空軍パイロットのIS転生記   作:Su-57 アクーラ機

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第32話

臨海合宿当日

 

青い海、白い雲、煌めく太陽。

前世で海なんて作戦の時か空母に乗艦している時以外はほとんど縁が無かったので、改めて見てみるととても綺麗だ。

まぁ、取り敢えず着替えが先だな。

 

 

「今11時です、夕方までは自由行動、夕食までには旅館に戻ること!良いですね?」

 

山田先生が生徒達に周知する。

 

「「「は~い!!」」」

 

女子達が元気の良い返事をするが、中には海をチラチラと見ている者もいた。

正直、俺も遊びたくてウズウズしている。

そんな俺と一夏に、女子達が声を掛けてきた。

 

「ねぇ、おりむー、ホー君、私達と一緒に遊ぼ~?」

 

そう言ってくるのは、同じクラスの布仏さん。

彼女は全身を覆う様にキツネのデザインをした水着?を着ている。

暑く無いのか?て言うか、ホー君?

 

「ビーチバレーしよう?」

 

それを、一夏が断るわけも無く

 

「おぉ、良いぜ?どこで━━━!?」

 

話している最中に彼が突然態勢を崩す。

鈴が彼の背中に抱き着いたのだ。

そのままよじ登って行く。

 

「おぉ~!高いじゃない、遠くまでよく見えるわ♪」

 

「ちょっ、何やってんだよ!猫かお前は!」

 

実際、彼女の普段からの態度は猫にしか見えない。

 

「わぁ、楽しそう!私もやりたい!」

 

「その次、私ね!」

 

「おいおい、遊園地のアトラクションじゃあ無いんだぞ?」

 

俺は、苦笑しながら止めに入る。

 

「ウィルの言う通りだ!俺は展望台じゃない!いい加減に降りろ!」

 

一夏は鈴を振りほどこうと必死だ。

 

「な、何をしていらっしゃいますの!?」

 

そこへセシリアが乱入して来た。

 

「見れば分かるでしょう?移動監視塔ごっこ♪」

 

「まあ、移動監視塔と言うより、パシフィック・オ“リム”ラ の方が似合いそうだがな」

 

「なっ!他人事みたいに!」

 

「・・・一夏さん?バスの中でわたくしと約束したのを忘れました、の゛!」

 

そう言いながら、浜辺にパラソルを勢いよくぶっ刺し、シートを敷いて、その上に寝転ぶ。

 

「さぁ、一夏さん?お願いしますわ」

 

サンオイル片手にそう宣う。

 

「アンタこそ、一夏に何やらせる気よ!」

 

一夏から飛び降りた鈴が猫のようにフシャーッ!と威嚇する。

 

「見ての通り、サンオイルを塗って頂くのですわ」

 

そう自慢気に答える。

 

「おい、一夏、そんな約束あっさり承諾したのか?」

 

「あぁ、何か断ったらヤバそうな気がしてな・・・」

 

「レディーとの約束を違えるなど、紳士のすることではありませんわ」

 

セシリアが追い討ちをかける。

 

「・・・分かった、しょうがない・・・」

 

一夏が観念したように了承した。

 

 

一夏が手にサンオイルを塗って、セシリアの腰に触れる。

「きゃ!?」

 

「うお!どうした?」

 

「い、一夏さん、せめて手で温めてから塗って下さいな!」

 

「わ、悪い。こういうことするの初めてなもんで・・・」

 

そりゃあ、経験有ったら驚きだな・・・。

 

「は、初めてなんですの?それなら仕方無いですわね・・・」

 

どこか嬉しそうだな。

 

「アンタ、何で嬉しそうになのよ?」

 

鈴も気付いた様だ。

そのまま作業は続く。

何かセシリアの息遣いが荒くなってきてないか?

 

「うわぁ、気持ち良さそう・・・」

 

「こっちまでドキドキしちゃう・・・」

 

周りの女子達がそう感想を漏らす。

・・・!いかん、こっちまで変になってきた。

慌てて後ろを向く。

しばらくしてから、セシリアと鈴の声が聞こえて来た。

後でゴスッ!と言う音と一夏の悲鳴が聞こえたが、振り返ったら俺も一発貰いそうな気がする。

 

 

「ってぇ・・・。何で俺が殴られなきゃいけないんだよ」

 

一夏が不満を漏らす。

 

「まぁ、何だ?御愁傷様だな」

 

なんて話をしていると、鈴が声を掛けてくる。

 

