三冠牝馬が女性ジョッキーに転生する物語   作:nの者

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ヤバそうな女性「やぁやぁ皆の衆。早速で悪いんだけど、ぼかぁね、この作品を乗っ取ってやろうと思ってんだ。は? 理由? そんなのぁ決まってるでしょうよ。この作品にはねぇ、刺激が足りないんだよ! 読者は、ぼくみたいなスリリングでショッキングでサスペンスなヒロインを求めてるんだよ! 違う?」

佐知子「?」

ヤバそうな女性「いやぁ分かる分かる。気持ちは分かるんだ、光を追い求めたいってのは。だけどもね、同時にね、ダーティでアダルティでちょっとワルい感じのヒーローを求めてしまうというのも人間のサガなんだよなぁ……」

ひとみ「何やってんだオマエら」

佐知子「あ、ひとみさん」

ヤバそうな女性「ヒエッ」(失神)




シーイズミラコー(ある意味現代競馬の常識に逆らう女)

 その女は、おおよそ騎手という職業に向いていない女である。

 元子役で、某動画サイトでの配信が趣味だった少女が、まったくの乗馬素人が、ノリと勢いで競馬学校の門を叩いてしまったのは、たぶん競馬の神様が悪ふざけか何かだったのだろう。厳しいトレーニングや体重管理に何度も音を上げまくった彼女が、どうにか競馬学校を卒業して騎手になれたことは奇跡としかいいようがない。奇跡でないとするならば、何か大きな力が作用して彼女をジョッキーにさせたとしか思えないのだ。

 センス、バランス感覚、運動神経、馬を走らせるテクニック。現代競馬において、求められるような資質を、なんと、驚くべきことに、信じられない話ではあるが、彼女はまったくといっていいほど持っていない。形容しがたい不格好なフォームから繰り出されるド素人レベルの騎乗は馬券購入者の精神力と残金を大きく削ることしか能が無いのだ。デビュー戦ではド派手に放馬。年間勝利数は一桁。そのくせやたらと自信家でビッグマウス。加えてトラブルメーカー。ことあるごとにSNSでは炎上を繰り返している。

 

 そんな彼女が騎手として乗り続けていられる理由は……

 

・厩舎による寛大なバックアップ(リーディング常連の名門厩舎)

・なぜか気に入られた大物馬主からの絶大支援(GⅠ馬多数輩出)

・鉄人級に頑丈な身体(無事是名騎手)

 

 また、超が100個くらいつくほどの豪運の持ち主でもある。

 重賞初騎乗となったレースは、落馬負傷の乗り替わりで急遽騎乗が決定した。しかもその馬が超良血の実績馬であり、単勝オッズは2番人気。だが、乗り替わりが決定した途端にオッズが跳ね上がったのは有名な話だ。レースでは大外に回す騎乗を見せ、短期免許で来日中だったアザール騎手(凱旋門賞ジョッキー)との叩き合いを制して、なんと重賞初騎乗にして初Vを決めてしまった。入線後には馬に振り落とされ、さらに鞭の使用について制裁を受けて過怠金を受けるおまけつきだ。

 多くのファンと多くのアンチを抱え、身体を張って競馬界に一石を投じ続ける女性ジョッキー。

 

 木津かれん――現代競馬の常識に逆らう女である。

 

                  ※

 

「いいかい。競馬っていうのはエンタァテイメントなんだよ。ただお馬さんを走らせるだけだったら、そんなの勝手にどっかの草っぱらでも走ってりゃいいんだ。だけども、ぼくたちは違うだろ? 見に来てくれたファンの方々にね、感動や熱狂を提供しなくっちゃならないんだよ。いったらぼくたち騎手ってのは、稀代のエンターテイナーなワケだよ。いかに魅せる勝ち方をするかっていうのが、ぼくらの仕事なんだ。分かるゥ?」

 

 本日の阪神競馬場。グランプリ宝塚記念があるということでスタンドは超満員だった。多くの観客たちに、木津ジョッキーはその勇姿を見せつけることができるだろうか。

 木津ジョッキーは、意気揚々と本日の一鞍目に向かった。三歳ダート未勝利。ゾンビデンジャラス号は、前走前々走と大敗が続いていた。荒すぎる気性が原因だった。

 しかし、そうした馬であっても木津ジョッキーは冷静だ。

 ゲートが開くと同時に内の馬へ思いっきり競りかけていってハナを奪い切ると、とにかく飛ばしまくる。

 お気づきの方もいるかと思うが、終始かかりっぱなしなのである!

