空軍パイロットのIS転生記   作:Su-57 アクーラ機

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第35話

翌日

 

「ふぁぁああ。おはよう、一夏」

 

「あぁウィルか、おはよう」

 

二人で廊下を歩いていると箒が居た。

彼女はしゃがんで地面を見つめている。

 

「箒?」

 

「ん?箒か、どうしたんだ?」

 

俺達は箒が見つめているものを確認する。

そこには看板が立てられており、『ひっぱってください』と書いてあった。

 

「何だこれ?」

 

手前には何やら珍妙な物体が顔を覗かせていた。

 

「なぁ、これってもしかして・・・」

 

「ん?二人はこれが何かを知ってるのか?」

 

「知らん、私に聞くな」

 

そのまま箒は去ってしまった。

 

「おい、放って置いて良いのか?」

 

一夏が聞いても知らんぷり。

 

まるでその物体に関わりたくない様だ。

すると今度はセシリアがやって来る。

 

「何していらっしゃいますの?」

 

「いやぁ、ちょっとなぁ・・・」

 

「俺も何が何だか・・・」

 

そして遂に一夏が意を決して、ソレを引っ張った。

 

「えい!おわっ!?」

 

しかし、引っ張ってもソレが抜けただけで何も起きない。

 

「?何だったんだ?」

 

その時、上空から何かの落下音が聞こえた。

三人で空を見上げると、キランと一瞬光った後、とてつもないスピードで何かが降ってきた。

それはとてつもない風圧と共に地面に刺さる。

土煙が晴れるとそこには巨大なニンジンが刺さっていた。

ニンジンから笑い声が聞こえる。

 

「な、何なんだ・・・?」

 

するとニンジンが縦に割れて、中からウサギ耳を着けたこれまた珍妙な格好をした女性が現れた。

 

「引っ掛かったね、いっくん!ブイブイ!」

 

「お、お久し振りです束さん・・・」

 

「うん、うん、おひさだね~。本っ当に久しいね!ところでいっくん、箒ちゃんは何処かな?」

 

「え、えっとぉ」

 

「まぁ、私が開発したこの箒ちゃん探知機があれば直ぐ見つかるよ。じゃあね、いっくん!また後でね~!」

 

そう言いながら走り去って行く、スーパーハイテンションウサギ。

まさに嵐の様だ。

 

「い、一夏さん、今の方は一体・・・」

 

「あの人はお前の知り合いか?」

 

「“篠ノ乃束”さん、箒の姉さんだ」

 

「「え!?」」

 

マジで?あの人が箒の姉?性格真反対だな。

 

 

「よし、専用機持ちは全員揃ったな?」

 

織斑先生が確認する。

 

「ちょっと待って下さい、箒は専用機を持って無いでしょう?」

 

鈴が先生に質問する。

 

「そ、それは・・・」

 

「私から説明しよう。実はだな━━「ちーちゃーん!!」ハァ・・・」

 

「「「?」」」

 

全員が声のする方を見る。

その視線の先には・・・。

 

「ちーちゃーん!!」

 

さっきのスーパーハイテンションウサギこと篠ノ之博士が崖を滑り降りていた。

そのまま、常人では有り得ない跳躍をして、織斑先生に飛び込もうとする。

しかし、織斑先生は右手で束の顔面を掴んでそれを防いだ。

 

「やぁ、やぁ、会いたかったよ、ちーちゃん!さぁ、ハグハグしよう?愛を確かめ「うるさいぞ?束。」相変わらず、容赦の無いアイアンクローだね」

 

そのまま目にも止まらぬ早さですり抜け、今度は頭を抱えている箒の元へ向かう。

 

「じゃじゃーん!やぁ!」

 

「ど、どうも・・・」

 

どこか他人行儀だ。

 

「えっへへ~、こうして会うのは何年振りかな?大きくなったね箒ちゃん!特におっp」

 

ドゴッ!

 

箒の渾身の一撃がヒットした。

 

「殴りますよ?」

 

「殴ってから言った。箒ちゃんひっどーい!ねぇ、いっくん、酷いよねぇ?」

 

「は、はぁ・・・」

 

「ん?君がもう一人の男性操縦者だね?私はあの有名な天才束さんだよ!よろしくね、ウィッ君!」

 

「よ、よろしくお願いします・・・」

 

束がとてつもないスピードで近づいて来た。

駄目だ彼女のテンションについて行けない・・・ん?ウィッ君?

 

「おい束、自己紹介くらいしろ」

 

「えぇ、面倒臭いなぁ・・・。私が天才の束さんだよ?ハロー!終わり!」

 

えぇ・・・。

 

「束って」

 

「ISの開発者にして、天才科学者の!」

 

「篠ノ乃束・・・!」

 

「フッフ~ン、大空をご覧あれ!」

 

一同が空を見上げる。

また何か降って来た・・・。

 

「じゃじゃーん!これが箒ちゃん専用機こと、『紅椿』!全スペックが現行ISを上回る束さんお手製だよ~!」

 

そこには深紅のISが佇んでいた。

 

「何たって紅椿は天才束さんが造った、第四世代型ISなんだよ~?」

 

「第四世代!?」

 

「やっと第三世代の試験機が出来た段階ですわよ?」

 

「なのにもう・・・」

 

流石、天才を謳うだけのことはあるが、もはや次元が違うな。

 

「そこはほら、天才の束さんだから。さぁ箒ちゃん、フィッティングとパーソナライズから始めようか」

 

「さ、篠ノ乃」

 

織斑先生が箒を促す。

 

「箒ちゃんのデータはある程度先行して入れてあるから、後は最新データに更新するだけだね!」

 

そう言いながら、データの入力をトントン拍子に済ませて行く。

 

「すごい、信じられないスピードだわ・・・」

 

鈴が感嘆の声を上げる。

 

「はい、フィッティング終了~。超早いね流石私~。さぁ、試運転も兼ねて、飛んでみてよ。箒ちゃんのイメージ通りに動く筈だよ?」

 

「・・・それでは試して見ます」

 

とんでも無い早さで上昇して行く。

 

「凄い加速力だ!俺のバスター・イーグルよりも速い・・・!」

 

「これが、第四世代の加速と言うこと?」

一同が驚愕するなか、兵装の試験に移る。

箒が刀を振ると、ビームの様なものが出て飛んで行き、雲を吹き飛ばした。

 

「なんて威力だ・・・」

 

「じゃあ、次はこれを墜してみてね?」

 

そう言うと、束の横に多連装ロケットが現れて、弾頭を一斉発射した。

しかし、それも難なく撃墜。

 

「やるな・・・」

 

「すげぇ・・・」

 

ラウラと一夏が呟く。

 

「うんうん、良いね良いねぇ!」

 

「やれる、この紅椿なら・・・!」

 

箒が自信満々にそう一人呟く。

その時

 

「た、大変です!織斑先生~!!」

 

山田先生が顔を蒼くして走ってきた。

 

 

 

 

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