帰還後には既に夜が明けていた。
「作戦完了!と言いたいが、お前達は重大な違反を犯した」
「「「はい」」」
「・・・帰ったら直ぐ反省文の提出だ。懲罰用の特別トレーニングも用意してあるから、そのつもりでいろ」
うげぇ・・・きつそうだな・・・だが、その程度で許してくれるのは感謝しないとな。
「あの、織斑先生」
「ん?」
「もうそろそろ、この辺で・・・。皆、疲れている筈でしょうし」
山田先生が織斑先生を説得する。
「ふぅ・・・しかしまぁ、良くやった」
「「「え?」」」
織斑先生が俺達を誉めた!?
「ああ・・・全員よく帰って来たな。今日はゆっくり休め」
そっぽを向きながら、称賛してくる。
あまりの事に皆、ポカンとしている。
俺だってその内の一人だが・・・。
その日の午前中は皆疲れて、ぐったりとしていた。
▽
時は過ぎて夕食時
「ねぇねぇ、結局何だったの?福音の暴走の原因って」
「本当に誰も乗って無かったの?」
「戦ってる時怖く無かった?」
「もっと教えて?先生達、何も教えてくれないんだもの・・・」
一日中グダグダと過ごした俺達は夕飯を食べながら、質問責めに遭っていた。
「ダメ、機密って言われてるんだから」
「大体、アタシ達だって詳しい事聞いて無いんだし」
「それに、詳細な情報を知ればお前達にも行動の制限が付くぞ、良いのか?」
「どうしても知りたいのなら教えてやらないことも無いが、想像してみろ。何をするにしても後ろや物陰から視線を感じ、黒塗りの車が目には入る毎日を。我慢できるか?」
俺が最後に彼女達をビビらせる。
「ああ・・・。そ、それは困ると言うか怖いかな・・・」
「見張りとか付くのは嫌だもんねぇ・・・」
俺の脅しが効果を成したのか、なんとか質問の嵐は治まったようだ。
「あら?一夏さんと箒さんは?」
セシリアが二人が居ない事に気付く。
「あぁ、それなら二人でどっか行ってたな・・・」
途端にセシリア、鈴、シャルロットの目が光る。
「どこ!?どこに行ったの!?」
鈴が俺の肩を掴んで揺さぶってくる。
止めろ止めろ!脳が揺さぶられてるから!
「どこに行ったのか、正確に思い出して下さいまし!」
「ちょ、そんな事言われてもどこに行ったかまでは分かるわけないだろ!」
しまった、余計な事を言っちまったか?
「ねぇ、本当に分からないの・・・?」
シャルロットが聞いてくる。
背の問題で若干上目遣いなのが強烈だ。
「ほ、本当に分からないんだ・・・」
四人は大急ぎで飯を掻き込んで出て行ってしまう。
「ハァ、一夏が心配だな。俺も早く食べて探しに行くか。どうも嫌な予感がする。ラウラはどうする?」
「・・・行く」
何故か不機嫌そうだ。
恐らく、さっきのシャルロットに対する反応が原因だろうが、彼はそんな事は露程も知らない。
「ん?どうした?」
「いや何も、それより早く食べてしまおう」
黙々と食事を平らげて行く二人であった。
▽
「一夏と箒の奴、なかなか見つからないなぁ」
俺とラウラは今、浜辺を捜索中だ。
「・・・ウィル、聞きたい事がある」
先程まで無口だったラウラが突然話し掛けて来た。
「ん?何だ?」
「その、福音が私に攻撃した時、何故あんな無茶を?
「あぁ、あの時か」
「随分と軽いな、一歩間違えれば命に関わるんだぞ?」
「・・・分からないんだ。気付けば体が勝手に動いてた」
「勝手にって・・・」
「何だろうな?お前を助けないと、と思ったらな・・・」
もはや、告白一歩手前の事を言うウィリアム。
「・・・そうか、分かった。あの時はありがとう、だがもう少し自分を大切にしてくれ」
「アハハ、耳が痛いよ」
そうこうしていると、近くで青い光が見えた。
セシリアのビームだ。どうやら一夏が見つかったらしい。
光が連続する。
それをバックに箒を抱き抱えて走る一夏。
どうやら、鈴とシャルロットも一緒の様だ。
「ウィル~!助けてくれ~!!」
彼からSOSが発せられる。
「おっと、一夏がピンチだ。行くぞ?」
「あ、あぁ。そうだな」
二人も一夏の元に向かった。