 14頭中14着。14番人気の期待に応える騎乗であった。

 

「競馬は時の運というからねぇ。まあ、こういう時もあるよ。ハイハイ、切り替えていこう!」

 

                  ※

 

 続いての騎乗は4R三歳未勝利、芝のマイル戦だ。なんとここで木津ジョッキーは4番人気。超有力馬へ騎乗することになっていた!

 オマエジャナイ号。懇意である有力馬主から依頼を受けた、前走三着前々走二着という力のある馬。今回の相手を見ると、この馬と張り合うほど力のある馬はいないため、ほぼ確勝レベルの馬だ。本来なら断然の一番人気になっていてもおかしくないのだが、そこはこの鞍上。何が起こるか分からないのだ。鞍上が木津というだけで私たちは馬券を買うのを躊躇ってしまう。

 そして事件は本場馬入場で起きた。

 放馬である。

 彼女は内ラチに手をかけながら、自分の元を離れた馬の走る姿をぼんやり眺めていた。その姿はさながら一枚の絵画のようだった。

 オマエジャナイ号は競走除外となった。

 

「これがねぇ、競馬ですよ。競馬は奥が深い。ときどき深すぎて分からなくなるね。ぼくだって今週も落とされると思ってなかったよ」

 

 木津ジョッキーにとって二週連続となる放馬劇だった。

 

                  ※

 

 その後の7Rでも息をするようにシンガリ負けをしてみせた木津ジョッキーだったが、悲壮感はまったくといっていいほどない。

 そう、微塵もないのだ!

 ジョッキールームでジュースを飲みながらスナック菓子をつまみ、呑気な表情でゲームに興じる姿は、とても惨敗を喫したジョッキーには見えない。気持ちの切り替えは騎手の基本。まさにそれを体現している! などというと方々から「ちげーよ」と声が聞こえてきそうだ。

 

「あら~永吉さんヘッタクソですね~! そうじゃないんだよなぁw」

 

 共にプレイしていたのはリーディング上位のジョッキー。しかし、相手が年上であっても煽る煽る!

 この女、馬を操縦するのは苦手だが、ゲームを操作するのは大の得意なのである!

 

                  ※

 

 迎えた最終12R。メインレースの時から降り出した冷たい雨が身体に打ち付けるというコンディションの中、木津ジョッキーは不満をぶつぶつと述べていた。

 

「ぼくはさ、言ってやりたいんだよ。雨降ってもね、雪降ってもね、風吹いてもね、同じように乗せられるってのは、おかしいんじゃねえのかと。だったら槍とか矢が降って来ても同じように乗れってのか? 別に、止めろっつってんじゃないのよ。さすがに雷だ台風だっていったら中止になるし。なんだろうね、こう、気遣いが欲しいんだ。『寒いなかよく頑張ってくれました。これはほんのばかりのお気持ちですが……』っていうさ。そこをぞんざいに扱われちゃったらさ、やる気なくしちゃうんじゃないの? 『こちとら人気女性ジョッキー様よ?』ってね。 いやいや、ぼくに限った話じゃなくてね(笑)」

 

 内心、早く済ませて帰りたいという気持ちが出てきた木津ジョッキー。

 宝塚記念の熱気収まらぬ中で始まった最終レース。ポッカリと開いたインに進路を取った木津ジョッキーは良い手応えのままコーナーを回り、直線の入口では先頭に立っていた。

 

『――これはセーフティリードだ! 強いっ! シーイズミラコー! 一着でゴールイン!

 低評価を覆す圧巻の走り! 他馬を寄せ付けませんでした!』

 

「見たかオラァーー!」

 

『鞍上の木津かれん騎手、大きく大きくガッツポーズ! これが今季3勝目です!』

 

 彼女にとってはGⅠ宝塚記念も自身の劇的勝利の前座に過ぎない。本人もびっくりの手綱さばきで、三連単が数百万円という大荒れのレースを演出した。勝因は本人にも解らない。

 何万人の観衆を前に、乾坤一擲の走り。大舞台に強いジョッキーというのは確かにいるにはいるが、それにしたって木津ジョッキーは極端である。

 宝塚記念を見に押し寄せた競馬ファンたちに『木津かれんここにあり』と見せつける勝利となった。

 開催終了後には『クッソ寒い中見に来てくれたみなさん、楽しんでいただけたかな?』とツイート。パワフル系アルコール飲料を飲みゴキゲンとなったところで、今度は騎手の待遇改善を要求するツイートをしたところ無事炎上。郷田騎手から教育的指導が入った。

