テーブルには色とりどりのケーキが並べられている。
「へぇ~全部種類が違うんだな」
「そ、そうなんですの。お、おほほほ~・・・」
どうしてシャルロットさんが?もしや、抜け駆けする気だったとか!?
と、セシリアがシャルロットを警戒の眼差しで睨んでいるが、それを横に一夏はケーキを口に運ぶ。
「アム、ん!美味いなぁ!」
「ああ、これは確かに美味いな。流石、専門店を謳うだけの事はある」
「そうだ、せっかくだしちょっとずつ交換しないか?」
「それは良い思い付きですわね」
「食べさせ合いっこ、みたいな?」
「「ハッ!?」」
その時、二人に電流が走る。
「おぉ、良いんじゃないか?」
「「おお~!!」」
二人の顔が明るくなる。
「あ、でも、男が口を付けたやつは嫌か・・・」
「「あぅぅぅ・・・」」
今度は暗くなる。
コロコロと表情が変わって、見ていて面白く感じる。
「それなら、二人だけで━━━」
一夏が言葉を言い切る前にセシリアとシャルロットが彼に詰め寄った。
「そ、そんな事!わたくし全然気にしませんわ!」
「ノープロブレムだよ一夏!そ、それにほら!やっぱりどのケーキも味わって見たいしね!」
この時、俺は二人が仲良く握手している錯覚が見え、更にその後ろでフランスとイギリスの国旗がデカデカと見える。という不思議な現象に遭遇した。
「そ、そうか?なら別に良いか」
一夏は見事彼女達に言いくるめられた。
俺は、一足先に食べ終える。
「ごちそうさま。一夏、少しお手洗いを借りても?」
「あぁ、それならこの部屋を出て突き当たりだ」
適当に理由を付けて少し部屋を出るか。
良かったな、二人とも。後は頑張れよ。・・・正直、羨ましく無いと言ったら嘘になるが、ここは空気を読もう。
お手洗いから帰ると、幸せそうな顔の二人と一夏が居た。
どうやら上手く行った様だな。
「じ、じゃあそっちのも一切れもらうぞ━━━」
「お待ちになって」
キリッとした顔で、セシリアが一夏の行動を制止する。
「今度はわたくし達が食べさせてあげる番ですわ!」
「そうだよ!それが礼儀ってもんでしょ!?」
「いやぁ、よく考えたら、別に自分のフォークで勝手に食べれば良いだけなんじゃ━━━」
「そんなことありません!」
「そんなこと無いよ!」
またハモったな・・・。
息ピッタリのダブルアタックに一夏が気圧される。
「さぁ!遠慮なさらずに!」
二人がそれぞれのケーキにフォークを刺して、一夏に向ける。
「「はい、あ~ん」」
「あ、あ~ん・・・」
その時、またインターホンが鳴った。
今日は来客が多いな・・・。
そう言う俺も来客の一人か。
一夏がドアを開けると、ラウラ、鈴、箒の三人が立っていた。
「何でアンタ達までここに居るのよ・・・」
鈴がマジかよ。と言う様な顔で聞いてくる。
「やはりここに居たか、ウィル」
ラウラは俺がここに居る事を知っていたようだ。
・・・何で?俺ラウラに話したっけ?
「「ハァ・・・」」
セシリアとシャルロットが大きな溜め息を吐いた。
部屋の中に気まずい空気が流れる。
「来るなら来るで、誰か一人くらい連絡くれよ・・・」
「仕方無いだろう?今朝になって暇になったのだから」
「そうよ、それとも何?いきなり来られると困るわけ?エロい物でも隠すとか・・・?」
鈴、お前は何と言う事を・・・。
「私はウィルがここに居ることは知っていたからな。突然来て驚かせてやろうと思ったのだ。どうだ?嬉しいだろう?」
そう言って煎餅を齧るラウラ。
「待て、俺の事をどうやって知った?」
「ドイツ軍特殊部隊隊長を舐めてもらっては困る。この程度の情報収集など造作も無い」
「ドイツ軍は何でも有りかよ・・・」
CIA並みの諜報力に驚きを通り越して呆れる。
「これからどうする?外は暑いし、家の中で何かするか」
「「「賛成(だ)!」」」
皆の同意を得た様だ。
と言うより利害が一致した。と言うべきか?
「さて、この人数でやれる事っつうと・・・」
どんなゲームが出て来るのかが楽しみだ。