「ふむ、確かにウィルだな・・・」
ラウラが俺の顔をまじまじと見ながら、一人納得する。
一応、全員に説明して納得はしてもらえた。
「ウィリアム、私の姉が本当に申し訳無い!」
箒が滅茶苦茶謝って来る。
「いや、箒が謝る事は無いさ。それより、織斑先生に話した方が良いかもな」
「何で千冬さんにも話す必要があるのよ」
鈴が質問してくる。
だが、あのアホウサギを取っ捕まえるには織斑先生の力が必要だ。
「篠ノ之博士を捕縛する為には先生の力が必要なんだ。彼女を知る者の一人だからな」
「あぁ、成る程」
「と言うことで一夏。先生を読んでグラウンドに来てくれないか?」
「え?良いけど・・・何でグラウンドなんだ?」
彼の疑問は当たり前だろう。話なら部屋で十分だからな。だが・・・。
「広い所じゃないと、博士を捕まえた後にO・HA・NA・SHIが出来ないだろう?」
「ひっ!わ、分かった!」
そう言うが早いか、大急ぎで部屋を出て行った。
皆が、何か恐ろしいモノでも見るような目でこちらを見てくる。
「ん?どうした、そんな目で俺を見て」
「い、いや!何でも無いよ?」
「え、えぇ。気のせいではなくって?」
シャルロットとセシリアがガタガタと震えながら、首を横に振って否定する。
ラウラなんて柄にも無く涙目だ。
今の俺の顔はそんなに怖いのか?
▽
グラウンド
俺達は今、織斑先生が来るのを待っている。
「おーい!連れて来たぞぉ!」
一夏が織斑先生と共に歩いて来た。
「話はさっき織斑から聞いた。まったく、何をやってるんだ?あのバカは・・・」
彼女は眉間に指を添えて呆れている。
「それなら話が早くて助かります。先生、博士をなんとか見つけれないでしょうか?」
「残念ながら、アイツがどこに居るのかは私でも検討がつかん」
「そうですか・・・」
「だが、見つける必要は無さそうだぞ。居るんだろう?出てこい、束」
「「「え?」」」
先生の声に反応して、篠ノ之博士が物陰から姿を現した。
「アハハ~ばれてたか・・・」
「バレバレだ。で?ホーキンスの症状はいつ治る?」
「それなら、心配ナッシング!今日の夕方には治ると思うよ」
「そうか・・・だそうだ。ホーキンス」
「はい、ありがとうございました」
「良かったな、ウィル」
「ああ」
いやぁ、良かった良かった・・・。
これで━━
「さて!じゃあ、束さんはこれで━━」
「何言ってるんです?まだ終わってませんよ。・・・確保ぉ!!」
これて、心置き無くO・HA・NA・SHIが出来ると言うものだ。
「えっ!?」
そのまま、彼女は成す術も無く取り押さえられてしまった。主に織斑先生に。
「さて、博士。何か弁明は?」
俺は今、簀巻きにされた博士とO・HA・NA・SHI中である。
「え、えぇと・・・」
「・・・・・・」
「ゆ」
「ゆ?」
「許してピョン☆」
めっちゃ良い笑顔でそう言われた。
「・・・織斑先生」
「何だ?」
「ISの使用許可を求めます」
「構わん、やれ」
「イエス・ミス」
俺が前に出て篠ノ之博士の首根っこを掴む。
「え、ウィっ君?何を・・・?」
「博士。俺、一つ気になってた事があるんですよ・・・」
「な、何を?」
「昔、友人から『豆腐の角に頭ぶつけて死ね』って言葉があると聞きましてね」
「そ、それがどうしたのかな?」
束の顔がみるみる蒼くなって行く。
「あれ、
「「「」」」
俺と織斑先生以外の全員が凍り付く。
「さ、逝きましょうか?博士」
「ちょ、なんか意味が違わない!?れ、冷静になろうよ。ね?」
ズルズルと引きずられる格好で束(簀巻き)が必死にウィリアムを説得する。
「これで合ってますよ。大丈夫、そんなに痛く無いですから。多分」
「今、多分って言った!多分って言ったよね!?助けて、いっくん、箒ちゃん!イヤァァァァ!!」
一同は心の中で静かに合掌したのだった。