ナルト先生の新人下忍育成記   作:赤いUFO

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遅れてスミマセン。そして短い。


Cランク任務・弐

「おーし! 大事な荷だからな。丁重に降ろせよ!」

 

 目的の村に到着したナルトたちは、馬車で運んでいた荷物を順々と降ろしていく。

 襲ってきた野盗たちは村まで運ぼうにも馬車にスペースが無いため、ナルトが見張りと影分身を1体づつで木ノ葉の里へと向かわせ、回収させることにした。

 彼らは木ノ葉の里で情報を吐いてくれることだろう。

 

「結局、あの野盗の人たち、なんだったんでしょう? チャクラまで練れるなんて……」

 

 不安そうなコムギにナルトはさあな、と軽く返す。

 それにメイが頷いて続くように疑問を口にした。

 

「これからこの村の人たちが木ノ葉に訪れる際に野盗たちに襲われる可能性がある」

 

「そのことなら心配すんな。里の近辺にある村は、木ノ葉の忍者が定期的に訪れるんだ。何か緊急の任務があったら郵便用の忍鳥を飛ばして報せてくれるしな! だから、滅多なことになんてならねぇよ」

 

 心配すんなとメイの頭に手を置くナルト。

 そこでナルトが僅かに表情を動かす。

 

「どうした? ナルト先生」

 

「あぁ。どうやら、木ノ葉があの野盗たちを回収したみてぇだ。これから、木ノ葉に連れてって情報を聞き出すだろうぜ」

 

「なんでそんなことが分かるんですか?」

 

「影分身のおかげだな。この術は分身が消えると経験したことが本体に蓄積されるんだってばよ。情報を引き出したらもう1体の影分身を消して俺のところに情報が入るってわけだ」

 

 便利だろ? とニカッと笑うナルトにヒヒが驚く。

 

「すけぇ! でもずりぃ! 今度俺たちにも教えてくれよ!」

 

「木ノ葉に戻ったらな! っていうか何がずりぃだ、ヒヒこらぁ!」

 

 ナルトがヒヒの頭を拳で挟んで軽くグリグリする。

 や、やめろよーと、腕をペチペチ叩くヒヒ。

 それを見ていた依頼人の夫婦が声をかけてきた。

 

「先生さん。アンタらは、明日の朝にこの村を村を出るんだろう?」

 

「あぁ。そのつもりだってばよ」

 

「なら、今晩、少しばかりのおもてなしをさせてはもらえませんか? 今回は本当に助かりましたので」

 

「いや、オレたちは任務で────」

 

 申し出を断ろうとするナルトだが、いいからいいからと勧めてくる依頼主に押される形でじゃあ少しだけ、と歓待を受けることにした。

 

「お前たちも、夜まで自由行動だ。分かってると思うけど、村の外には出るなよ。それと────」

 

 注意事項を続けようとするナルトにヒヒがわぁってるって! と声を張り上げる。

 

「確かに俺たちは新米かもしんねぇけど、もうアカデミー生(ガキ)じゃねぇんだ! それくらいのことはちゃんと分かってるって! 今、俺たちは、忍者なんだから!」

 

 かつて、中忍試験で自分が恩師のイルカに言ったことと似たようなことを言う。

 それにナルトはへっ、と笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヒヒとコムギが村の子供たちに掴まって簡単な忍術を披露して歓声を浴びてる頃。

 メイは1人村を回っていた。

 絵に描いたようなのどかな村。

 メイが木ノ葉忍者と知ると警戒心を解いて親切にしてくれる。

 初めて見る里以外の人の生活する場を眺めていると、懐かしい音が聞こえてきた。

 その音を聞いてメイは眼を大きく開く。

 

「なんで……!」

 

 居ても立っても要られずにメイは音の方角に走り出した。

 今聞こえる三味線の音と。それには聴き覚えがあったから。

 

「偶然……きっと村の人が弾いてるだけ……!」

 

 そう理性では理解していても向かわずには要られない。

 

(だって……この曲は、お父さんの……)

 

 小さい頃からよく聴かされた父の三味線の音にそっくりだった。

 村の隅っこにある林に突っ切る。

 

 耳に届く三味線の音が大きく、鮮明になっていった。

 そしてその音の発する場所へと辿り着くと。

 

「お、父さん……?」

 

 三味線を弾く、懐かしい父の姿があった。

 

「久しぶりだね、メイ。大きくなった。見違えたよ。母さんに似てきたかな」

 

 三味線を弾く手を止めてメイに話しかける。

 

「どうして、生きて……それに、なんでここに?」

 

 覚えている。忍界大戦前に帰ってくると約束してくれた笑みと家を出たその背中を。

 忍界大戦後に紙切れだけで父の死亡通告を受け取ったあの日を。

 そんな父がなぜここにいるのか。

 

「ずっと独りにさせてすまない。大戦後に訳あって木ノ葉に長いこと戻れなくなってしまってね」

 

 頭に置かれた手の温かさは記憶と寸分の違いもなかった。

 訊きたいことが山程あるのに混乱した頭がそれをまとめさせない。

 

「許してくれないかも知れないが、これからはちゃんとメイの傍にいるつもりだ」

 

「それは、木ノ葉に戻ってくるってこと?」

 

「いや。僕は木ノ葉には戻れない。だから、メイにこれからずっと一緒に居られるように手伝って欲しいことがあるんだ」

 

 父の言葉に不信感を覚えながらもメイは続きを聞く。

 

「あぁ、それは────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 村ではナルトたちを歓迎してもらっていた。

 宴をして、気持ちよく村を出てもらい、次の仕事もお願いするように。

 ナルトは若い村の女性に酒を注いでもらっていると、コムギが横目で。

 

「ナルト先生。あんまり女の人を侍らせてると、ヒナタ様に言いますよ?」

 

 それを聞いたナルトが口に入れた酒でむせる。

 

「バカお前! これはそういうんじゃねぇってばよ!?」

 

 ナルト自身、相手に対して異性として意識している訳ではないが、話を聞いたヒナタがどう思うかは別だ。

 そんなナルトに村の女性がクスクスとからかうように笑う。

 

「ふふ。そうですわね。ですが、先生さんが良ければ、今晩うちの部屋に来ても構いませんよ?」

 

「……勘弁してくれってばよ」

 

 そんなことをしたらヒナタに会わす顔がない。

 

 ヒヒは村で採れた野菜で揚げられたてんぷらを中心にうめぇ、と料理を食べていた。

 途中でナルトに影分身を教えてくれとせがんだりしている。

 

 そんな中でメイは厨房に来ていた。

 

「すいません。ちょっとお水を貰っていいですか?」

 

 メイが訊ねると、給仕の女性があら? と訊き返す。

 

「水で良いのかい? ジュースもあるよ」

 

「はい。お水が飲みたいので」

 

 そうかい? と給仕が水の入った容器を渡してくれた。

 それをコップに注ぎ、中に持って来てあった薬を入れて混ぜる。

 水の透明感は変わらず、ナルトの隣に行く。

 

「先生。お酒ばっかり。お水、いる」

 

 そう言ってコップを差し出してくるメイ。

 

「ん? あぁ。そろそろ、水が飲みたかったんだってばよ。ありがとな、メイ!」

 

 もしかしたら教え子の気遣いを無駄にしたくなかっただけだったのかもしれない。

 ナルトはメイからコップを受け取る。

 

 

 

『メイには、木ノ葉の英雄。うずまきナルトを殺す手伝いをしてほしいんだ』

 

 

 

 ナルトは疑うことなく、教え子から受け取った水を喉に通した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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