実は他の作者の方に承諾を頂き、今話から投稿していらっしゃる作品のネタをいくつか参考にさせて頂こうと思いまして、「あれ?これに似たのをどこかで・・・」と言うような部分が所々に見られると思います。
予めご了承下さい。
よろしければ、これからもぜひお付き合い下さい。
翌日、日曜日。
充血し、目元に色濃いクマを作ったままラウラと共に食堂へ出向き、ボーッとしていると誰かが背後から肩に手を置いて話し掛けてきた。
「ウィル、ラウラ、おはよう。昨日は大変だったな」
ん?この声は一夏か・・・。
「ああ、おはよう・・・」
「む?一夏か。おはよう」
そう言いながら、俺とラウラは一夏の方に振り返る。
「そう言えば、専用機持ちは後で千冬姉の所に集合・・・って、ウィル、どうしたんだその顔?」
今のウィリアムは、充血した目とクマの他に、目が妙に滲みて上手く開けられない為、目付きが非常に悪くなっていた。
「顔?ああ、少し寝不足でな。ラウラにも同じ事を言われたよ」
みんなも徹夜明けって目が痛くならないか?って、俺はいったい誰に向かって同意を得ようとしているんだ?
「寝不足?いったい昨晩に何があったんだ?」
「今朝も言ったが、体調が優れないなら早めに言うんだぞ」
一夏に続いて、ラウラが顔を覗き込みながらそう言ってくる。
まったく、昨晩の俺の苦労も知らないで・・・!
「いや、何でも無い。ただの寝不足だ。気にしないでくれ」
昨日の出来事が脳裏によみがえり、顔が熱くなるの感じながら誤魔化しを入れる俺に、一夏とラウラは「?」と言った表情で小首を傾げるのだった。
▽
朝食を食べた後、一夏に言われた通りに織斑先生の元に集合して今回の事件の詳細を聞いた。
まず、IS学園のシステムにハッキングして電力を遮断。学園を覆うシールドが消えるのを見計らって、多方から戦力を投入して攻撃。
これは陽動だったらしく、本命は俺が撃墜した兵器『トリニティ』を混乱に乗じて学園に撃ち込むのが目的だったようだ。
しかし、予想外の戦力と、俺の発見・撃墜が早く、大惨事は未然に防がれた。
あの電脳世界での出来事は、ハッキングを邪魔されないようにする為の防衛手段と戦力の要である専用機持ちを戦闘不能にするのが目的だったらしい。
捕まえたパイロット二人は始めは強気の態度だったが、織斑先生の冗談抜きに身も凍る程の殺気に晒され一転。震え上がりながら喋ったそうだ。
近くにいたであろう山田先生には心の中で合掌しておくとしよう。
そして、亡国機業と手を結んでいた組織がようやく分かった。
MSG━━『
昔、テレビのニュースで少しだけ見た覚えがある。
ISが誕生して以来、女尊男卑の風潮が広まった事に対して発足したのが今の男性至上主義団体の元となる小さな圧力団体だった。
しかし、近年その団体の内部で過激な勢力が現れ、組織を掌握。そして今回の事件に至ったらしい。
学園の破壊を企んだのも、連中の力の誇示とIS絡みの両方だろう。
だが、思想が過激になっても所詮は圧力団体から出来上がった組織だ。あんなハイテク装備を多数保有しているのはおかしい。
恐らく、亡国機業の他にも連中を支える強力な
捕虜二人は意地か本当に知らないのか、それ以外の情報を聞き出す事は出来なかったが、織斑先生や会長もその可能性が高いと踏んでいる。
「ウィル、私達も帰ろう」
腕を組み、少し物思いに耽っていると先に席を立ったラウラが話し掛けてきた。
「そうだな。さっさと部屋に帰って惰眠を貪るとしようかな」
冗談半分でそう言いながら立ち上がる。
「あー・・・。ホーキンスとボーデヴィッヒは残ってくれ。話がある」
みんなが解散し、俺とラウラも部屋に帰ろうとした瞬間、織斑先生に呼び止められた。
「何か重要なお話でしょうか?」
織斑先生はラウラの問いに頷いた後、用件を話し始めた。
「実はある大富豪から護衛の依頼を頼まれてな。お前達二人を指名しているんだ」
それもつい先程な。と、眉間に手を宛てて付け加えた。
「護衛・・・ですか?そう言った事はプロに任せた方が良いのでは?」
護衛なんて仕事を学生に頼む理由が分からん。
「そもそも、なぜ私達を直接指名したのですか?」
それは俺も気になっていた。俺達の他にも良い候補はいた筈だ。一夏や箒、他の代表候補生などの名高い面々を除いてなぜ俺達を?
