4対4の戦いだ。
まず、相手チームのサーブ。
「フッフッフッ、七月のサマーデビルと言われたこの私の実力を見よ!」
とんでもない速さだ、七月のサマーデビルは伊達ではない。
「任せて!」
シャルロットがそれ上に跳ね上げる。
「よっと!」
そのまま俺がボールを程よい位置に持っていく。
「ナイスレシーブ!」
そして一夏が高く飛んでスマッシュ。
「あわわわ!えい!」
布仏が突き出した手にボールが当たり、高く上がる。
「よし!アターック!」
スマッシュが返って来た。
そのボールの先にはラウラが・・・
「可愛い、私が可愛い・・・」
「お、おい、ラウラ!前見ろ、前!」
慌てて警告を飛ばすが・・・
「・・・ふぇ?」
バシーンッ!
ボールはラウラの顔にクリーンヒット。
そのまま、後ろ向きに倒れる。
「おい、無事か?」
「大丈夫か?」
「ラウラ、どうしたの?」
俺達はラウラの元に駆け寄る。しかし
「か、可愛いと言われると、私は、うぅ・・・」
「ひょっとして、まだ照れてたの?」
何かブツブツ言ってるので流石に心配になってくる。
「ラウラ?」
彼女と目が合う。
「っ!?う、うわぁぁぁぁぁぁ!!」
物凄いスピードで海の方角に走って行った。
「あいつ・・・ウィル、追いかけた方が良いんじゃないか?」
「そうか?いや、確かにその方が良いか」
「放っておいてあげた方が良いんじゃないかな?」
シャルロットは苦笑混じりにそう答えた。
「ビーチバレーですか、楽しそうですね♪」
山田先生がこちらにやってくる。
「先生も一緒にやりますか?」
シャルロットが先生を誘う。
「えぇ、いかがですか?織斑先生」
「「っ!!」」
俺と一夏は思わず息を飲む。
「「「わぁぁ・・・!」」」
周りの女子達も感嘆の声を漏らす。
なんと、織斑先生も水着に着替えていたのだ。
「織斑先生、モデルみたい!」
「カッコいい・・・」
実際モデルの様にしか見えない。
「先生どうぞ、私交代しますから」
「・・・では」
「はい!やりましょう」
一夏がさっきから織斑先生を目で追っている。
「おい、一夏、大丈夫か?」
「一夏ってさ、ひょっとして、織斑先生みたいな女の人が好みなの?」
シャルロットがとんでも無い質問をした。
「な!?何言ってんだよ!」
「だってさ、随分反応が違うんだもん・・・。僕達の水着を見た時と」
不満そうにそう言うシャルロット。
「まぁまぁ、そう言ってやるなよ。実の姉のギャップに驚いていただけだろ。な?」
然り気無くフォローを入れる。
「あ、あぁ、そうだぜ?普段の千冬姉と違うから、ついな?」
「ハァ、ただでさえライバル多いのに、そこに織斑先生まで加わるなんて・・・」
「あぁ、千冬姉は強敵だ、油断しないで行こうぜ」
「一夏、多分勘違いしてる・・・」
項垂れるシャルロット。
頑張れよ!
俺は無言でサムズアップした。
「サーブ行きますよ!」
山田先生の声を合図に織斑先生がサーブを放ってくる。
な、なんて威力だ・・・!
そして味方の女子達も相手の女子達も飛んだり跳ねたりと、動き回り、俺達は翻弄されている。
何が言いたいかと言うと・・・正直目のやり場に困る。
跳ねる度に、その・・・ある一点がな・・・?
「っ!?」
悶々としていると、背中に悪寒が走る。
恐る恐る振り返ると、そこにはいつの間にか返って来たラウラが「その目を抉るぞ?」と言いたげな表情で、俺を睨んでいた。
くわばら、くわばら・・・。
このまま夕食時まで、俺達は徹底的に遊んだ。
▽
日も沈んだ頃
大浴場で汗を流した後、俺達は今、大広間にて夕食を食べている。
「これが刺身か・・・美味い・・・!」
俺は今この刺身と言うのを食べて感動している。
因みに俺はテーブル席にて食事中だ。
隣にはラウラと他数名の女子。
一夏達は畳の上で、正座して食べている。
「ん?この緑色のペーストは?」
俺は刺身皿の端に盛られた物体に箸を伸ばし、口に放り込んだ。
「「ちょっ!ホーキンス君、それは・・・!」」
「っ!?~~~!グオォォォ・・・!」
辛い!鼻が痛い!何なんだこれは・・・!?
「まったく、無闇に興味だけでわさびを口に放り込むとは」
ラウラが呆れながら水を差し出してくる。
俺はそれをガブガブと飲んだ。
「た、助かった・・・サンキュー、ラウラ」
「別に、これくらい構わん」
畳席の方では、何故か一夏がセシリアに はい、あ~んをしていた。
女子達がキャーキャーと騒いでいる。
まったく、人目も憚らずなんて事を・・・。
なんて思っていると、ラウラもそれに気付き、その光景をボーッと見ている。
そして何かを決心したように、こちらに顔を向けてきた。
「その、お前が私に感謝しているなら・・・わ、私に はい、あ~ん と言うのをしてくれ!」
「な!?」
思わぬ伏兵に思考が止まる。
「キャー、ラウラってば大胆!」
「ホーキンス君どうするの?」
「お、俺が?」
流石に公衆の面前でそんなこと、出来るわけが無い。
ここで屈する訳には・・・!
「ダメ、なのか・・・?」
上目遣いでそう言ってくる。
「っ!わ、分かった・・・」
負けた・・・。
「じゃ、じゃあ行くぞ?」
箸で刺身を摘まんで彼女の口に入れる。
「・・・良いものだな」
顔を赤くしながらそう言われる。
「良いなぁ、ホーキンス君!私にも一口!」
「私も私も!」
「次私ね!」
凄い食い付きだ。
「えぇ・・・。ハァ分かったよ、一口だけなら━━━イテッ!」
突然、左の脇腹に鋭い痛みが走る。
確認すると、ラウラがジト目でこちらを睨んでいた。
彼女の右手は俺の左脇腹に伸びている。
「ちょ、ラウラ!?痛い痛い!は、離してくれ!」
すると、その光景を見ていた女子達が更に騒ぎ始める。
その時、障子が勢いよく開けられ、織斑先生が入ってきた。
「お前達は静かに食事をする事が出来んのか!!」
「織斑先生・・・」
「織斑、ホーキンス、あんまり騒動を起こすな、鎮めるのが面倒だ」
「わ、分かりました・・・」
「す、すいません・・・」
俺達の返事を聞くと彼女は戻って行った。
そのまま俺達は黙々と食事を続けた。