一時限目が終わり、休憩していると、声が掛かる。
「えーと、確かウィリアム・ホーキンスだったよな?俺は織斑一夏。同じ男同士仲良くしようぜ!」
彼からの初コンタクトだった。
当然この申し出を断る筈もなく
「そうだな、同性が居るのは心強い。俺はウィリアム・ホーキンス。気軽にウィルとでも呼んでくれ」
「そうか、なら俺も一夏で良いよ。これからよろしくな!」
二人は固く握手した。
すると、それにつられて一斉に他の生徒達が俺達を取り囲み、「織斑君てあの千冬様の弟なの!?」とか「ホーキンス君、日本語上手だね!」とか「好みのタイプは?」とか、とにかくマシンガンのように話しかけられる。
向こうでは涎を滴ながら荒い息遣いで「一×ウィル・・・グフフヘヘ・・・」とか言ってるし・・・。
何だよ、一×ウィルって・・・。
すると、一夏の目の前に一人の女性がやって来た。
「一夏、ちょっといいか?」
「箒?」
「ん?一夏、知り合いか?」
一夏は「ああ」と答える。
「すまない、一夏を少し借りても良いか?」
と聞いてくるので了承した。
・・・さて、どうしようか・・・。
女子生徒の視線が一斉に向き、脳内に警報が鳴り響く。
くそっ!RWR警報!ロックされた・・・!
なんて、考えていられる余裕もいずれ無くなるだろう・・・なんかみんな目がギラギラしてるし・・・。
▽
二時限目
「━━であるからして、有事の際以外の逸脱したISの運用や危害を加えた場合、刑法によって罰せられ・・・」
ここも多少は聞き齧って来ている。
今のところは問題無い。
しかし、一夏の方は絶賛苦闘中である。
「織斑君、分からない所は有りますか?」
「はい、全部分かりません・・・」
全部か、山田先生が顔をひきつらせているぞ。
あ、一夏が織斑先生に叩かれた。先生、あまり人の頭を叩きすぎると、脳の細胞が死滅しますよ。何?必読と書かれた参考本を電話帳と間違えてポイした?・・・一夏、悪いがそれに関しては俺も弁護しかねるぞ。
この後、織斑先生から俺が一夏に教えてやれと言われた。
▽
「でさぁ、千冬姉の怖い事なんのって・・・」
「ハッハッハッ、彼女にはダースベイダーのBGMが似合いそうだな」
授業が終わり一夏と他愛ない話をしていると、後ろから声をかけられた。
「ちょっと、よろしくて?」
振り向くと、そこには金髪ロール、青い瞳につり目の女子生徒が立っていた。
おお・・・!縦ロールって実在していたのか・・・。とと、いかんいかん。話し掛けられたら応答しないとな。
「何か?」
「はい?」
俺と一夏が何の気な無しに応答すると、気に障ったらしい。
「まぁ!何ですのそのお返事は!このわたくし、“セシリア・オルコット”に話しかけられただけでも光栄だというのに!!」
凄い早口で怒られた。
なぁんか面倒なのに絡まれたな・・・。
すると、一夏が一言
「いや、ごめん。俺君のこと知らないし」
「!?」
セシリアがウィリアムの方にゆっくりと顔を向ける。
「ソーリー、俺も知らないな」
「!?!?」
彼女がワナワナと震え始める。
「このわたくしを知らない?イギリス代表候補生にして、入試主席のわたくしを・・・?」
そこに一夏が質問する。
「て言うか、代表候補生て何?」
「さぁ?読んで字の如くイギリスの代表の候補生。エリートとかじゃないか?」
「なるほど。エリートか!」
「そう!エリートですわ!まったく、男性のIS操縦者だと聞いてどんなものかと思えば、とんだお馬鹿さん達で拍子抜けですわ」
この娘、ポンポン言って来るな・・・。
「まぁ、でも、わたくしは優秀ですから、あなた達のような人間にも優しくしてあげますのよ?分からないことがあれば、まぁ、わたくしに泣いて頼まれたら教えて差し上げても良くってよ?何せ、わたくしは入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから」
しかし、思わぬ返事が返ってくる。
「あれ?俺も倒したぞ?教官」
「は、はぁ!?」
「倒したって言うか、いきなり突っ込んで来たのかわしたら、壁にぶつかって動かなくなったんだけどな」
「わたくしだけだと聞きましたが・・・」
「それ、女子ではって落ちじゃないのか?」
教官を倒したのか。やるな。
「ワオ、一夏やるじゃないか。因みに俺も倒したぞ?」
「あ、ああ、あなた達も教官を倒したって言いますの!?」
セシリアが迫ってくる。
「お、落ち着けって!な?」
「そ、そうだぞ?少しクールになれって」
「これが落ち着いていらr」
その時、チャイムが鳴る。
ナイスタイミングだ。
チャイムのせいで話を遮られた彼女は
「このお話の続きは、また改めて。よろしいですわね!」
と言いながら、席に戻って行った。
それを見届けながら、「参ったな」と、一夏と顔を見合せて俺も席に着いた。
やっぱり初めは高圧的ですね(笑)。