どうやら、観客も異変に気付いたらしく、下は大騒ぎとなっている。
「クソッ!大丈夫か!ラウラ、シャルロット!」
「何なんだあいつ・・・!」
俺と一夏はすぐさま壁に激突した二人の元に駆けつけ、一夏が雪羅のエネルギーシールドを展開する。
次の瞬間、ビーム攻撃の雨が降り注いだ。
「くっ・・・!」
「やらせるか!」
俺は即座に機銃を構えて発砲する。
「一夏さん、ウィリアムさん!ここはわたくしが受け持ちます!お二人はシャルロットさんとラウラさんを!」
「セシリア!?おい!」
そう言って、一夏の制止を聞かずに単機で襲撃者に向かっていく。
しかし、今回は高速機動パッケージの為、十分な火力を得られていない様だ。
「一夏っ!防御任せたわよ!」
単機で突撃するセシリアを慌てて鈴が補佐する。
二人が攻撃を仕掛けるが、敵は素早い身のこなしで回避しながら、
「あれは・・・UAV?」
「うぅっ・・・」
「ラウラ!動いて平気なのか?」
「いや、直接戦闘には加われないな。支援砲撃するのがやっとだ」
言うなり、身を起こしたラウラが敵機に向けて砲撃をはじめる。
しかし、これも圧倒的な機動力に翻弄され、その姿を捉えられない。
「くっ!」
セシリアと鈴を相手取りながら、ひらひらと舞い踊る様に宙を駆け抜けていく。
「二人共!ここは僕が!二人はセシリア達を!」
「シャル!ダメージは!?」
「スラスターが完全に死んじゃった。PICで飛ぶのがやっとだよ」
そう言って切り離されたスラスターは完全にひしゃげて、スクラップ同然だ。
「支援砲撃するラウラの防御は僕が回るから、二人は行って!」
「分かった!」
「了解した!」
俺達は全速で敵機に向かって飛び出す。
途中、箒と合流し、三人で格闘攻撃を仕掛けた。
「「うおおおっ!」」
「・・・・・」
ライフルの先端に取り付けられた銃剣で応戦してくる。
一夏は左手の雪羅・クロー収束ブレードモードで、俺は対IS用大型ナイフ『スコーピオン』で斬りかかるが、絶妙なタイミングでUAVが邪魔をしてきて、決定打を与えられない。
「お前は何者だ!何が目的だ!」
「・・・・・」
「答える根性も無いんだろうよ!」
「━━お前達が例のパイロットか」
「「!?」」
今のこいつの声・・・!
相手はそう言い放つと、一夏の攻撃を受け流し、そのまま蹴りを浴びせた。
「ぐあっ!?」
「なっ!?」
蹴り飛ばされた一夏は箒を巻き込んで壁に激突する。
「ふん、こんなものか」
「させるかっ!」
そのままライフルの射撃を行おうとする敵に妨害目的の機銃掃射をする。
「お前がホーキンスか」
敵から無線が入った。しかしその声は間違いなく男の声だ。
「やはり男か。俺達の他にもISを使える奴がいたとはな」
高速でドッグファイトをしながら会話する。
「ISだと?俺はあんな物には乗らん」
「ならそれはISじゃないとでも言うのか?まさか、ターミネーター!?という事はやはり亡国機業か!目的を言え!」
見た目は流線形の
「答える義務は無いな」
敵はこちらの追跡を振り切ろうと出鱈目な回避行動を取りながら、偶然進路上にいたセシリアにライフルとミサイルを発射した。
「あああっ!?」
「セシリアッ! チッ!貴様・・・!」
セシリアはそれを諸に喰らって墜とされたが、そこへ復帰した一夏が滑り込んで抱き止めた。
良かった、一夏がなんとか間に合ってくれた様だ。
敵はそのまま更に速度を上げていく。
「一夏!セシリアを頼む!」
「分かった、お前は!?」
「俺はこいつを相手取る!」
そう言って敵機をひたすら追いかける。
数発の命中弾を出したが、敵はまだ余裕そうだ。
「直接話せて光栄だったよホーキンス。たとえそれが、『さよなら』を言うだけだとしてもな」
そう言うと、敵はとてつもない速度で俺の後ろに回り込んできた。
「しまった!━━グゥ!?」
ライフルからビームが発射され、機体に命中した。
それでも尚、しつこく攻撃を仕掛けてくる。
まずい、あれを何発も喰らったら・・・!
敵が俺に止めを刺そうとライフルを向ける。
「今度こそ終わりだ━━ん?はい・・・はい。分かりました、直ぐに帰投します」
「何?」
敵が俺からどんどん距離を離していく。
「・・・分かったかホーキンス。お前はその程度だ」
そう言って襲撃者は去って行った。
「何だっていうんだ・・・?」
とにかく今は学園に帰る事が先決だろう。海が遠くの方に見える。どうやら、いつの間にかかなり離れた所まで来ていたらしい。
それにしても、ドッと疲れたな。まだ嫌な汗が乾かない。
そう思いながら、学園へ帰るのだった。
襲撃者の機体はSu-35をモチーフにしているつもりてす。