作品タイトルの『魔皇』の読み方は魔王と皇族を掛けて『
一応活動報告にも事情説明などを書いてますが、迷走してグダグダになった別のラバ小説がスランプ続きなのでその気分転換として投稿させて頂きます。多分最初からギャグ満載だったあちらと違って途中まではシリアス中心になるかと。
でも正直久々に夢中になる程めっちゃノリノリで楽しく書けてるから暫くこっちメインになると思う←
懐かしき幸福な日々
「__ていっ!やあっ!」
「ダメダメ。剣は思いっきり振れば良いってわけじゃないんだぞ、ラバック。もっと的をよく狙わないと俺に当たらないぜ」
のどかな宮殿の中庭。風に揺れる芝生の上で木刀を振るうのは、二人の小さな少年達。
親譲りの柔らかい緑の髪と瞳が自慢の少年ラバックは、異民族特有の褐色肌を持つ銀髪の少年、シュラからの指摘に従う。
「的を、狙って……こうだっ!!」
「おっ、少しは良くなったじゃねぇか。その調子その調子!」
漸く届いたラバックの攻撃を同じ木刀で防いだシュラは、彼の些細な成長を自分の事のように喜ぶ。
彼らは親が違う。歳も多少離れている。だがラバックが物心付く前から一緒に育ってきた二人は、本当の兄弟のように仲が良かった。
「よーし、今日はここまでだ!」
「えぇー!?もう終わりかよ!?」
「俺も後で自分の稽古で忙しいんだよ。悪ぃけどまた明日やろうな」
「むぅー!歳が違うからってシュラ兄と稽古が違うのは悔しい!俺もっと出来るもんっ!」
「ははっ、じゃあ次は俺の師匠みたいにもっと厳しくしてやるよ」
「望むところだっ!!そんでシュラ兄なんかすぐに超えてやるっ!」
「なんだとこの野郎~!そんな生意気な奴にはこちょこちょの刑だっ!」
「わっ!?や、やめっ…あははっ!ダメだって!くすぐったいよー!」
シュラに両脇をくすぐられて笑いが止まらなくなるラバック。そんな子供らしい無邪気なじゃれ合いに、離れた場所から二人を見守る皇帝は愛おしそうに微笑む。
「おーい、お前らー!アタシだけ仲間外れなんて酷くなーい?」
「あ?メズじゃん。お前また修行抜けてきたのか?」
中庭の木の上からひょっこりと顔を出したのは、シュラと似た褐色の肌を晒し、長い金髪を二つに結っている少女メズ。
羅刹四鬼の父を持つ彼女は幼いながらに皇拳寺で修行をしている身だが、こうして普段からよく寺を抜け出して二人と一緒に遊んでいた。
「ちょうど良いところに来たなメズ姉!俺との戦いから逃げたシュラ兄の代わりに、お前が俺と勝負しろ!」
「おおっ!やる気満々だねぇ坊っちゃん!良いぜ、へっぴり腰のお兄ちゃんの代わりに弟想いな優しいお姉ちゃんがいっぱい遊んでやるよ!」
「お前ら揃ってなんで俺をビビり扱いすんだよ!?喧嘩売ってんのか!?」
一番の歳上であるシュラを怒らせても、キャッキャッと楽しそうに笑うラバックとメズ。
そんな三人の元に、彼らよりも更に小さな子供を抱いたラバックの母、皇后が訪れた。
「あにうえーっ!」
「あっ、ミカド!母上!ごめんメズ姉!俺ミカドと遊んであげなきゃいけないから勝負はやっぱり明日だ!」
「うええっ!?マジかよ!?せっかくまた親父に叱られる覚悟で抜け出してきたのにぃー!!」
「じゃあお前もミカドと遊んでやれば?俺様は忙しいから無理だけど」
「ハッ!なるほど!たまには良い事言うなシュラ兄!流石アタシ達三人…いや、四人兄弟の長男!」
「おいこら、たまにはってどういう意味だ」
シュラがメズに文句を言うが、メズはそれを聞く前に早々とラバックに続いてその実の弟、ミカドの元へと駆け寄って行く。
だがシュラはそんな彼女を怒る事はなく、慣れたようにやれやれと呆れた態度で見送った。
大好きで偉大な両親に見守られながら、弟や兄弟同然の親友二人と笑い合う毎日。そんな当たり前な幸せの日々が、ラバックはずっと、永遠に続くものだと思っていた。
……そう、あの日までは__
オネスト大臣の就任は原作軸から大体たったの八~十年くらい前(ガイドブック参照)なのになんで宮殿にショタシュラさん(原作では二十歳半ば)居んの?って疑問に思った方居ると思うのでここで補足。
あくまで僕の個人的な考え方なんですが、いくらあのオネストでも大臣になんてすぐなれるわけがないじゃないですか。しかも長い皇拳寺時代があったとはいえど同期?のシュテンさん共々年齢不詳ですし、あの化け物は皇帝一家の側に二十年以上居ても可笑しくない説(超ゴリ押し)