織斑一夏は理解できない   作:五番目

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セシリア・オルコットが理解する訳がない

セシリアは怒りを覚えた。

 

どういうつもりなのかと、直接一夏という極東の猿に問い詰めたくなる。

 

セシリアは男でありIS搭乗者である一夏に敵意を抱かずにはいられなかった。

 

故にセシリアは、男であり極東の猿に国家代表候補生である自身の話を全く聞いておらず、あまつさえ返事すら返さない一夏の態度に腹を立てる。

 

あのブリュンヒルデの弟がこのような猿などと、セシリアにとってはあり得ないことだった。

 

本来、セシリアはプライドの高い性格だった。

 

自身の父親が弱い男であったことが災いしてしまい、男はISを使うことができない弱者であると認識する。

 

だからこそ、怒りが収まらないのだ。

 

ISとは女性しか使うことが許されない。

 

更に、女性の中でも選ばれた人間のみ使うことを許されるのだ。

 

それを男が使うなど、何の冗談なのか。

 

男であっても、あのブリュンヒルデの弟ならばと思ってみればこれなのだ。

 

私は国家代表候補生であると一夏に主張するも、一夏は悉くそのセシリアの怒号を涼しい顔で無視をする。

 

一夏の態度に男であり、本来はISを使うことのできない弱者のくせに、無視をするなど許されることではない。

 

どれだけ、汚く言葉を尽くしても一夏は何も言わずじっとセシリアを見ていた。

 

怒りのあまり、セシリアは日本語ではなくイギリス英語で一夏をなじるものの、一夏は何も言わなかった。

 

放課後になってもその怒りが収まらないセシリアだったが、授業中に決定されたクラス代表のことに対してあることを思い付く。

 

クラス代表を決めるとき、あの猿の名前が挙がったのは遺憾だった。

 

クラス代表に選ばれるのは国家代表候補生でもある私ではないのか、と傲慢にもセシリアは自身が選ばれた存在であると認識している。

 

エリートであり将来を約束された身でもある私こそがなるべきなのであると、セシリアは驕り高ぶる。

 

なので、セシリアは一夏に対して、クラス代表を決めるISを使った模擬戦にて立場というものを私直々に理解させてやると考えたのだ。

 

弱者である男は選ばれた存在である私にただ守られていれば良いのだ。

 

あの父親のように弱者であればよいのだ、とセシリアは男よりも上位の存在である自身が同じ学校に在籍することが我慢ならなかった。

 

さらに、セシリアは男性である一夏がただISに搭乗できるだけで、IS学園に入学できたその幸運さに何故感謝しないのかと理解できなかった。

 

このIS学園の倍率がどれ程のものかをあの猿はわかっているかなど、あの態度を見れば一目瞭然だった。

 

対した努力もしていないあの猿がこのIS学園に入学するなど、人よりも努力して国家代表候補生に選ばれた私よりも当然下だと考えるセシリアだった。

 

故にセシリアは姉であるブリュンヒルデの伝手を使って入学したその事実を認めたくないものとして、一夏を自身の手で倒すと決意する。

 

だから、セシリアは肝心なところを理解していない。

 

プライドが高いセシリアが自身よりも下である男を理解する訳がないのだ。

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