フレイヤ・ファミリアでハーレムを築くのは間違っているのだろうか   作:兵庫人

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ドラゴンズクラウンで遊んでいる時に思いつき、そのまま勢いで書いてみました。


ドム

 オラリオ。

 

 そこは自らの力を封じて下界に降り立った神々と人間達が暮らす都市。

 

 オラリオの中央には世界で唯一の「迷宮」も入り口の上にそびえ立つ巨大な塔「バベル」があり、バベルには毎日迷宮に挑戦せんとする神々からモンスターと戦う為の力を与えられた者達、「冒険者」が大勢向かっている。そしてそんなバベルへと向かう冒険者達の中で、一際目立つ冒険者の一団がいた。

 

 その冒険者の一団は四人いて、三人は女性で男性は一人だけだった。

 

 一人目は豊満な肉体をいかにも魔法使いと言った服装で包み込んでいるヒューマンの女性。

 

 二人目は引き締まった肉体をしていて体の最低限の場所だけを隠す薄着を着ているアマゾネスの女性。

 

 三人目は小柄で一見すると少女のように見えるフード付きのマントを羽織っているエルフの女性。

 

 そしてそんな三人の女性達の前を率いるように進む唯一の男性はフード付きのローブを羽織っていてよく顔は見えないが、時おりフードの下から見える長く伸びた白い髪と赤い瞳が特徴的であった。

 

「おい、見ろよアレ」「あれって例のファミリアの……」「相変わらす良い女達を連れているな」「というか毎日仲間の女が違うんだが?」「クソッ! 羨ましいな、ど畜生が……!」「あんなひょろそうなガキが……」「でもあれで強いんだよな……」

 

 周囲の他の冒険者達が白い髪の冒険者と三人の女性達を遠巻きに見ながら呟くが、当の本人達はそれを気にする事なく歩き続ける。彼らにとって周囲からの羨望や妬みの声や視線は日常茶飯事だからだ。

 

 白い髪の冒険者の名前はドム。

 

 このオラリオでたった二人しかいない「Lv7」の冒険者である。

 

 冒険者にはレベルという階級があり一番下が「Lv1」で現在確認されている最高が「Lv7」。つまり彼、ドムはオラリオで最高位の冒険者という事だった。

 

「おーい! ドムー!」

 

 ドム達がバベルへと向かっていると、そこに一人の赤髪の女性が手を振りながら彼らに近づいてくる。

 

「ん? ああ、神ロキ。こんにちは、今日はどうしたんですか?」

 

 赤髪の女性に気づいたドムが挨拶をする。彼女の名前はロキといって、下界に降り立った神の一柱であり「ロキ・ファミリア」の主神である。

 

 冒険者は自分にモンスターと戦う為の力「恩恵」を与えてくれた神の眷属なる決まりがあり、同じ神の眷属同士の集まりの事を「ファミリア」という。そしてロキ・ファミリアはこのオラリオでも二大派閥と言われる最も大きな規模のファミリアの一つであった。

 

「いや、今日はいい天気やし適当に散歩しとったら見かけたんで声かけたんや。……それにしても今日も可愛い娘達を連れとるなぁ?」

 

 ドムに返事をするとロキは彼の仲間である三人の女性達に視線を向けて、途端にいやらしい雰囲気を出す。両手の指も何やらいやらしい動きをしていて、その姿は助平オヤジのそれである。

 

「ちょーとその柔肌触らせてー! とぅっ!」

 

 ロキはその場で助走もなしに大きく跳躍すると、ドムの仲間である三人の女性達に飛びつこうとする。しかし……。

 

 ヒョイ。ヒョイ。ヒョイ。ベチャ☆

 

 三人の女性達は慣れた様子で自分達に飛びつこうとするロキを華麗に避けてみせ、赤髪の女神は顔から地面に激突する。

 

「いったー! ええやん、ちょっとくらいー。ケチー」

 

 顔から地面に激突したロキだったが特にこたえていないようで、すぐに立ち上がると口を尖らせて不満を漏らす。そんな女神の様子にドムはため息を吐いて答える。

 

「いや、よくないでしょ? こんな所でそんな事をしたら嫌がらせでしかないですって。というか貴女、自分のファミリアの人達にも同じことしてるんですよね? 前にリヴェリアさんが愚痴をこぼしてましたよ? いい加減止めてほしいって」

