五等分の花嫁と屋根裏の雨宮くん   作:天海 ヒロト

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第三話 説得(Ⅰ)

─蓮side─

 

「さて」

 

俺は今三玖の部屋の前に来ている。気に障らないように...慎重に触れなければならない、ソレが一年間上京して学んだことだ。

 

─コンコンコン─

 

扉を叩くも中から反応がない...

 

─コンコンコン─

 

...2回目で反応が来た

 

三玖「どうしたの?いつ...」

 

「...五月ちゃんじゃなくてごめんね。一応今日から家庭教師だから挨拶をしに来たんだけど...」

 

三玖「なんで同級生のあなたなの?」

 

「家庭教師の話かな?」

 

三玖「うん」

 

...困ったな。思えばそうじゃないか...何故家庭教師に同学年の風太郎を選んだのか、俺には一つの理由を除きなかった。

 

「申し訳ないけどその件に関しては推測でしか話ができない。それでもいいかな?」

 

三玖「うん、大丈夫」

 

「それはきっとアイツがこの学校の...いや全国トップレベルの学力がありかつ教える力が誰よりもあるから、それだけだと思うよ」

 

俺の話に対して三玖は疑問符を浮かべる

 

三玖「アイツ??あなたが家庭教師じゃないの?」

 

なるほど、誰が家庭教師なのか誰も教えられてないのか

 

「あくまでも家庭教師は俺ではなく、上杉風太郎だ。ちょっと気難しい性格に思うかもしれないけどまぁ、許してやってくれ」

 

そういうと三玖はこくりと頷く。案外物わかりのいい子なのかな?

 

三玖「ならあなたは誰なの?」

 

もっともらしい質問が投げかけられる

 

「俺は家庭教師補佐の雨宮蓮。ボランティアの類だから毎日って訳にはいかないけどみんなの手伝いに回るつもりだから。よろしくね?」

 

三玖「うん、よろしく」

 

三玖の挨拶を聞いたところで俺は思い出す。

 

「あ、そうだ三玖ちゃ─」

 

部屋を出ようとしていた俺は振り返り呼ぶとちょうど三玖が自分の着ていたブラウスに手をかけていたところだった。

 

三玖「...見た?」

 

─しまった。初日早々修羅場か。あそこじゃなかったから油断をしていたらこの有様だ。

 

「見てない。それと手が空き次第リビングでテストを受けてくれ。」

 

そういい俺は手早くその部屋を抜け出した

 

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「勘弁してくれ。」

 

如何に心の中にライオンを飼っている蓮であってもティーンエイジャー。同級生のの柔肌に身体の反応は抑えることが出来なかった。

 

「何とかなったけど。あの経験がなかったら見たことがバレてるハズ...今回ばかりは感謝しないとな」

 

そうボソッと呟き次のミッションである一花の部屋の前に向かう。

 

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─蓮side─

 

─コンコンコン─

 

...やはり一度目は反応がない。

 

─コンコンコン─

 

...二度目にも反応を示さない。外出しているのか?

 

「...入って見なくちゃわからないな。」

 

そう思い、思い切ってドアノブを捻る。そしてドアを開ける─

 

「...パーソナルスペース...なのか?」

 

それは...正しくゴミ屋敷に相応しい部屋であった。だがそんな部屋にも住人がいたようだ。

 

一花「あれ?もう来たの?いらっしゃ─」

 

一花は俺の顔を見て止まる。

 

「...?顔になにかついてる?」

 

一花「ううん、何もついてないよ。ただね─」

 

「?ただ??」

 

一花「...君、どこかで見たような...」

 

「学校でちらっと見かけたんじゃないか?」

 

適当に返して話を切ろうとするも─

 

一花「違うよ。ちらっと程度じゃなくて...」

 

キッパリその線を切られる。

 

「...とりあえず、リビングでテストを解いて欲しい。行くよ」

 

当初の目的である一花を引き連れることを達成するため腕をつかみ引っ張ろうとする...が一花は必死に抵抗する

 

「どうした?テストを受ける気がないのか?」

 

一花「私、今服を着てないの」

 

─またかよ。さすがに1日2回もそんなことになるなんて...あの時でもなかった。

 

「探そう。」

 

一花の腕を掴んでいた手を離しあたりに広がるものを種類ごとに分けて整頓する。そして適当な服を見つける...

 

「これでも着て。」

 

その服を一花に投げる。だが一花は着ようとしない

 

「?下着が必要だったか?」

 

そういうも一花から返ってきた言葉は違った

 

一花「せっかく同級生の女の子の部屋に来たのにそれでいいの?」

 

─何言っているんだこの子は

 

「...服を着てリビングに来てくれ」

 

一応声掛けはできた。目的を達成した俺は部屋を出ることにした

 

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─一花side─

 

...なんで彼がいるの?直前までいた彼は私の心を揺さぶる。彼が部屋を出るまで気付かなかったけど彼は...あの雨宮蓮くん...のハズ。

 

「なんでまた私たちの家庭教師になったのだろう。」

 

彼は元来忙しいハズ...なのにどうして家庭教師をしているのだろう

 

妹達はさておき私には分かってしまった。

 

彼は...彼は──

 

 

 

 

 

 

 

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─蓮side─

 

これで俺側のミッションは終わりだな。そう思いリビングの元へ向かおうとした俺を誰かが呼び止めた─

 

「蓮」

 

「どうした三玖」

 

三玖「私の体操服が消えたの。」

 

...それだけで何故俺に話をするんだ?

 

三玖「...蓮が部屋を出てから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─嗚呼...なるほど。三玖は俺が体操服を─

 

 

三玖「...取った?」

 

「取ってない。なぜとる必要がある。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...不安が的中してしまった瞬間であった。




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