織斑一夏は理解できない   作:五番目

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凰鈴音は理解できずに食べられることを嬉しく思う

一夏とは幼馴染みだ。

 

一夏は話したがらないものの日本人ではなく中国人である鈴と一緒に居てくれたのだ。

 

入学したてで日本語をあまり話せなくて、当時日本のある動物園で飼育されていたパンダの名前が似ているだけで、いじめを受けていた。

 

それを一夏が止めてくれたのだ。

 

嬉しかったのだ。

 

異国の学校に通い、いじめを止めてくれたことで鈴は救われたのだ。

 

それから家にも連れていった。

 

家が中華料理を提供する定食屋をやっていたから、一夏に救ってくれたお礼をしたいからと料理をする。

 

最初は母に事情を話した時、どうすれば良いのかと聞いたら鈴が料理を、その気になる男の子に振る舞ってやれば良いと言われた。

 

その時は気になると言われたことに反発をした。

 

しかし、今思えばその時は一夏のことを好きというよりも、確かに母の言う通り気になっていたのだろう。

 

反発をし、図星を付かれたのか顔を赤くしつつも母に料理を教わった。

 

一夏に酢豚を作ったとき失敗してしまった。

 

鈴は泣きながら自分が作った酢豚を捨てようとするものの一夏はそれを食べたのだ。

 

毎日同じ表情で変えなかった一夏が鈴の作った失敗作の酢豚を食べたとき、少しにこり、と笑ったのだ。

 

優しい表情になった一夏を見ていた鈴は、その表情を不思議とずっと見ていたいと思うようになった。

 

そして、気になっていた男の子から好きな人に変わっていった。

 

何も話さず、表情を変えず、いつも興味なさげに見ていた一夏は鈴と一緒に歩くときは背が低い鈴に一夏が歩幅を合わせようとするのだ。

 

鈴は嬉しく思った。

 

そんな好きな人だからこそ一緒に居たいと思うようになった。

 

両親が離婚し中国に帰ることになったとき、泣いたのを覚えている。

 

だから一夏に言った、私が作った酢豚を毎日食べてくれるか、と。

 

一夏は何も言わなかったが、泣きながら言った鈴の頭を撫でた。

 

鈴は中国に帰る飛行機の中で思った。

 

いつか必ず一夏に会いに行く。

 

数年後、鈴は中国で国家代表候補生として自身の才能を開花させていた。

 

鈴がISの飛行テストを行っていたとき、日本人の男性が世界で初めてISを動かしたというニュースが飛び込んできた。

 

その男性の名前は織斑一夏。

 

鈴はチャンスだと思った。

 

IS学園に転入し、1年2組に入った鈴は一夏と再開した。

 

一夏と鈴の会話は鈴が一方的に話すだけで終わってしまう。

 

鈴はあの頃のように一方的に話した。

 

一夏とクラス代表戦で戦い勝ったら私と付き合え、と。

 

そして、クラス代表戦で起こったのだ。

 

イチカの攻撃が鈴の体を貫いた。

 

一瞬何が起こったのか理解できない鈴は、イチカの口が開き自身の体を食われた痛みによるショックで気絶した。

 

鈴は気がつくとどこかに立っていた。

 

鈴は一夏の姿を見かけると走る。

 

一夏の傍まで走ると一夏は鈴を抱き締める。

 

鈴はなぜだか幸福感で胸が一杯だった。

 

鈴は一夏を抱き締める。

 

そして鈴の意識は粒子変換され分解される。

 

イチカは鈴の肩に噛みついた。

 

すると意識の無い鈴は一夏を抱き締めながら食べられ続ける。

 

嬉しさのあまり意識の無いまま涙を流す鈴の表情は、嬉しそうに笑う。

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