強盗を制圧後、俺達は急いで人混みの中に紛れてその場を後にし、今は臨海公園にいる。
「すみません、クレープを三つ下さい。えぇと?ミックスベリー?て言うのありますか?」
現在、俺はラウラと共に三人分のクレープを買いに来ている。
代金は俺持ちだが、これは男としての意地だ。
「あぁ、ごめんなさい、今日ミックスベリーは終わっちゃったんですよ」
「あぁ、そうだったんですか・・・だとさ?別のにするか?」
「あぁ、じゃあイチゴとブルーベリーとチョコをくれ」
何かを察したラウラは他のメニューを選ぶ。
「はい、ありがとうございます」
何だ?この店員の反応。どこか、面白そうだ。
水平線に沈む夕日を見れる場所とは、なかなか粋だな。
ベンチに腰を掛け、そんなことを思いながらクレープを食べる。
「ん~これ、美味しいね」
「そうだな、クレープの実物を食べるのは初めてだが、美味いと思うぞ」
「甘いだけかと思っていたが、なかなか美味いな」
そう言いながら、クレープを食べ続けると、シャルロットが先に食べ終わり「少し散歩してくる」と言って、どこかへ行ってしまった。
今はラウラと二人だけだ。
「ウィル」
ラウラがこちらに寄ってきた。
「ん?何だ?・・・ラウラ?」
そのまま彼女の顔が迫って来て・・・口元を舐められた。
「なっ!ななな、何を?」
「ソースが付いていた」
「いや、舐めなくても・・・」
「両手が塞がっている。まぁそう怒るな。ほら、私のクレープを一口やる」
「いや、別に・・・」
「遠慮するな。さっきの礼だと思ってくれ」
微笑みながらクレープを俺に差し出してくる。
「・・・・・・い、いただきます・・・」
一口食べると口の中にブルーベリーの味が広がる。
「ブルーベリーもなかなか美味いな。ありがとう」
「そうか・・・ウィル、私にも一口くれないか?」
「え?ああ、どうぞ」
二人で仲良く味を交換し合う。
それを遠くから眺めながら
今度は一夏と二人きりで来てみたいなぁ・・・
そう思うシャルロットであった。
▽
その日の夜
「これは、何だ?うぅ・・・本当にパジャマなのか?」
ラウラは全身を覆う黒猫を模したパジャマを装備している。
「~~!可愛い!ラウラ、凄く似合うよ!」
ラウラとは反対に、白猫を模したパジャマを着たシャルロットが彼女に抱き着く。
「うわっ!?抱き着くな!動きにくいだろ!」
「ダ~メ、猫っていうのは膝の上で大人しくしてないと」
そう言いながら、ラウラにベッタリのシャルロット。
「せっかくだから、ニャーンって言ってみて?」
「っ!?断る!何故そんなことをしなくてはならない!」
「えー?だって可愛いよ~?ほらほら、言ってみようよ?ニャーン・・・」
ラウラの耳元で囁く。
「~~っ!!・・・ニャ、ニャーン・・・」
「ラウラ可愛いぃぃ!!」
その時、ドアがノックされる。
「はーい、どうぞ?」
「おっす、おぉ・・・!」
「一夏、どうし━━おぉ・・・」
入って来たのは、一夏とウィリアムだ。
「「っ!?」」
まさか、彼等とは思っていなかったらしく、驚いている。
「変わった服装だなぁ。黒猫と白猫か」
「あぁ、すげぇ格好だな・・・」
「あぁ、そうだ。シャル、明日なんだけど・・・」
そう言って彼はシャルロットにも今朝のチラシを見せる。
一通り説明したら、彼女も行く事になった。
横ではラウラがこちらを睨みながら頬を膨らませていたが・・・。
「それじゃ、またな?シャル、ラウラ」
そう言って、一夏が出て行く。
「と言う事で、俺も失礼するよ」
そう言って部屋を後にしようとした時、シャルロットに待ったを掛けられた。
「ウィル、今からラウラが可愛い事するから、よく見ててあげてね?」
「待て、何の事だ!?」
「ん?何をするんだ?」
ラウラを見る。
シャルロットがラウラに耳打ちする。
すると、顔を真っ赤に染めた彼女が一言。
「ニャ・・・ニャーン・・・」
「」
「ね?ね?可愛いでしょ!?」
破壊力抜群の攻撃だ。
「ゴフッ!?」
あまりの事に俺はその場に倒れてしまった。
シャルロットめ・・・!俺の反応を見て楽しんでいるんじゃないだろうな・・・。
▽
自室
「あ、あれは危なかった・・・可愛すぎだろ・・・!」
一瞬だけ、世話になったあの神様の顔が見えた様な気がした。
「とにかく、早く寝よう・・・!」
さっきの光景が頭から離れないウィリアムであった。