買い物を終えて、一夏の家に反ってきた俺達は、現在料理中だ。
「あ~もう!このジャガイモ切りにくい!アンタの選び方が悪いんじゃない?」
「失敬な事を言うな。ドイツにいた頃は、ジャガイモ選びにかけては私の右に出るものは居なかったのだぞ?」
鈴のいちゃもんにラウラはサバイバルナイフでジャガイモを両断しながら答える。
「ジャガイモ選びにそんな優劣ってあるのか?」
「無論だ。ジャガイモ一つ一つにも形や大きさ、色によって味が変わってくる」
「へぇ、ジャガイモ選びって奥が深いなぁ・・・」
「よ、良ければ、今度私が教えてやっても良いぞ?」
「ふむ・・・じゃあ今度教えてくれ」
そう言うと、ラウラの顔がパァっと明るくなった。
そんなやり取りをしていると、セシリアが視界に入った。
さっきから、鍋の中にケチャップやタバスコ等の赤いモノをドバドバと入れている。
「おいおい、何のまじないだ?」
魔女が笑いながら混ぜてそうな感じだ・・・。
て言うか、鍋の中身が薄く赤色に発光してるんだけど!?
「あれ、誰が食べるんだ?」
「さ、さぁ・・・?」
「少なくとも、私は食べない。いや、食べたくない」
と言う様な話をしていると、料理が出来上がる。
「よし、出来た」
キノコポタージュと牛ステーキが良い匂いを出している。
「ウィル、こっちも出来たぞ。見てくれ」
「え?それって・・・」
俺の記憶が正しければ、以前にテレビで見た事がある。
「おでんだ」
だが、何故それをチョイスした?
一同が絶句する。
「おでんだ」
「いや、繰り返さなくて良いよ。へぇ、これがおでんか・・・本物を見るのは初めてだな」
「以前、副官に教えてもらった。おでんと言うのはこう言う物なのだろう?」
随分と日本好きな副官だなぁ。
「アンタの副官はどんな日本文化に親しんでるのよ・・・」
「え?これは普通のおでんじゃないのか?」
ボン!
その時、キッチンで爆発がした。
「「「え!?」」」
「な、なんだ!?」
爆発の中心を見ると、鍋から煙を上げる赤い色のナニカと、セシリアのISのビットだった。
待て、何故料理にISが出るんだ?
「あらぁ・・・」
セシリアが首を傾げる。
「」
隣にいた箒は絶句している。
「レーザーで加熱するなんて無茶だよぉ・・・」
シャルロット・・・大変だったな・・・。
「失敗は成功の母!今度こそ上手くやってみせますわ!セシリア・オルコットのIS料理!」
「あ、あのさぁ、こっちはもう良いから!アンタは食器並べてくれない?」
「そ、そうだね!それが良いよ!」
「あぁ、俺もそれがみんなの為だと思うな」
「何故ですの!?どうして皆様わたくしに料理をさせないと・・・全く理解出来ませんわ!」
「いや、そもそも料理にISを持ち出す時点で色々とおかしいだろ!」
良かった・・・あんな物を食べたら、間違いなく昇天する。
なんとかセシリアを説得しようと奮闘する俺達だった。
テーブルには各々が作った料理が並べられ、美味しそうな香りにとても食欲がそそられる。
そこにある肉じゃがは鈴の料理だ。
そこから順番に、箒のカレイの煮付け、シャルロットの唐揚げ、ラウラのおでん、俺が作った牛ステーキとキノコポタージュ、そしてセシリアが作った焦げた鍋。
それからは、皆で談笑しながら食事を楽しんだ。
俺が作ったキノコポタージュは意外と人気が有り、直ぐに無くなってしまった。
みんなの料理もとても美味しく、一夏の「将来は良い嫁さんになるな」と言う発言で一騒動起きたのは、また別の話である。
ハァ、この天然無自覚タラシめ・・・。