 

 ――現役時代はクラシック三冠をはじめとした数々のレースを勝利した名騎手で、現在は競馬評論家の工藤優吾氏は語る。

 

「競馬に絶対は無い、というのは、彼女を見ているとまさにそうだと感じる」

 

                  ※

 

木津かれん騎手 6月※日の騎乗成績

2R ゾンビデンジャラス 14頭中14着(14番人気)

4R オマエジャナイ 16頭中 放馬 競走除外(4番人気)

7R ガナビーストラング 16頭中16着(11番人気)

12R シーイズミラコー 16頭中1着(15番人気)

 




木津かれん騎手について知っている事

1 名無しの競馬好き
デビュー戦で豪快な放馬
他のジョッキーに格の違いを見せつける

2 名無しの競馬好き
元子役の炎上芸人

3 名無しの競馬好き
某動画サイトの配信者やったな
まだ動画残っとるはず

4 名無しの競馬好き
クソザコジョッキー
気づかれないさん
子役崩れ
KizzCalendar
現代競馬の常識に逆らう女

5 名無しの競馬好き
去年5勝しかしてないのになぜか重賞勝ってる女

6 名無しの競馬好き
凱旋門賞ジョッキーに勝ったから実質凱旋門賞ジョッキー

7 名無しの競馬好き
同期の柊雪絵と木津かれん…どうして差がついたのか…慢心、環境の違い

8 名無しの競馬好き
>>7
残念でもないし当然
オーラ0のドル売り子役崩れに相応しい最後といえる

9 名無しの競馬好き
>>7
重賞成績は木津のほうがいいという謎(鞍数が違うから一概には言えんが)

10 名無しの競馬好き
>>9
キッヅ「ユキ、これが重賞の乗り方や」
去年の重賞成績(1.1.2.1)

11 名無しの競馬好き
>>10
これはK.カレン騎手緊急来日してますわ

12 名無しの競馬好き
クソザコツイッタラーKizzCalendar氏は生き別れの本人

13 名無しの競馬好き
競馬界に舞い降りた容姿端麗完全無欠のウルトラジョッキー

14 名無しの競馬好き
木津くん!調子乗ってるとまた郷田ネキにシメられるで!

15 名無しの競馬好き
>>14
1年目に「ヘラヘラしてる」という理由で叱責されて以来トラウマになってる模様

16 名無しの競馬好き
>>15
でも今の郷田って前よりかなり丸くなったから大丈夫でしょ
木津がやらかしさえしなければ

17 名無しの競馬好き
>>16
やらかさない木津は木津といえるのだろうか
いや、言えない(反語形)

18 名無しの競馬好き
>>16
斜行、放馬、決勝線手前でガッツポーズ、制裁への愚痴ツイート
2アウトってとこかな

19 名無しの競馬好き
>>18
アカンやろ
これは再教育が必要ですわ

20 名無しの競馬好き
嘘乙
サッちゃんが仲介してくれたおかげで今じゃ一緒にメシ食いに行くくらい仲良いから

21 名無しの競馬好き
>>20
ほんまか?

22 名無しの競馬好き
>>20
まあでもネキも別に嫌ってたわけじゃないしな
かれんちゃんのほうが一方的に怯えてただけで

23 名無しの競馬好き
>>20
君野「食事セッティングしておきました!」
郷田「腹を割って話そう」
かれん「ヒエッ」

24 名無しの競馬好き
>>23
腹(筋)を割る

25 名無しの競馬好き
>>20
有能エージェント君野佐知子爆誕
木津は末永厩舎に足向けて寝られんね

26 名無しの競馬好き
パルプンテ木津

27 名無しの競馬好き
気づかれないさんすこ

28 名無しの競馬好き
素人に毛が生えた騎乗技術にも関わらず重賞を勝つ騎手がいるらしい

29 名無しの競馬好き
ジョッキーのような何か

30 名無しの競馬好き
気づかれないさんがGⅠ勝ったらとんでもないことになりそう

31 名無しの競馬好き
ネットでは王子より有名

32 名無しの競馬好き
安定した勝ち星より一回の激走



女性騎手、結集。

次回あたり夏競馬スタートです

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