「一夏~、ウィル~、向こうのブイまで競走ね~!負けたらかき氷奢んなさいよ?」

 

「さぁて、どっちの奢りかな?行くぞ、一夏」

 

「あぁ、って、おい鈴!そんなところからスタートなんてズルいぞ!」

 

「あいつめ・・・!やりやがったな。よぉし、お財布握りしめて待ってろよ!」

 

「ウィルまで!?おい、待てよ!」

 

ブイまで後少しといった所で、俺は異変に気付く。

 

「おい一夏、何か様子が変じゃないか?」

 

「あぁ、鈴の奴どこに行ったんだ?」

 

正確には鈴が浮上してこないのだ。

その時

 

「おい、あれ・・・!」

 

俺はブイの手前で溺れている鈴を発見した。

 

「鈴!ウィル、助けに行くぞ!」

 

「あぁ!分かってる!」

 

大慌てで、彼女の元へ急行する。

まずい、鈴が沈んだ!

俺と一夏は潜水してなんとか鈴を救助し、今は一夏が彼女を腕で抱き止めている。

危なかった、もし救助が遅れたら・・・考えるのも恐ろしい。

 

「おい、鈴!大丈夫か!?」

 

「ゲホッ、ゲホッ、だ、大丈夫・・・」

 

少し水が入ったようだが、特に異常は無さそうだ。

運動神経の良い鈴が溺れた。と言う事は差し詰めストレッチを怠って脚をつったのだろう。

 

「災難でしたわね、鈴さん・・・」

 

セシリアが心配そうに声をかける。

 

「?」

 

「わたくしが旅館までお送りして差し上げますわ!」

 

「え?ちょっ、待ってよ、アタシは一夏と━━━」

 

「鷹月さん、ちょっと手伝ってくれませんこと?」

 

「分かった、手伝う!」

 

「ちょっと!アタシは大丈夫だって!助けて一夏!一夏ぁ!!」

 

そのまま鈴は強制連行されていった。

 

「ま、まぁ、あれだけ元気なら大丈夫だろ」

 

「あぁ、無事そうで何よりだ」

 

二人で安堵の息を漏らす。

 

「一夏、ウィル、ここに居たんだ」

 

「え?っ!?」

 

「ひっ!?」

 

思わず変な声が出る。

なんと俺の前にはシャルロットと全身をタオルでぐるぐる巻きにした、ミイラが立っていたのだ。

 

「何だ?そのバスタオルお化け?」

 

「真夏の海に何でミイラが居るんだ?」

 

ミイラはでっかい墓の中とかで出るんじゃ無いのか?

 

「ほら、ウィルに見せるんでしょ?」

 

「だ、大丈夫かどうかは私が決める・・・」

 

ミイラ娘が喋った。

ん?この声・・・。

 

「その声、もしかしてラウラか?」

 

シャルロットがラウラの耳元で何かを吹き込む。

 

「っ!!そ、それは駄目だ!・・・えぇい!」

 

意を決して、タオルを脱ぎ捨てるラウラ。

 

「っ!!」

 

ヤバい、何だこれ?滅茶苦茶可愛い!

 

「わ、笑いたければ笑うが良い・・・」

 

そこには黒いビキニ水着を着た天使が居た。

 

「別に変な所なんて無いよね?ウィル」

 

「あ、あぁ、可愛いと思うぞ」

 

いかんいかん、これは鼻血が出るかも知れないな・・・

俺の変態め・・・!

 

「しゃ、社交辞令は要らん・・・」

 

彼女が顔を真っ赤にしてモジモジする。

一夏はシャルロットと二人で何か話している。

向こう(・・・)では、そう言う経験が無かったからな・・・何て言えば良いんだ?

 

「その、何だ、お世辞でも何でも無く、似合ってる。可愛いぞ」

 

「っ!! そ、そう、か・・・」

 

普段とのギャップが凄すぎて、すごい新鮮だな。

こっちの顔まで熱くなってるのが分かる。

 

「織斑く~ん!ホーキンスく~ん!」

 

「さっきの約束、ビーチバレーしようよ?」

 

「わぁ、おりむーとホー君と対戦だ!バキュン!バキュン!♪」

 

「それっ!」

 

ボールが一夏に投げ渡される。

 

「よし!やるか!ウィルもやるよな?」

 

「ふっ、もちろん!腕が鳴るな!」

ビーチバレーか・・・昔に軍の親睦会でやって以来だな・・・。

 

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