 

「~~~♩」

 

 ドムの言葉にロキは明後日の方向を見て口笛を吹き誤魔化す。それを見てドムはもう一度ため息を吐く。

 

「はぁ……。とにかく俺達はもう行きますね? また今度」

 

「おう。頑張りな」

 

 迷宮に挑戦する為にバベルへと向かうドム達をロキは手を振って送り出すが、途中で何かを思い出したように声をかける。

 

「そうや。『フレイヤ』のとこからウチにきたくなったらいつでも言ってや? ドムとそのハーレムの娘達やったら、いつでも歓迎やで?」

 

「ははっ。考えておきますよ」

 

 ロキのこの発言は初めてではなく、苦笑を浮かべたドムは立ち止まる事なくそう返したのだった。

 

 ドムはロキ・ファミリアと同じオラリオで二大派閥と呼ばれているファミリア、「フレイヤ・ファミリア」に所属している冒険者である。そして「Lv7」という実力からフレイヤ・ファミリアの幹部の一人とされている。

 

 特に敵対しているわけではないが、それでも世間ではライバル同士とされているロキ・ファミリアの主神とフレイヤ・ファミリアの幹部が仲良く話しをしているのは変に思われるかもしれない。しかしフレイヤ・ファミリアでも異色と言える存在のドムの場合はそれほど不思議ではなかった。

 

 フレイヤ・ファミリアは美の女神フレイヤに魅了された彼女の信者の一団という面がある。その為フレイヤ・ファミリアの団員のほとんどは自分達の主神フレイヤ以外興味を持たず、他のファミリアと交流を持とうとしないのだがドムだけは違った。

 

 無論ドムだってフレイヤがオラリオで一番美しいと思っているし、自分をファミリアに迎え入れてくれてここまで育ててくれた事に恩義を感じているが、だからといって他のフレイヤ・ファミリアの団員のように彼女に盲信しているわけではない。そのこともあって彼は他のファミリアの団員達や同じフレイヤ・ファミリアの女性団員ともそれなりに交流を持ち、他のファミリアからの信頼とフレイヤ・ファミリアに所属する大勢の女性冒険者達の愛情を手にいれて、他の男性冒険者が羨むハーレムを築いた。

 

 そんなドムを神々を含めたが周囲が呼ぶ二つ名は「炎王(ムスペル)」と「好色王」。

 

 前者は火炎魔法の破壊力だけならば他の追随を許さない魔法使いの冒険者であるドムを称えた称号で、後者はドムのハーレムを嫉妬した男性の神と人間達がつけた渾名である。

 

 

 

 

 

 この世界に転生してから早いものでもう二十年近く経った。

 

 前世の俺はただの会社員で、休日にゲームのドラゴンズクラウンで遊んでいてエンシェントドラゴンにファイアーゲートをかけてからのメテオスウォームが綺麗に決まって倒せた事に喜んでいると急に気が遠くなって、次に気がつくとこの世界に転生していたのだ。ちなみに俺がドラゴンズクラウンで使っていたのはウィザードで、装備は火属性魔法特化のロマン砲メテオ常備です。

 

 異世界に転生した俺の姿はドラゴンズクラウンで使っていたウィザードを若くした姿で、名前もウィザードのキャラにつけていた名前の「ドム」であった。もう一つちなみにドムっていいモビルスーツですよね。最初見たときはあまり好みじゃなかったけど、よくよく見てみれば重装甲なのにホバーで高速移動できて、バズーカの高い火力も魅力的です。

 

 異世界転生系のライトノベルやらネットの法則だとドラゴンズクラウンの世界に転生したのかと思ったのだが、どうやらこの世界は冒険者やらモンスターやらドラゴンズクラウンと似ている点はあるもののドラゴンズクラウンの世界ではなかったようだ。

 

 この世界での家族は弟と祖父だけの三人家族。新しい生活には最初は戸惑ったが、慣れれば貧しいながらも楽しい生活だったので俺はずっとこのままでもいいかなと思っていた。だが祖父が聞かせてくれる英雄の物語を聞いて瞳を輝かせ「僕も英雄になりたい」と言う弟があまりにも眩しすぎたので「お前が英雄になるんだったら俺は英雄を助ける魔法使いになってやるよ」と見栄を切って、十四歳の時に生まれ育った村を出てオラリオに旅立つことに。