「キャノンボール・ファストの時にお前達の技術を見て興味を持ち始めたそうだが、昨日の襲撃事件に偶然居合わせていてな。それが指名する決め手になったらしく、何が何でもと言うような感じにな・・・」
織斑先生は依頼主が俺達を指名してきた理由を話し、ハァ。と溜め息を吐いた。
「学園に干渉できる程の力・・・その人物はいったい・・・?」
「ああ。このIS学園の設備云々の維持費の三割を支援してくれている人物でな、名を“アラン・リッチモンド”と言う」
アラン・リッチモンド・・・聞いた事があるな。たしか、アメリカの有力な財閥の社長だったか?
「彼は海外に用があるらしくてな。パスポートやその手続きは学園側が用意するそうだ」
ああ、学園は行かせる気満々なのね・・・。
「海外?いったいどこでしょうか?」
「日本の近隣じゃないのか?」
さしずめ、中国とかそこいらだろう。あの辺りは企業や工業がわんさと密集しているからな。
これなら早めに帰れるだろう。
そう楽観視する。
しかし、俺の予想とは全く違う答えが返ってきた。
「場所はアラブ首長国連邦を構成する国の一つ
━━ドバイだ」
「ど、ドバイ・・・?」
ドバイ・・・ドバイ・・・って!ここから滅茶苦茶離れてるじゃないか!しかも、ドバイって年中クソ暑いんじゃなかったか?
「依頼主はプライベートジェットで日本から香港を経由してドバイ国際空港へ向かい、要件を済ませた後、アメリカに帰るそうだ。二人には渡航中の上空警戒等を頼みたいと言ってきている」
おお・・・!プライベートジェットとはこれまた豪勢だな。・・・ん?ちょっと待て。
「せ、先生。渡航中の上空警戒と言うのはまさか・・・」
「依頼主の航空機の横で、不審な機影に対する警戒だ」
そ、それを行き帰りでかっ!?ハード過ぎだろ!鬼!悪魔!サディスト!
━━あっ、でも・・・
「ご存知かと思いますが、自分のISには航空燃料が必要です。往復分の燃料は・・・?」
俺の問い(と言うか、もはや逃げ文句)に織斑先生はさらりと答えてきた。
「向こうで用意するそうだ。確かJP-8・・・とか言ったか?」
「」
うわぁい、バリバリ戦闘機にも使える航空燃料じゃないですかぁ・・・。俺の相棒の規格にピッタシ!これで問題は無事解決だなコンチクショウッ!
「・・・了解しました。引き受けさせて頂きます」
多分断っても無駄だろう。先生が賛同してくれたとしても、依頼主が更にダダをこねるだけな気がする。
「私も異論ありません」
「そうか。集合時間は六日後の19:00時だ。空港までは私が送ろう」
「「分かりました」」
「頼んだぞ。呼び止めてすまなかったな」
そう言って俺達は解放され、部屋を後にした。
「六日後かぁ~」
「まあ、指名された以上は全力でやるしかあるまい」
「でも、ここから香港経由でドバイまで行って、その後アメリカまで遠回りしてまたここに帰ってくるんだろ?かなり長い間飛ぶ事になるぞ」
クッソ暑いドバイに行った後、今度はアメリカまで行ってから日本に帰ると言う鬼畜っぷり。
連続して飛び続ける訳では無いが、何のスーパートレーニングだよ・・・。
「ウィルは長距離護衛の経験はあるのだろう?」
「ああ。何度かした事がある」
輸送機、空中給油機、爆撃機。果ては民間機まで護衛した事があり、中には途中で敵機と交戦した事もあった。
どれも無事に送り届ける事が出来たが、長距離の護衛飛行と言うのはとにかく疲れるのだ。
「ハァ・・・ヘビーだな・・・」
思わず溜め息が漏れた。
だが、今さら断る事も出来ない。ラウラが言ったように、引き受けた以上はやり切ろう。
まあ、取り敢えず・・・
「サングラスは持って行っとくか」
ドバイの日差しや砂嵐で目をやられては敵わん。
もはや現実を無視した鬼畜の所業ですが、そこは生暖かい目で見守って頂けると幸いです。
私の対マジレス装甲は紙以下です。どうかご容赦下さい(泣)