

そして彼女は顔をうっすらと赤く染めながら、高らかに宣言して来た。

 

「お、お前は私の嫁にする。決定事項だ、異論は認めん!」

 

「」

 

「「「「ええええええ!?」」」」

 

生徒達が驚愕の声をあげる。

 

「うぃ、ウィル?大丈夫か?」

 

さっきから黙っているウィリアムを見て、一夏が心配そうに呼び掛けた。

だが、彼は━━

 

「・・・Are you serious(マジで?)?」

 

バタッ

とうとう脳の思考回路がショートして、その場に倒れてしまった。

 

 

 

少ししてから、彼は目を覚ました。

 

「ウィル、大丈夫か!?」

 

「ん?ああ、一夏か。何か妙な夢を見た気がするんだが・・・。と言うより、何で後頭部が痛いんだ?」

 

「それは・・・」

 

「起きたか?我が嫁よ」

 

「・・・・・・ソーリー、一夏。どうやらまだ夢の中の様だ」

 

「いや、これは夢じゃなくてだな・・・」

 

「ハハッ、面白いジョークを言うな、お前は」

 

「・・・織斑先生・・・ウィルがおかしくなりました」

 

「分かっている。どうしたものか・・・」

 

織斑先生が眉間に手を宛て、かぶりを振る。

 

「織斑先生?あの歩く暴力装置の?」

 

「あ゛?」

 

「ちょっ、ウィル!なんて事を・・・!」

 

「・・・織斑、そこを退いていろ・・・」

 

「え?で、でも・・・」

 

「退・い・て・い・ろ」

 

「は、はいぃ~~」

 

一夏を含めた生徒達が半泣きの顔をする。

無理も無いだろう。今、彼女の後ろには修羅が立っている様に見えたのだから。

 

「さて、ホーキンス、最後に言い残す言葉はあるか?」

 

相変わらず怖い人だなぁ。だが!夢の中なら俺は無敵だ!

一度言ってみたかったセリフがある。

 

「・・・怖いか、クソッタレ。当然だぜ。

U.S.A.F.(合衆国空軍)の俺に(夢の中で)勝てるもんか」

 

ピキッ

 

「ほう、なら試して見るか?こっちは元ブリュンヒルデだ」

 

彼は何も知らずに死刑執行書にサインをしてしまったようだ。

死刑執行人(織斑先生)がゆっくりと、その大きな鎌(握り締めた拳)を振り上げながら歩み寄ってきた。

 

「いい加減!」

 

ドカッ!

 

「痛っ!え!?」

 

「正気に!」

 

バキッ!

 

「フゲッ!?ちょ、まさか・・・!?」

 

「戻らんか!この馬鹿者ぉ!」

 

ゴスッ!

 

「ギャアァァァ!!」

 

執行完了。

 

 

 

「以後、教師に対する態度を改めるように。良いな?」

 

織斑先生の目がギラリと光る。

 

イエフ・ミフ。フミマヘンデシダ(イエス・ミス。すみませんでした)

 

「よし、なら今日のところは不問とする。一時限目の用意をしろ」

 

生徒達は半泣きでコクコクと頷く中、俺はのそり。と、立ち上がる。

 

「・・・鈴、一夏ぁ。てめぇら後でグラウンドに集合しろぉぉ・・・」

 

「え?」

 

「で、でも━━」

 

「良・い・な・?」

 

「「・・・はい」」

 

お前らのせいで俺はこんな目に・・・。

ゆ゛る゛さ゛ん゛!

 

 

放課後 グラウンド

 

グラウンドには一夏と鈴、そしてISを展開した俺が立っている。

 

「さて、諸君。なぜ君達がここに呼ばれたかは・・・分かるよな?」

 

少しドスの効いた声で質問する。

 

「さ、さぁ?分からないなぁ?」

 

「い、いやぁ、何でかしらぁ・・・?」

 

蒼い顔をして惚ける二人。

 

「・・・・・」

 

俺は無言で右手の機銃を左手にペチペチと打ち付ける。

 

「そうか。分からないかぁ~。ハッハッハッ」

 

「「ア、アハハハハ・・・」」

 

俺の笑いにつられて二人も引きつった顔で笑う。

だが、聞いた事は無いか?笑顔とは、本来威嚇や攻撃。もしくは服従の意思であったと言う事を。

この場合は━━

 

「・・・なら、鮮明に思い出させてやろう」

 

━━恐らく前者であろう。

 

 

 

 

 

「「イヤアァァァァァ!!」」

 

夕日に染まるグラウンドに、機銃の音と二人の絶叫が轟いた。

 

 

 

 

 

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