 

 そしてようやくオラリオに辿り着いたと思ったら、オラリオに入ってすぐに今まで見たこともないくらい綺麗な女性と出会い、思わず声をかけたら「貴方の魂、とても興味深い輝きをしているわ。まるで夜空の星のよう」と言われて、ほとんど拉致同然にその女性に連れていかれてしまう。何でも俺が声をかけた女性はフレイヤ様という女神様らしくて、フレイヤ様に気に入られた俺は彼女が運営するフレイヤ・ファミリアに所属する事になったのだった。

 

 訳の分からないうちにフレイヤ・ファミリアの冒険者となった俺だったが、どうやら俺は転生者特典というのか冒険者としての才能に溢れていたようで、フレイヤ様から恩恵を授かって直ぐに一つの魔法と二つのスキルを修得した。しかも修得したスキルというのが二つとも今まで見たことも聞いたこともないレアスキルだったらしくて、それが嬉しくなった俺は毎日のように迷宮にこもって自分の魔法とスキルを試し続けた。

 

 するとステータスもレベルも面白いくらいに上がり、新しい魔法とスキルを次々と修得できて、今ではオラリオで二人しかいない「Lv7」の冒険者となっていた。冒険者の最高位になれたことは素直に嬉しいし誇らしかったが、「Lv7」になった途端に周りの団員達が俺をライバル視してくるし、もう一人の「Lv7」である我らがファミリアの団長のオッタルさんなんかは「この短期間でここ(頂点)までやって来たか……面白い!」と獲物を見つけた大型肉食獣みたいな笑みを向けてきたのは……正直、とても怖かったデス。

 

 あと転生者特典と言えば、俺は冒険者としての才能だけでなく女性との出会いの機会にも恵まれているみたいだった。

 

 話は少し逸れるけどフレイヤ・ファミリアって中の空気って言うか雰囲気あんまり良くないんだよね。

 

 何しろ男性の団員達は全てフレイヤ様に心の底から惚れていて他の団員達は恋敵という状態だし、女性の団員達はフレイヤ様に憧れて入団を決めたものの心のどこかで「フレイヤ様のように美しくなれない」と諦めている上に男性の団員達には相手にされないという複雑な状態。こんな状態だと雰囲気が悪くなるのも当然と言えた。

 

 フレイヤ・ファミリアに入団したばかりでそんなファミリア内の雰囲気に「なんだかなー?」と思っていた俺はその時、信じられないものを見つけた。それは同じフレイヤ・ファミリアに所属する三人の女性団員で、彼女達の姿はドラゴンズクラウンのソーサレスとアマゾンとエルフに瓜二つだったのだ。

 

 ドラゴンズクラウンの女性キャラを見つけた事に感動した俺は思わず彼女達に話しかけ、最初は彼女達も俺に警戒していたが話しかけているうちに心を開いてくれて、気がつけば彼女達を初めとするフレイヤ・ファミリアの女性団員のほとんどと色々な「関係」を持ってハーレムができていた。そのせいで同じファミリアのネコミミの先輩から冷たい目で見られたり、たまにフレイヤ様から凄まじいプレッシャーを感じるのだが、俺だけのハーレムができたことに比べれば大したことはないだろう。……多分。

 

 まあそんなわけで、オラリオの暮らしはいいことばかりではないけれど、それでも俺は基本楽しい冒険者生活を送っている。

 

 迷宮に挑んではまだ見ぬ未知を追い求め、迷宮の外では戦友にして恋人である女性達と熱い一時を過ごす。オラリオは危険は確かにあるが、それ以上に刺激に満ちたいいところだ。

 

 そういえばお祖父ちゃんの手紙だと、弟も俺が村を出た年齢になったから自分も冒険者になるためにオラリオに向けて旅立ったと書いてあった。

 

 ……そうか。あいつもオラリオにやって来るのか。

 

 だったら冒険者の先輩として、そして「英雄」を助ける「魔法使い」として色々と教えてやらないとな。

 

 弟よ、早くオラリオに来いよ。兄さん待っているからな。




多分続かない。
ドムはドラゴンズクラウンのウィザードの姿で、彼と一緒にいる三人の女性はソーサレスとアマゾンとエルフです。
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